ジャスコ(JUSCO)は、かつてイオングループが展開していた総合スーパーブランドである。同社の主力ブランドとして日本国内では40年余りにわたって展開していたが、2011年3月1日にサティとの統合によりイオンへ転換。海外においては統合後も中国やマレーシアで「JUSCO」ブランドを継続していたが、順次「AEON」へ屋号変更され、2013年3月までに使用を終えている。転換前日の2011年2月28日での店舗運営は、日本国内5社(イオンリテール・イオン北海道・マックスバリュ長野・イオン九州・イオン琉球(旧・琉球ジャスコ))、日本国外7社の計12社で運営を行っていた。大型駐車場を備えた大規模店舗を、地方都市周辺などの郊外幹線道路沿いに出店する大元の戦略を基本としていた。店舗勤務の従業員は、地元雇用のパート社員(コミュニティー社員と呼ぶ)・学生アルバイト社員が多かった。旧岡田屋の創業家である岡田家の家訓「大黒柱に車を付けよ」そのままに、時流に合わせた店舗のスクラップアンドビルドを頻繁に行っていた。手法として2000年代以降では、イオンスーパーセンターへの業態転換、あるいは同一商圏内でも郊外にイオンスーパーセンターを開設することで旧来の中心市街地に立地していた既存店舗を閉鎖する傾向があった。ドラッグストア事業にも力を入れていたが、一部店舗では薬剤師・登録販売者不足のため営業時間の一部しか薬局部分の営業ができなかった。1970年、当時はローカルスーパーマーケットチェーンの域を出なかった岡田屋(三重県四日市市)、フタギ(兵庫県姫路市)、シロ(大阪府吹田市)の3社が提携し、共同出資で共同仕入会社の「ジャスコ株式会社」を設立したことを起源とする。当初新社名を従業員から募集して「日本ユナイテッド・チェーン株式会社」が選出されたものの、その後英語訳である"Japan United Stores COmpany"の頭文字を取って日本語読みした「ジャスコ (JUSCO) 」が正式採用された。2001年に社名をイオン株式会社に変更したが、店舗名としては継承していた。2008年8月21日にイオン株式会社が持株会社になったことで、北海道、九州・沖縄地区以外の店舗の運営をイオンリテールに継承。2010年2月21日にはマックスバリュ長野の設立に伴い、イオンリテールから長野県下の4店舗を継承した。2010年8月27日に、持株会社であるイオン株式会社が、宣伝効率の向上とブランド力の強化のため「ジャスコ」と「サティ」の店名を2011年3月以降段階的に廃止し、「イオン」に統一する方針を決定したとの報道があった。それによれば、イオンリテール(ジャスコなど)がマイカル(サティ)・イオンマルシェ(イオン、旧:カルフール)を吸収合併して仕入れ部門と総務部門の効率化を図ること、イオンリテール(および将来的には九州・北海道の地域法人)が運営する店舗のブランド統一を行うこと、その結果向上する収益によって中国をはじめとする日本国外への進出を加速させるとされた。これについて2010年10月6日、イオン株式会社が完全子会社のイオンリテール・マイカル・イオンマルシェ3社の合併と運営する店舗のブランド統一を正式発表し、その後イオン北海道・イオン九州・イオン琉球(旧・琉球ジャスコ)も相次いでブランドの統一を発表した。2011年3月1日、ジャスコとサティ、北海道のみに縮小展開されていたポスフールがイオンへ統一された。新しい店舗名は基本的に「ジャスコ札幌元町店→イオン札幌元町店」、「ジャスコレイクタウン店→イオンレイクタウン店」、「ジャスコ香椎浜店→イオン香椎浜店」、「ジャスコ那覇店→イオン那覇店」などと、ブランド名のみを変更するのがほとんどだが、サティとの店舗名重複を避ける(例:ジャスコ福岡東店→イオン福岡ルクル店)、"新"を取る(例:ジャスコ新小松店→イオン小松店、ジャスコ新名張店→イオン名張店)、地名やモール名に変える(例:ジャスコカヨー店→イオン日永店、ジャスコ小川店→イオン宇城バリュー店、ジャスコイオン倉敷店→イオン倉敷店)など、一部の店舗ではブランド名だけでなく、店舗名称の変更も行われた。日本国内におけるジャスコ業態の最終出店は、2010年5月28日に開店したイオン札幌西岡ショッピングセンター内の「ジャスコ西岡店」であった。初代シンボルマークは、当時のジャスコの社章「J」で店舗サインにも使用していた。「ジャスコ」の看板を初めて掲げた店舗となったのは1969年10月10日の焼津店(静岡県焼津市)であった。2代目シンボルマークは赤と緑を使用し、Jの字の先がカールしたようなデザインで、1974年に制定され同年3月29日開店の名張店(三重県名張市)で採用されて以来15年間使用された。景観条例のある京都の店舗や塩釜店(閉店・宮城県塩竈市)では、周囲の景観に配慮して緑色一色で掲げられていた。ただし、同様な景観条例がある金沢市においては、全ての店舗で赤と緑のものがそのまま掲げられていた。1992年のグループ名変更に伴った3代目シンボルマーク変更により、2代目から3代目への看板移行が一部店舗を除き素早く行われた。