バルサ (Balsa, "Ochroma lagopus") は、アオイ目パンヤ科の高木。一属一種。「バルサ」はスペイン語で「いかだ」の意味。木材としては非常に軽く、模型などに使われる。南米の熱帯地域からメキシコ南部が原産。成長が早く、樹高は 30 メートルに達する。常緑樹であるが、乾季が長い場合は落葉する。葉は掌状でやや裂葉し、長さ 30-50cm ほどとなる。幹は木目が粗く、非常に軽く軟らかい材木になる。バルサの密度は約 140 kg/m ほどで、だいたい 100-200 kg/m の範囲にあり、これは一般的な木材の約 1/3 である。このため、バルサは模型や浮き、救命胴衣などに使用されている。「コンティキ号」もバルサで造られていた。太さ数十cmのバルサ原木は、縦横十字に割られた後、一方の面に平行に製材される。従って、板材は年輪に直角に切り出されたものから、徐々に斜めになり、最後には年輪と平行な板目になる。板の面と年輪が直角に近いものは「Cカット」「コーター・グレイン」などと呼ばれ、幅方向に曲がりにくく、狂いにくい材料である。これは柾目であり、1本の原木から少ししか取れないので貴重品である。柾目のバルサは、表面にマダラ模様がある。バルサ原木を加工して板状、または棒状に加工した木材をバルサ材と呼ぶ。バルサ材は軽く、加工しやすく、重量に比べて強度が大きい。そのため1930年頃、アメリカ合衆国において建築資材、映画セット、航空機、模型航空機等の分野で急速に普及した。中米の古代文明(5世紀以前)でバルサ製の筏が使われ、遠洋航海が行われた。1950年頃、ノルウェーの人類学者トール・ヘイエルダールが、「ポリネシア人は南米・中部アンデス地帯から移住した」という仮説を証明するため、バルサ材などを材料にした筏コンティキ号でペルーを出発し約8000kmを100日余で航海して、東ポリネシア・ラロイア環礁に到着した。アメリカでエンパイア・ステート・ビルディング(1930年)など高層建築が発達し、高さが競われた時代、風で振動するのを抑えるため、軽くて圧縮に強い木材を梁の内部の補強や壁に使う建設技術が一般化し、バルサが適切であるとされた。1920年代中盤、米国で高層ビルの建設ラッシュが始まってから、商業ベースでの大規模なバルサ材の伐採が始まった。バルサ材は工作性に優れ軽量なことから、ハリウッド等で大量に制作される大道具・小道具の材料となる。バルサは柔らかく簡単に壊れるので、活劇場面で盛大に壊されるような物を作ると、俳優・車両に対するダメージが少ない。京都太秦の撮影所の近くには、映画向けのバルサ材取り扱い店が有った。1930年にNACA(現NASA)は第354号報告書(NACAテクニカル・レポート)を発表し、スプルース材などと共に、木製航空機用資材としてバルサ材を収録している。第二次世界大戦中、イギリスのデ・ハビランド・エアクラフトではデ・ハビランド モスキートをはじめとする木製の偵察機、爆撃機、戦闘機が多数作られたが、その材料はバルサ材を樺材の間に挟んだ合板であった。時代が下り、ジェット機が出現してからも、バルサ材は同じ用途に使われ、アメリカのF4Dでは、バルサ材を薄いアルミ板で挟んだ成型材が使われた。1930年にアメリカのモデラーがバルサ材を使った模型機を制作し、同年のウエークフィールド級世界選手権大会戦で優勝した。以後、バルサ材は模型航空機の主要な材料となった。
出典:wikipedia
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