『PSYCHOPATH』(サイコパス)は、BOØWYの6枚目のオリジナルアルバム。全国ツアー『ROCK'N'ROLL CIRCUS TOUR』が終了した後、メンバーはオフ期間に入り、その期間中にアルバムからのシングルカットとして「ONLY YOU」をリリースする。既に音楽的にも商業的にも成功を収めたBOØWYは、このアルバムが発売された1987年は解散に向けて活動していくようになる。既にメンバー間や一部スタッフの間では解散は決定事項となっていたが、外部には一切知られていない状態であった。そんな中、レコーディング・ディレクターであった子安次郎はプロデューサーである糟谷銑司と共に、休養としてロンドンに滞在中だった氷室京介の元へ行き、1枚だけ新しいアルバムを制作する約束を取り付ける。こうして、本作のレコーディングはスタートした。7月には完全な新曲としてシングル「Marionette -マリオネット-」をリリース。これまでシングルでの1位獲得作品はなかったが、ラブソング中心であった当時のヒットチャートでは異例の売上1位を獲得する。その後、神戸と横浜でデビュー以来のほぼ全ての楽曲を演奏するという4時間にも渡るライブ『CASE OF BOØWY』を成し遂げるなど、その人気はさらに上昇し続けていた。アルバムタイトルの「PSYCHOPATH」とは英語で「精神異常者」と言う意味だが、表現上問題があるために、発売当初は「イカれた奴」「プッツン野郎」と言う意味だとインタビューなどで説明されていた。多種多様なサウンドとファンタスティック・ホラーとも呼ぶべき歌詞ワールドを展開している。メロディアスなグラムロックである「LIAR GIRL」、オーソドックスな8ビート・ロック「ANGEL PASSED CHILDREN」、ミディアム・アップのラブソング「LONGER THAN FOREVER」、ライヴ録音を模した「RENDEZ-VOUS」、タイトなニューウェイヴ調の英語詞ナンバー「PSYCHOPATH」、ヘヴィメタルチックな「CELLULOID DOLL」、後のソロ・ワークスにおける氷室的キャッチーさを垣間見せる「FANTASTIC STORY」、ニューミュージック風味の「季節が君だけを変える」など、多彩な曲が収録されている。本作の先行シングルである「Marionette -マリオネット-」は、アニメーションによるPVが制作され、テレビ放映等がされた他、BOØWYとして唯一のCDVとしてもリリースされ、ビジュアル面での積極的なプロモーションが行われている。しかし、テレビ出演に関しては1987年には一切なく、音楽番組などへの出演もまったくなかった。本作を受けての全国ツアーは『DR.FEELMAN'S PSYCHOPATHIC HEARTS CLUB BAND TOUR』と題され、9月16日の宇都宮文化会館を皮切りに33都市36公演行われた。既に解散が決まっており、最後のツアーとなる事は決まっていたが、外部には一切知らされていなかった。しかし、一部ファンの間ではすでに解散説が広まっており、毎回ライブ終了時に「また会おうぜ、愛してます」とMCをしていた氷室は自分の発言が嘘であることと、ファンに事実を伝えられないジレンマに陥り、毎回ライブ終了後に落胆していた。そして12月24日、ツアーファイナルである渋谷公会堂でのライブ中に氷室の口から解散宣言ともとれる発言がなされ、BOØWYはその歴史に幕を閉じる事になった。この解散宣言は、当日どのタイミングで行うかは事前に決められておらず、氷室に一任されていた。ライターの根本桃GO!は、「音的にも歌詞的にもどこか突き抜けたような感覚と、乾いたリリシズムに満ちた『ロック』になっているので驚いた」、「R&Bテイストあり、純粋なロックンロールあり、パンクな雰囲気の曲ありと、実はもっともバラエティに富んだアルバムではないかと再認識させられた」と述べている。 ライターの宮城正樹は、「多彩さとそれを貫く統一感はまさにピークに達したという感がある」、「当時、映画界ではスプラッター・ホラーが元気なジャンルだったが、その流れに背を向けてヨーロッパ・ゴシック調のスタイルで行っている。『マリオネット』『セルロイド人形』『ガラス細工』などの言葉を散りばめて、それまで『Baby』を多用していた氷室の歌詞の世界を大きく広げている」と述べている。BOØWY参加ミュージシャンスタッフ
出典:wikipedia
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