サドラーズウェルズ () は、アイルランドの競走馬・種牡馬である。おもな勝ち鞍はアイリッシュ2000ギニー、アイリッシュチャンピオンステークス、エクリプスステークス。引退後は父の後継種牡馬として活躍し、イギリス・アイルランド、フランスで計17回チャンピオンサイアーを獲得した。父は大種牡馬・ノーザンダンサー、母はアイルランドで2戦2勝のフェアリーブリッジ、牝系は名門ソング系という良血。叔父に種牡馬として成功を収めたヌレイエフ、近親に日本に種牡馬として輸出されて活躍馬を出したジェイドロバリーがいる。名前の由来はロンドンにあるサドラーズウェルズ劇場から。全弟・フェアリーキングも種牡馬として成功した。名伯楽ヴィンセント・オブライエンに預けられると、1983年9月17日にレパーズタウン競馬場でデビューした。このレースで勝ち上がると、続くベレスフォードステークスを6馬身差で勝利し2歳シーズンを終えた。3歳クラシック路線はグラッドネスステークスで同厩のエルグランセニョールに敗れたことでアイリッシュ2000ギニーからジョッケクルブ賞(フランスダービー)という裏路線に回ることになり、エプソムダービーへは出走していない。アイリッシュ2000ギニーはダービートライアルステークスを叩いて挑みプロシーダやのちのエプソムダービー優勝馬セクレトを破り勝利し、続くジョッケクルブ賞は距離不安から3番人気に留まったもののダルシャーンの2着と善戦している。その後はエルグランセニョールが引退したことでサドラーズウェルズに注目が集まり、さらにエクリプスステークスをレースレコードで勝つと厩舎のエースとしてキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスに出走したが、前年のエプソムダービー優勝馬ティーノソの2着に敗れた。このあとベンソン&ヘッジズゴールドカップ4着、フェニックスチャンピオンステークス1着、凱旋門賞8着とし、凱旋門賞を最後に引退した。現役時代はマイルから中距離に勝ち鞍があり2400メートルのレースも勝利はしていないが、上記にあるとおりジョッケクルブ賞(当時は2400メートル)、キングジョージ2着の実績があるように距離の融通が利く馬であった。引退後はアイルランドのクールモアスタッドで種牡馬入りした。1990年にイギリス・アイルランドリーディングサイアーを獲得すると、翌々年の1992年から2005年にデインヒルに敗れ3位になるまで10年以上にわたってイギリス・アイルランドの種牡馬リーディング1位を保持し続けた。2004年には、それまで更新不可能といわれた18世紀の大種牡馬・ハイフライヤーの13回の記録を更新し、通算14回とした。フランスでも3度(1993年、1994年、1999年)チャンピオンサイアーを獲得している。2008年5月12日(現地時間)、生殖能力低下に伴い種牡馬を引退した。その後はクールモアスタッドで余生を送り、2011年4月26日午後に病死した。産駒はGI馬だけでも60頭以上おり、とてもここですべてを挙げることはできない。代表産駒はモンジュー(凱旋門賞、アイリッシュダービー、ジョッケクルブ賞、キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス、仏チャンピオンサイアー)、ガリレオ(エプソムダービー、アイリッシュダービー)、ハイシャパラル(ブリーダーズカップ・ターフ2回、エプソムダービー、アイリッシュダービー、アイリッシュチャンピオンステークス)などである。英国クラシックのすべてを2勝以上しており、凱旋門賞は2勝、キングジョージは4勝、アイリッシュダービーにいたっては6勝している。エプソムダービーはなかなか勝てず1990年ブルーステージから5回の2着がありながら勝てなかったが、2001年にガリレオが制覇すると、翌年ハイシャパラルが勝ち、サドラーズウェルズ産駒が連続で制覇した。