『EDEN 〜It's an Endless World!〜』(エデン イッツ・アン・エンドレス・ワールド)は、遠藤浩輝による日本のSF漫画作品。講談社『月刊アフタヌーン』にて1997年11月号より連載され、2008年8月号にて完結している。作者の初連載作品であり代表作。単行本は全18巻。ウイルスの大流行が起こり、帝国主義的な巨大政権が世界を握る近未来を舞台に、麻薬カルテルのボスを父親に持つ少年、エリヤの死闘と成長を描く。第1話のみエリヤの父、エノアの少年時代の物語となっており、第2話以降でエリヤの物語となる構成が取られている。作者のインタビューによれば、当初の構想では第1話のみの独立した短編作品であった(雑草社『コミック・ファン』第06号より)。クロージャー・ウイルスの大流行によって人類が危機に直面した世界。少年エノアと少女ハナはウイルスによる病魔に冒された末期状態の科学者と共に、3人で暮らしていた。世界はもう、自分たちだけだと思っていた。ある日、エノア達の住む地へ数機の軍用ヘリが降り立つ。原父(プロパテール)を名乗る彼らはエノア達と暮らす科学者を連れ去ろうとするが、エノアはロボットのケルビムにて応戦し、その圧倒的破壊力で勝利する。彼らの襲撃により“世界はまだ終わっていない”ことを知ったエノア達は、科学者の死後、2人で生きていくことを選択する。20年後、原父は国連に代わって世界中の国家を統治するようになり、原父連邦と呼ばれる巨大政権を構築。しかし経済格差や民族間の差別、そのことが原因による犯罪や殺し合いといった問題は未だ解決出来ずにいた。エノアは南米の麻薬カルテルのボスとなり一時は原父に協力するが、原父連邦の陰謀を知ってからは、敵対する立場となり、ハナと彼らの娘であるマナは、原父連邦に人質にされる。エノアとハナの息子、エリヤは南米にいた。ケルビムと2人で旅を続けるエリヤだったが、ひょんなことから子供の死体を見つけ、その肋骨に縛り付けられていたデータディスクを手にする。死体を埋葬したエリヤは、翌朝、死体の秘密を知る傭兵組織・ノマドに襲われ、ディスクのありかを問いただされる。しかし、原父連邦と対立する彼らは、この先の原父連邦による占領地帯を共に切り抜けるため、同じく原父連邦と対立する父を持つエリヤと協力することとなる。原父連邦軍の投入するアイオーンと呼ばれる半不死身の兵や最新鋭の兵器に対し、死闘を繰り広げ、何とか原父連邦の勢力外へ脱出することができたエリヤは、南米最大のマフィアのボスとなった父エノアの右腕であるトニーや左腕であるニッコーと再会し、物語は次第に語られなかった20年間を明らかにしていく。原父連邦とは何か、クロージャー・ウイルスの秘密とは、エリヤの拾ったディスクの中身とは、そして父エノアと原父連邦の関係とは?母ハナと妹マナを原父連邦から取り戻すため、エリヤの戦いが始まった。「遊牧民」を意味する国際武装集団。特定の民族、宗教、土地の一切を所有せず、軍事力を商品として世界各地にリゾーマー(「地下茎」の意)と呼ばれる戦闘員を派遣する。作中では、弾圧を受けた民族が独立と自決を挙げ、武力闘争を繰り返すうちに互いに連携し、世界的なネットワークを作っていった結果として出来上がった軍事組織として説明され、構成員は遊牧民や少数民族出身者が多いとされる。現在でいう民間軍事会社のような傭兵の派遣を本業とするが、他にも証券取引やマネー・トレーディング、麻薬の密造・密売などによって資金を得ているあたりは、アル・カーイダのネットワークが更に進化したものとも言える。原父連邦という共通の敵を持つエンノイアのカルテルと共闘することが多い。本来の意味は、カルテルを参照。エンノイア・バラードの組織した国際麻薬組織の通称。米領バージン諸島を脱出したエンノイアとハナがコロンビアにて難民として受け入れられた後、トニー・アイモアらと共にわずか20年足らずで急成長し、世界市場の40%をカバーするまでに至った。原父連邦が主に扱っているのがヘロインであるのに対し、カルテルでは主にコカインを扱っている。本編の12年前、カルテルは原父連邦と協力して、原父内のプロジェクト・プレーローマに協力し、カルテルからはニッコーオブライエンが原父側に派遣されていたが、ある事件を境に両者は決裂。原父はエンノイアの妻子であるハナとマナを誘拐し、一人逃げ延びたエリヤがコロンビアを脱出した後に、ペルーで行われるはずだった人質の取引も頓挫してしまった。以後、カルテルはノマドと協力し、原父連邦との対決色を濃くしていく。もとはとある研究者の一団であったらしいが、世界中で猛威を振るうクロージャーウイルスに十分な対処ができない国連ならびに先進各国の特権的体質に反発した勢力が独自に立ち上げた国際組織。活動末期の国連の下部組織であった。北米、欧州(トルコなど東端を除く)に拠点を置く。2086年、ニューヨークの国連本部を武力制圧した原父は、北米とEUを拠点として原父連邦(グノーシア)の樹立を宣言。以後はWHOをはじめとした国連機関は原父連邦に引き継がれ、20年の間に多くの領土がこれに併合された。連邦領内は「グノーシア地帯」、領外は「アグノーシア地帯」と呼ばれることがある(ちなみに「グノーシア」は「智」、「アグノーシア」は「無智」という意味である)。主な領土は南米の北半分、中東の一部、アフリカ南部、東南アジア、オーストラリア、そして日本である。クロージャーウイルス感染者への差別等を禁止する法整備を進めるなど多くの「正義」を実行してきたが、一方で生命倫理に反する生物兵器の研究、暗殺用ナノマシンの研究、大量破壊兵器の戦場での使用、麻薬(主にヘロイン)の密造などの裏の顔を持ち、なにより武力をちらつかせた強引な周辺国の併合などで連邦の内外を問わずにイメージが芳しくない。世界中にネットワークを持つエンノイアのカルテルと敵対しており、また、多くの教権を切り取られたバチカンも絶望的な抵抗を続けている。原父連邦と繋がりを持ち、リマにおいてヘロインを扱いトニーの組織と対立するマフィア。ペドロが所属している。以前のボスはオートメイターだったが、現在はマルティネスが指揮を執っている。原父連邦に対抗して組織されたイスラム国家の連合。しかし、現在の状況と同じく、多くの宗派と民族を内包している為に、その統制はいまひとつである。ウイグル人のマリハン・イサクが中国ウイグル自治区でテロを起こした際も、戦力とノウハウの不足を補うためか蜂起メンバーの中に多数のトルコ系キルギス族が混ざっており、原父連邦軍の突入によって両者はあっさりと分裂してしまった。やはり現在のイスラエルはこの連合には含まれておらず、紛争は依然継続しているようであるが、本編における描写はない。
出典:wikipedia
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