出木杉 英才(できすぎ ひでとし)は、藤子・F・不二雄のSF漫画『ドラえもん』および、それを原作としたアニメに登場する架空の人物である。4月2日生まれ。野比のび太のクラスメイト。学業優秀でスポーツ万能、かつ誠実で容姿端麗な優等生であり、のび太が日頃から強い嫉妬心を向けている相手。また、しずかが少なからぬ好意を寄せていることも快く思っていない。成績はオール5。人柄が朗らかで性格がよく、自分に陰湿ないたずらを加えた級友を許すほど寛大な心の持ち主。その誠実な人柄は、彼に嫉妬を抱くのび太にも「いい奴」と認められている。ただし、登場当初は自信家を匂わせる部分があり、思慮に欠けた発言で立場の劣る相手の不興を買うこともあった。常に落ち着いた物腰で大人びた性格の持ち主だが、時折ストレートに感情を表すことがある。秋芳洞の鍾乳石を折ったジャイアンに対して激昂したり、未来の世界を訪れた時には等身大の喜びを表したりしている。上記のようにのび太からは(一方的に)敵愾心を向けられているが、本人はあくまでも友人として対等に接している。勉強にしか興味がないというわけではなく、漫画やゲームを楽しんだり冗談を口にするなど、ウィットに富んだ面もある。欲しい物があっても親に頼らず、家庭教師のアルバイトでお金を貯めて買う勤労少年である。小学生ながら、外国人の友人・スミスくんと文通している。学校ではのび太のクラスの代表を務めている。知的好奇心が強く、未来の世界を見るのが夢で、これはのび太により叶えられた(というよりは、のび太からの頼まれ事と交換条件で叶った)。また、のび太やドラミと共にジュラ紀を訪れ、ウルトラサウルス(ブラキオサウルス属の既知の種ブラキオサウルス・アルティトラックス)に触ったことがある。しずかに好意を持っており、2人きりで学校から帰ったり、遊んだりすることが多い。本人は「運命的なものを感じるね」と発言したり、「しずちゃんのことは大好き」と明言している場面がある。ただ、その「大好き」が恋愛感情なのかどうかは不明。映画『のび太の結婚前夜』での未来の彼は、嫉妬心など見せず笑顔で2人の結婚を祝福している。また、アニメ第2作2期版『のび太の結婚前夜』では、「昔からしずかちゃんのことで、野比くんに勝てる人はいない」と敗北を認めるような発言をしている。テレビアニメ第2作1期ではしずかを「しずかちゃん」と呼んでいたが、第2作2期から「しずかくん」と呼ぶようになった。テレビアニメ第2作1期ではキャラクターデザインが原作と少し異なっていた(髪型が短めで、眉が太め)。基本的に何でも出来るパーフェクト少年。そのためなのか、「出来杉英才」の誤表記も多く見られる。しずかから、「出木杉さんてなんでもできるのね。尊敬しちゃうわ」と言われたこともある。学業では、テストはいつも100点で宿題もきちんとやり、先生から「出木杉はりっぱだ」「みんなも見習いなさい」と言われて気に入られている。しずかが30分、スネ夫が3時間、ジャイアンが4時間、のび太が朝までかかる宿題を10分で終えてしまう。知力は優等生のしずかを上回り、何度も彼女に宿題を教える描写がある。夏休みの宿題では完璧な自由研究をこなした。のび太に「すごすぎて、参考にならん」と言わせるほど。スポーツも優秀で、サッカーに興じる。しかし、野球(ジャイアンズ)でも守備では超ファインプレーを連続(このときは、内野を務めている)、打撃では大ホームランをかっとばし、しずかたちから「プロみたい」と感心されるほど。また趣味も多彩であり、特撮映画のシナリオを書いてみたり、ジャイアンやスネ夫と一緒に、ジオラマ撮影に熱中する場面もある。ゲームも得意で「ゲームもいいけど、みんな簡単過ぎて、すぐ飽きちゃうんだよね」と発言。それに対ししずかは「出木杉さん、頭が良すぎるのよね」と言った。絵も得意で写真と見まちがうほどの絵を描くことができる。絵が得意なことをたびたび自慢するスネ夫に、写生を「じつにうまい! さすがのぼくもかなわないほどだ」と評されるほど。写生だけでなく人物画も得意とし、しずかの肖像を描いたこともある。他に趣味として手品・料理などがあり、いずれも高い腕前を持つ。