『蟲師』(むしし)は、漆原友紀による日本の漫画作品、およびそれを原作としたアニメ、実写映画、ゲーム作品である。「蟲師」を生業とする主人公「ギンコ」が、様々な「蟲」によって引き起こされる事象に対峙していく物語。1999年に講談社『月刊アフタヌーン』の増刊号『アフタヌーンシーズン増刊』にて連載開始。同誌の休刊後は『月刊アフタヌーン』本誌に移り2003年から2008年まで隔月連載された。その後、2013年に特別篇「日蝕む翳(ひはむかげ)」が同誌2014年1月号と2月号に前後篇で連載された。大半のエピソードにカラー画稿が存在しているのも特徴。時代背景は作者曰く「鎖国を続けた日本」もしくは「江戸期と明治期の間にある架空の時代」で、登場人物は(主人公のギンコを除いて)和装をしており、風景も日本の原風景を思い起こさせるようなノスタルジックなものとなっている。また、物語の語り方として必ず人物の回想を用いる点も特徴的であり、ギンコが行動する時間や行動範囲に収まらず、伝聞による時間・世界も描かれている。2003年の文化庁メディア芸術祭・漫画部門優秀賞、2006年の第30回講談社漫画賞・一般部門受賞、2007年の文化庁メディア芸術祭「日本のメディア芸術100選」マンガ部門選出。2005年10月から2014年まで、監督長濵博史、主演中野裕斗によってテレビアニメ化された(#アニメ、#日蝕む翳、#蟲師 続章にて詳述)。2007年3月には、監督大友克洋、主演オダギリジョーによって実写映画化された(蟲師 (映画)を参照)。2008年1月31日には、ニンテンドーDS向けソフト「蟲師 天降る里」(#ゲームにて詳述)としてビデオゲーム化された。当作は基本的に1話完結で物語が構成されているため、少数の人間とギンコを除いて各話ごとに登場人物が異なる。そのため、以下は劇中におけるギンコとその関係者という意味合いで記している。大判化された再版シリーズ(特別篇は新刊)。上述の単行本第1巻では白黒印刷だった「枕小路」のカラー原稿が初めて収録されているが、逆に各巻に存在した書き下ろしの後書き類は全て割愛され未収録となっている。また、枠で囲まれていたサブタイトルが単なる文字のみのデザインに変更されている。アニメ第2期『続章』におけるエピソードを収録した廉価版シリーズ。カラー原稿は全て白黒印刷、後書き類は全て未収録、サブタイトルは「」で囲んでの書院太ゴシック体調のフォントで印刷されている。原作単行本第16巻から選ばれたエピソード(#各話リスト)と、後述の特番を加えた全26+1話。タイトルおよびロゴタイプは原作と同一だが総称の際は「二十六譚」「第1作シリーズ」「第1期(一期)」などとも言い表される。当記事では後年に当作監督の長濵が称した「第1期(1期)」で統一して解説する。第20話までは2005年10月から2006年3月間にフジテレビ・関西テレビ・東海テレビ・北海道文化放送・テレビ新広島・テレビ西日本などで放送され、残る6話は製品DVD-ROMにて収録(発表)予定だったが、好評を受けて2006年5月から6月間にアニメオリジナルの第20.5話的な総集篇「BSフジ放送特番『蟲師』ダイジェスト」を含む全1+6話がBSフジで放送された。さらに地上波のみの視聴者に向けて、東京、大阪、名古屋、札幌、広島、福岡の6都市で「蟲の宴」と題したDVDの第5集収録分(21 - 26話)の試写会が7月から8月にかけて行われた。アニメーション制作において漫画を原作とした作品の中には、しばしばオリジナルキャラクターやエピソードの追加、それによるストーリー改変からの尺や話数の増減など原作とは異なるアレンジが取られるものが少なからず存在するが、当作は“原作が面白いんだから、それだけを見て、忠実に映像化する”を掲げてほぼ完全に原作漫画に倣って制作されており、本篇のクロージングクレジットに「Thanks」として名を連ねている原作者の漆原も好意的・好評価なコメントを書籍後書きやアニメ公式ウェブサイトなどで寄せている。また、子供のキャラクターのダビング(アフレコ)には必ず子役を起用している。提供ジングルが流れる際に使われた楽器は、インドネシアの楽器でアンクルン。また、これもインドネシアの楽器、ガムランが使われた際にも、単に効果音ではなく、今世紀に入ったアニメ作品ではまれなほど極めてアジア色が強い。2006年3月25日、東京国際アニメフェア第5回東京アニメアワード・テレビ部門優秀作品賞を受賞。また、美術監督の脇威志が美術賞を受賞した。マンガ部門でも選出された2007年の文化庁メディア芸術祭「日本のメディア芸術100選」アニメーション部門において『新世紀エヴァンゲリオン』『風の谷のナウシカ』『機動戦士ガンダム』などに次ぐ総合第6位を獲得し、2000 - 2007年間に制作されたもので限定した場合は、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『鋼の錬金術師 (アニメ)』『千と千尋の神隠し』などを抑えて第1位の栄冠に輝いた。文化庁メディア芸術祭10周年企画展「日本の表現力」(国立新美術館 2007年1月21日 - 2月4日)では現代のアニメ作品の1つとして、第1話「緑の座」が紹介上映された。