アメリカ競馬や日本競馬においては産駒が競走馬としてあまり成功しておらず、日本ではステイヤーズステークスに勝ったサージュウェルズが唯一の重賞ウィナーである。理由としては欧州特有の深い芝を得意とするスタミナ型の馬のため、アメリカ特有のスピードのいるダートや日本の固い芝で展開されるスピード競馬には向かないという論説が根強く唱えられている。ただしアメリカでも芝戦線であれば、ブリーダーズカップの芝部門を計6度制覇するなど、実績を残している。障害競走でも実績を残しており、この傾向は日本で種牡馬入りしたオペラハウス、そしてその代表産駒であるテイエムオペラオーの産駒にも受け継がれている。サドラーズウェルズは自身だけでなく、その産駒も種牡馬として多数活躍している。なかでもガリレオは、14戦無敗のフランケルなど多数の活躍馬を輩出し、2008年以降英愛リーディングサイアーの座を4度獲得している。モンジューもエプソムダービー勝ち馬を4頭送り出すなど、ガリレオに次ぐ後継種牡馬として活躍した。ヨーロッパ以外に繋養されている種牡馬も活躍馬を輩出している。アメリカではエルプラドがメダグリアドーロなどを輩出しアメリカのリーディングサイアーとなり、その子のキトゥンズジョイも父子2代でのリーディングサイヤーとなった。さらに、オーストラリアではシーニックとハイシャパラルが、南アフリカではフォートウッドが活躍馬を送り出している。このようにサドラーズウェルズ系の勢力は世界各地に広がっている。日本ではオペラハウスがG1を7勝したテイエムオペラオーやG1を4勝したメイショウサムソンなどを輩出したものの、それ以外の直仔は総じて不振だった。オペラハウス以降にJRAのG1を勝つ同系種牡馬が現れるのは、サドラーズウェルズを3代父に持つローエングリンがG1を3勝したロゴタイプを送り出すまで待たねばならなかった。直系子孫についてはサドラーズウェルズ系を参照のこと。北アメリカイギリス・アイルランドフランスオーストラリア南アフリカチリパートI国のみ掲示また近年はブルードメアサイアー(母父)としての活躍も目立つようになり、リーディングサイアーとなっただけではなく、にもなっている。日本では母父としての活躍は比較的早く、代表的なところではフサイチコンコルド(日本ダービー)や、エルコンドルパサー(NHKマイルカップ、ジャパンカップ、サンクルー大賞、凱旋門賞2着)を送り出していたが、その後もシーザリオ(オークス、アメリカンオークスインビテーショナルステークス)、ヘヴンリーロマンス(天皇賞(秋))、アンライバルド(皐月賞)、エイシンアポロン(マイルチャンピオンシップ)など、多数の名馬を母父として送り出している。日本以外ではサキー、ディバインプロポーションズ、ユームザイン、ヘンリーザナビゲーター、コンデュイット、ワークフォースなどがいる。産駒の傾向としては心肺能力が優れた馬が多く、豊富なスタミナを持つステイヤーが多い。とくにヨーロッパの大レースに多いクラシックディスタンス(2400メートル前後)や長距離で実績を挙げている。送り出した産駒数も多く、短距離の大レースを勝利する産駒も輩出している。競走馬として必要不可欠な頑健さも充分に伝えるため、長距離輸送や連戦などによく耐えるタフな産駒が多いことも特徴である。また、輸送先の滞在などの環境の変化に対する適応力も兼ね備える。これらは同馬が多数のステークスウィナーを送り出している要因の一つである。また、ダートのレースでの活躍馬は、サドラーズウェルズの実績と比べるとあまり多く出ていないが、孫世代以降からはシングスピールとその子ムーンバラッドがドバイワールドカップに勝利し、曾孫のレイチェルアレクサンドラがエクリプス賞年度代表馬になるなど、子孫としてのサイアーラインからはダートの大レースを勝利する産駒も出てきている。また前述の通り、繁殖牝馬となった産駒を通じても、孫世代にスタミナや底力という意味での影響を大きく与えている。
出典:wikipedia
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