ひみつ道具に対して強運の持ち主であり、「にが手つくり機」でテストが苦手になったにも関わらず努力によって100点を取ったり、「ゲームブック」で簡単にゲームをこなしたり、無差別的に相手を拘束する「正義ロープ」すら無効化する(テレビアニメ第2作第2期版より。本人はその自覚がない)。ただし本人は「機械で人の心を変えてはいけない」「ズルはいけない」と否定することがある。苦手なものはうるさい音で、周りが喧しいと勉強も頭に入らないと言っている。他の登場人物とは距離を取ったやや近寄りがたい存在として描かれることもある。物語の中では、しずかを除いてはレギュラー5人の友情の中に入ることは少ない。決して一同との交流を拒んでいるわけではなく、遊びの誘いがあれば快く仲間に加わる。しずかと仲がよく、しずかと一緒に出掛けたり、交換日記をしていたこともある。登場するときはしずかと2人でいることがほとんどで、しずかと一緒にいない描写は少ない。しずかのことを「しずかくん」と呼ぶこともある。横暴なジャイアンでさえ、普段は出木杉に対しては、付け入る隙を全く見せない事もあってあまり強い態度には出られない事が多いが、出木杉自身は他のキャラクター同様ジャイアンは怖いようで、20巻収録『超大作特撮映画 宇宙大魔神』で、映画の撮影の際スネ夫と共に口先で丸め込んでジャイアンに悪役を演じさせた(ジャイアンにはあくまで「正義の味方」と思わせていた)後、彼が「映画が出来たら呼んでくれ」と言って帰って行った直後にのび太に「見せるの?」と聞かれ、困った表情で「見せたら殺されるよ」と漏らしている(実際に映画を見たジャイアンは、全員が逃げ出して一人になっていた試写会場で「ころしてやる!」と激昂している)。また、41巻収録『恐怖のディナーショー』に描かれているように、ジャイアンのリサイタル等では、他者と同様に強制参加が義務付けられているようで、嫌がっていながらも断る事は出来ないようである。もっとも、これはジャイアンに対する怖さだけでなく彼自身の優しさから断れないという面もあり(上述のようにジャイアン相手でも激昂する事はある)、この回ではリサイタル準備役となったのび太とドラえもん以外の面々が仮病や居留守を使って参加を拒否する中、出木杉のみは参加を承諾し、のび太は出木杉に感謝していた一面がある。他にものび太がありえないほどの宿題を全てやってきた際にはクラスで最初にのび太に拍手をしていた。25巻収録『のび太の結婚前夜』では、剛田家で行なわれたバチェラー・パーティーで、スネ夫、ジャイアン、のび太と共に顔が真っ赤になるまで飲み明かし、肩を組んで歌い合う場面が見られ、青年期に至るまで相応の友情を育んでいた様子が窺える。また、後述のように結婚後ものび太と親交を保っており、火星に赴任した折に息子を預けるなど、彼を非常に信頼している事が伺える。両親に関して詳細は不明で、父親(と思われる人物)は1コマのみの登場、母親に至っては姿が登場せず、ドラえもんの道具「時限バカ弾」の効力によってあげた「パッパラパー」という奇声のみの登場である(「ママの声だ」と漫画の台詞に書かれている)。一時、父親の転勤でアメリカに引っ越すという話が持ち上がったが、実現はしなかった。ペットとして犬を飼っている。出木杉の頭より拳ひとつ大きいほどの体高で、犬のコンクールで優勝した実績を持つ名犬。悪口を言うと噛みつきそうになるので、ジャイアンが冷や汗をかきながらお世辞を言うほど。自室に家族の電話とは別の固定電話が引いてある。そのため、いたずら電話に悩まされたこともあった。大人になってからは火星への出張もするエリートになった。44巻収録『ハワイがやってくる』では少年期(現在)に「月や火星に行ってみたい」と発言しており、その夢を叶えたことになる。外国人と思しき妻をめとっており、二人の間にはヒデヨという出木杉の少年時代にそっくりな子供がいる。のび太の家に息子を預けていることから、大人になってからものび太としずかとの親密な交流は続いているらしい。映画「STAND BY ME ドラえもん」ではのび太同様しずかに対しプロポーズをしたことが示唆されており、その際に「あなたは1人でなんでも出来るでしょ」という理由で振られたと語っている。恰幅が良くなり、アラビア風の顎ヒゲをたくわえている。