放送終了から約7年が経った2013年末に新作エピソードの制作決定が発表され、続篇として翌2014年新春に『蟲師 特別篇 日蝕む翳』が放送された。一方、当作でのエンディングテーマは後述の続篇も含めて各話毎に異なるBGM制となっており、「」で囲んでのサブタイトルが曲名となっている。BSフジ以外で「蟲師ダイジェスト」(20.5話)は放送・配信されていない。約7年振りとなった続篇で、2014年新春スペシャルとしてTOKYO MX・BS11ほかで放送された『日蝕む翳 前後篇』のアニメ版。1時間番組として単話化されており、実尺は約44分。メインのスタッフ・キャストは1期と変わらないが脚本に作者の漆原自身が参加している。クロージングクレジットは1期のBGM制と同じで新規の曲だが、オープニングクレジットは1期の第1、2、20.5話にのみ存在した土井美加による語りのコールドオープンを新作画・新録音かつ反転構図にしたものを前半とする演出になっている。細かいところでは制作スタジオが改名したり、著作権関連でレーベルがアニプレックスに変更されたりしている。日食のシーンには作者も絶賛した原作に無いオリジナルとして、先のアニメ版全26話に登場したメインゲスト数名のカットが追加されており、語りだけだった結末やさらなるその後の様子が描かれている。本篇終了後には、残っていた原作エピソードを映像化する更なる続篇シリーズ『蟲師 続章』の製作・放送決定AD(CM)が流された。原作単行本第610巻から選ばれたエピソード(#各話リスト)をアニメ化したもの。総称の際は「第2期」とも言い表される。メインのスタッフ・キャストは特別篇から変わらないが、オープニングは新作画・新曲となった。コールドオープンは特別篇のものが引き継がれている。キービジュアルなどで見られる通りタイトルに「続章」を含んだデザインの新規のロゴタイプも存在するが、劇中では1期/特別篇および原作と同一の単なる「蟲 むしし 師」ロゴとなっている。音声収録においては独特な空間表現を目的として、ガンマイクを使用している。当初、第二期は全24話と発表されたが、実際の放送では下記「放送略歴」などに述した通りレギュラー放送とは別に特別編として放送されたエピソードがある事、最終エピソード「鈴の雫」が劇場で上映される形となった事などにより、全話数については注釈を多く含む。詳細については#各話リスト(続章)および#放送(続章)も参照。第二期は前述した特別編「日蝕む翳」の放送後、2014年4月より同年12月まで幾つかの時期に分けてテレビ放送した。1話約30分のレギュラー放送としては2014年4月より6月まで第一話〜第十話までを放送(ここまでが「前半エピソード」にあたる)。同年10月より12月まで第十一話〜第二十話まで放送(これが「後半エピソード」にあたる)した。同年8月20日および24日には、原作では前後編構成の「棘のみち」を単話化し1時間スペシャル(実尺は約47分)として放送。レギュラー放送の最終話(最速局では2014年12月21日)で、原作における連載最終エピソード「鈴の雫」を2015年初夏に劇場で上映する事が発表された。前半の期間中は「特別番組 蟲語(むしがたり)」と称し、本編から抜粋した映像を見ながらメインキャスト・スタッフが語らう番組を本編の間に挟む形で放送した。(第6話の後に第6.5話として第1弾、第10話の後に第10.5話として第2弾)エンディングテーマは今期でも各話毎に異なるBGM制だが、サントラ『蟲音 続』には未収録であり、DVD/Blu-ray完全生産限定版における特典CDでの提供となっている。スタッフとキャスト達の座談会。劇場作となる特別編。2015年5月16日に劇場公開された。ゲストの担当声優はカヤは齋藤智美、葦朗は小川ゲン。アニメ版のスタッフが手掛けたオリジナルの携帯型ゲーム作品。プレイヤーキャラクターはアバターだが、ギンコだけでなく淡幽や多くの蟲が原作からゲスト出演しており、逆に当作の核心となる「蟲垂衣(ムシノタレギヌ)」と類似性があると思しきものが「光の緒」にて描かれてもいる。ゲーム雑誌『ファミ通』のクロスレビューでは26/40点と評価された。プレイヤーは蟲師見習いとなって里を巡り全100種類いる蟲を集めるライフシミュレーションゲーム。蟲を集める時間は日中の昼間〜夜。夜を過ぎると自宅に帰るかその場で野宿するか選択する。体力の項目があり、マップの切り替えをすると減り、零になると倒れて自動的に帰宅する。日付が無く蟲を集めるのに期限はない。テレビアニメのようなナレーションとアニメの楽曲も使用されている。ギンコと淡幽のみフルボイス。採取が目的の100種類の蟲は省略。『詠舞台 蟲師』(よみぶたい むしし)のタイトルで、2015年3月18日から29日までスパイラルホールにて公演。舞台原案はアニメでの監督を務めた長濱博史が、製作総指揮・脚本・演出は中村和明(ワムハウス)が担当。「緑の座」「雨がくる虹がたつ」「一夜橋」「野末の宴」「花惑い」「鏡が淵」の6作のうち、1公演で2作を上演する。
出典:wikipedia
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