1982年の海洋法に関する国際連合条約第7部に基づく南シナ海の管轄権問題に関するフィリピン共和国と中華人民共和国の仲裁裁判（An Arbitration before an Arbitral Tribunal constituted under Annex VII to the 1982 United Nations Convention on Law of the Sea between the Republic of the Philippines and the People's Republic of China）、通称南シナ海判決（みなみシナかいはんけつ）、南シナ海仲裁裁判 （-しゅうさいさいばん、South China Sea Arbitration）とは、中華人民共和国が1947年に一方的に設定した南シナ海の海域や島々の領有権を主張している、いわゆる九段線について、フィリピンが国連の海洋法条約の違反や法的な根拠がない権益の確認を常設仲裁裁判所に対 して申し立てた仲裁裁判である。2013年からフィリピンは中国に対して警告を行ってきたが、中国側は拒絶をしてきたため、2014年、フィリピンは常設仲裁裁判所に対してパネルを設置し仲裁を要望した。2016年7月12日、ハーグ仲裁裁判所は九段線には国際法上の法的根拠がないとする判断を下した。日本時間の2016年7月12日夜、「南シナ海の領土主権と海洋権益に関する声明」を出した。仲裁裁判所の判断を歓迎。ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は「戦争は選択肢にない」として中国と二国間協議を開始するためにフィデル・ラモス元大統領を特使として訪中させると発表し、判決を不服とする中国側もこれを歓迎し、ラモス元大統領も受諾を表明した。ドゥテルテ大統領は就任後初の施政方針演説で南シナ海を「西フィリピン海」と呼ぶ一方、「中国海としても知られている」とするなど中国への配慮を打ち出した。台湾が実効支配する太平島が「島」ではなく「岩」だとして排他的経済水域を認めない判断、さらには「中国の台湾当局」という表現が判決文にあることに対して、強く反発。蔡英文総統は「裁定は台湾の権利を傷つけるもの」などと猛反発し、軍艦（康定級フリゲート迪化）を派遣した。また、日本との紛糾を避けて7月に予定していた日台海洋協力対話を延期した。

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