テレビアニメ第2作2期2007年9月7日の放送によれば、出木杉の子孫と思しき人物が総理大臣になっている。そして、その総理大臣の息子をドラえもんが通っていた学校のエリートネコ型ロボットが世話をしている。『ド・ラ・カルト 〜ドラえもん通の本〜』の記述によれば、出木杉が登場する以前は、ドラえもんは「のび太の未来を幸福なものに変えるためにやってきた」存在であり、ドラえもんがいる限りは「しずかと結婚して人並みの幸せをつかむ未来」は安泰であるような描かれ方をしていた。しかし出木杉が登場する前後、ドラえもんは「今ののび太次第で未来は変わることもあるからね」という具合に、のび太のお守り役としての存在からおりてしまった(尤も同書ではそれ以前に、単行本6巻ラストの『さようならドラえもん』~7巻冒頭の『帰ってきたドラえもん』の流れを境に、ドラえもんがのび太と一緒にいる理由は、のび太自身の成長もあり、「お守り役」から「親友」に変わったと推測している)。出木杉が登場してからは、「出木杉としずかが仲良くしている場面を目撃したのび太が、しずかと結婚できるはずの未来を信じられなくなる」というシーンが頻繁に描かれるようになり、のび太は未来が不確定であることを知るようになる。実際そのような記述も単行本の中に現れるようになる。これはあまり大きく取り上げられていない事象だが、ドラえもんの根本を覆す大きな方向性の転換である。しかし、上述のように最終的には出木杉がのび太・しずか夫妻に子供を預けるという未来が描かれた事で「しずか争奪戦」でのび太が勝利した事が確定した。出木杉の下の名前は、22巻収録『税金鳥』にて「太郎」の名で初登場した。その後、23巻収録『透視シールで大ピンチ』で、はがきの宛名に「英才」(ルビなし)と書かれる。しばらくして、それを受けて、『税金鳥』の改版で「太郎」が「英才」(ルビは「えいさい」)に書き換えられた。その後、小学館から発行された書籍『ド・ラ・カルト 〜ドラえもん通の本〜』において、「英才の息子は『ヒデヨ』である。このことから『英才』は『ヒデトシ』と読むのが正しいのではないか」という説が書かれた。この説が公になったことにより、それ以降に発行された単行本では「えいさい」から「ひでとし」に修正されている。この説は『税金鳥』だけではなく、各種百科などの関連書籍やテレビアニメでも幅広く取り入れられている。藤子プロ公式サイトのみ「名前は出木杉英才(できすぎえいさい)。英才は(ひでとし)という説もあるよ」との立場を取っているため、藤子プロ公式サイトを除けばほぼ統一されている。出木杉の初登場は「コロコロコミック」1979年9月号掲載の『ドラえもんとドラミちゃん』だが、その時は「明智」(「あけち」と読む)と呼ばれていた(文庫版「ドラミ編」および、てんとう虫コミックス「ドラえもんプラス」4巻への収録時には「明智」が「出木杉」に修正されている)。漫画やアニメのスタッフロールで、「出来杉」と誤表記されることがしばしばある。映画『のび太の恐竜』のシナリオ初稿では、ドラえもんたち5人と共に1億年前の世界で冒険を繰り広げるという脚本になっていた。しかし、実際には出木杉の登場シーンはカットされてしまい、その後の劇場版でも序盤には登場することはあるが冒険には一度も連れて行ってもらっていない(なおアニメではドラミによりのび太・しずかと共にジュラ紀を冒険する作品が存在する)。大長編では専ら難解事項や歴史の解説役など狂言回しとして物語の冒頭に登場することが多く(ヘビー・スモーカーズ・フォレスト、魔女狩り、本物の熱線、新種の植物、鳥人伝説)、活躍は皆無である。そのため劇場版では実際の内容とは係わりのない役柄になることが多い。なおパラレルワールドが舞台の『のび太の創世日記』では、出木杉に酷似した出木松博士という人物(大人)が登場する。声優:白川澄子(1980.4 - 2005.3)、萩野志保子(テレビ朝日アナウンサー)(2005.5 - )俳優:内村航平(トヨタ自動車コーポレートCM)
出典:wikipedia
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