変更の時期に開催され、当時のジャスコグループが協賛していた国際花と緑の博覧会では、開催終了まで2代目マークが使用されていた。3代目シンボルマークは「JUSCO」という英文名称自体をデザインしたもので、1990年11月の川口店(埼玉県川口市)の増床時に初めて店舗サインとして使用された。カラーはローズレッド一色となっている。ただし、景観条例のある洛南店(京都市南区)やもりの里店(石川県金沢市)では、周囲の景観に配慮し店舗外壁は白一色であり、「JUSCO」のシンボルも掲げられていなかった。2000年代以降に開店した店舗、またイオンモールの核店舗となっている店舗(ただしイオンモール東浦は除く)では、屋上にローズレッドの看板は設置されず、店舗玄関上のガラス張りの所に「JUSCO」と書かれている場合が多かった。その場合、屋上や壁面の一部に「ÆON」ロゴを配置していることもあった。また、大塔店(長崎県佐世保市)のように、リニューアルに伴って屋上看板を「JUSCO」から「ÆON」に置き換えたところもあった。旧ジャスコ株式会社の社歌「人間の園」は作詞石原慎太郎、作曲神津善行が担当した。かつてジャスコで配布された紙袋には楽譜が書かれていたが、これはヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の「ゴルトベルク変奏曲」の中の曲の楽譜にデザインを加えたものであり、上記イメージソング等とは関係が無い。ここではジャスコ店舗について記載導入時期により機種が異なる。当初はイオンリテール・イオン九州・イオン琉球(旧・琉球ジャスコ)の店舗のみに導入されていたが、その後、マックスバリュ地域法人、ハピコム(旧ウエルシア)地域法人、マイカル、イオンマルシェ(イオン)のグループ各社の店舗にも同一のシステムが導入され(マックスバリュ北海道・マックスバリュ東海・マックスバリュ中部・マックスバリュ九州などでは遅れて導入)、イオングループ共通のPOSシステムに発展した(ただし、マイカルやマックスバリュなどPOSターミナル以外は運営会社により若干仕様が異なる場合あり)。また、かつて共通のPOSシステムを導入していなかった店舗でも、WAONをグループ全体で導入出来る様に、順次イオン共通のPOSシステムへの入れ替えが行われていた。また2008年からはWAONのほかの電子マネーとしてSuicaとおサイフケータイクレジットiDの利用も可能となった。ジャスコは次のイオングループ各社が、日本国内は山梨県・福井県・徳島県を除く44都道府県において運営していた。福井県・徳島県はかつて店舗があった。マックスバリュの場合と異なり、日本国内の店舗は長野県を除き営業エリアが明確に分けられていた。かつてはタイ王国でも展開されていたが、現在は撤退。ジャスコの店名には、ジャスコ新茨木店(現:イオン新茨木店)のように「新」が付く店があった。これは新店舗の開店にあわせて既存店舗を閉店した場合や既存店舗を閉店し解体後の同じ地に新店舗を建設して開店した場合に見られた。ジャスコ村上東店のように方角を表す文字が入る物もある、これは既存店舗を補完する新店舗を開店し旧店舗の営業も継続する場合に見られた。旧ジャスコ株式会社においては、以下のような社是、憲章、信条、誓いが存在した。旧ジャスコ株式会社設立時に基本理念となる社是を制定すると同時に、ジャスコの信条とジャスコの誓いが発表された。また、1979年(昭和54年)1月には「ジャスコの憲章」を制定した。これはジャスコの連邦経営の理念を明らかにし、連邦各経営者の初志貫徹と連携の強化を目的としたもであった1989年(平成元年)にはジャスコはジャスコグループからイオングループへと名称変更したことに伴い、それまでの「連邦制経営」から「ゆるやかな連帯」へと転換を図られた。また、2001年(平成13年)8月にはジャスコ株式会社からイオン株式会社へと社名を変更すると同時に「イオン宣言」を制定し基本理念も一新された。そのため、これらの社是や憲章、信条、誓いは現在使用されていない。商業を通じて地域社会に奉仕しようわれわれは、地域の人々の生活文化の向上と発展に貢献することを基本理念とし、この目的と使命に共鳴する同志朋友の参画と結集をもって『連邦制経営』によるジャスコを形成し、誠実と親和を尊び、友愛と情熱に燃えて、商業の理想像を追求し、地域の期待と信頼に応え、ジャスコの永続と繁栄に献身する。2014年9月発売のライトノベル『女騎士さん、ジャスコ行こうよ』(伊藤ヒロ)の発売にあたり、発行元のKADOKAWAが「ジャスコ」の名称の使用許可を求めてイオンの広報部に連絡したところ、広報部からは「日本ではもう使用していないブランド名なので、連絡なしに自由に使って良い」との回答を得たという。ただし商標としての「ジャスコ」は、2014年9月現在日本国内で登録が存続しているものが多数存在している(権利者はいずれもイオン株式会社)。またイオングループ以外にも「ジャスコ」の商号を用いる会社は存在する(ジャスコ (曖昧さ回避)参照)。
出典:wikipedia
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