『虚無への供物』(きょむへのくもつ)は、日本の小説家・中井英夫の代表作とされる推理小説。1964年に単行本として刊行された。小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、夢野久作『ドグラ・マグラ』とともに、日本探偵小説史上の三大奇書と並び称される。推理小説でありながら推理小説であることを拒否する、反推理小説(アンチ・ミステリー)の傑作としても知られる。1997年にはテレビドラマ化された。1955年1月、全篇の構想が細部まで浮かぶ。会員制同人誌『アドニス』に碧川潭名義で4回連載する(21号 - 23号、26号)が未完に終わる。 その後、数年がかりで全体の半分まで書き上げ、1962年の江戸川乱歩賞に応募した。結果は、戸川昌子の『大いなる幻影』、佐賀潜の『華やかな死体』の二作が受賞作で、『虚無への供物』は次席にとどまった。審査員のひとり江戸川乱歩は、実在する小説などを参照し推理を繰り広げる事から本作を「冗談小説」と評した。その翌年に後半部まで書き上げ、1964年2月29日、講談社から刊行された。この時は「塔晶夫」名義であったが、再刊にあたって本名の中井英夫に変えられた。氷沼家を舞台として繰り広げられる奇妙な殺人事件。その現場に居合わせた主人公たちが推理合戦を交わすが、推理は衒学趣味の様態を呈し、いよいよ混迷へと陥っていく。(登場順)『薔薇の殺意〜虚無への供物』(ばらのさつい きょむへのくもつ)のタイトルで1997年1月26日から3月2日まで、NHK-BS2日曜ドラマ枠でテレビドラマ化された。全6話。2012年現在、DVD化などはされていないが、CS放送などで再放送されることがある。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。