トロットサンダーは日本の競走馬。地方競馬から中央競馬に移籍し、マイルチャンピオンシップ、安田記念と二つのマイル(1600メートル)GI競走に優勝した、マイル戦無敗の名馬である。"※馬齢は旧表記とする。"フラット牧場に繋養されていた繁殖牝馬ラセーヌワンダは1987年に種付けを行ったものの受胎せず、牧場は受胎の確率を上げるために翌1988年の同馬の交配相手に若いダイナコスモスを選択した。その結果誕生したのがトロットサンダーである。トロットサンダーはデビュー前に育成牧場で大けがを負い、その影響で競走馬としてのデビューが遅れた。1992年7月に浦和競馬場でデビュー。デビュー戦を優勝したのを皮切りに7か月の間に8戦して7勝、2着1回と優秀な成績を収めたが球節を骨折。その症状は競走能力を維持できるかどうか疑わしいほどの重傷であったが1年以上の療養を経てレースに復帰し、復帰戦を優勝した。トロットサンダーには骨折する前から中央競馬へ移籍する計画が持ち上がっており、このレースを最後に移籍することになった。中央競馬へ移籍後、トロットサンダーは芝のレースにのみ出走した。1994年7月の移籍初戦で2着に敗れた後、同年12月と翌1995年1月に条件戦を連勝したが、格上挑戦した重賞の中山記念では7着に敗れた。その後、再び条件戦の府中ステークスを勝ったが、札幌記念と函館記念はいずれも7着に敗れ、移籍当初は重賞では結果が残せなかった。同年秋の毎日王冠で3着に入った後、マイル戦のアイルランドトロフィーに優勝。続くGIマイルチャンピオンシップでは重賞未勝利ながらそれまで同レースの施行条件である芝1600mのレースで無敗だったことが評価され、4番人気に支持された。レースでは出遅れたものの直線で鋭い末脚を見せて優勝し、重賞初制覇とともにGI初制覇を達成した。トロットサンダーは8歳になった1996年も現役を続行することとなり、前半シーズンの目標レースには安田記念が選ばれた。トロットサンダーは年明け初戦の東京新聞杯で優勝。続く京王杯スプリングカップでは前年の安田記念優勝馬ハートレイクから0.1秒差の3着となり、安田記念に出走した。レースでは後方からレースを進め直線でタイキブリザード、ヒシアケボノと激しい競り合いになるが、ハナ差でタイキブリザードを下し2つ目のGI制覇を果たした。7月、年内に毎日王冠と天皇賞(秋)に出走して競走馬を引退することが発表された。しかし毎日王冠へ向けて調整が進められていた9月に両前脚のトウ骨に骨膜炎を発症し、馬主の藤本照男が所有する藤本牧場へ放牧に出された。その最中の9月末、馬主の名義貸し事件が発覚(詳細は#トロットサンダー名義貸し事件を参照)し、トロットサンダーは競走馬を引退した。引退後は種牡馬となり、地方競馬を中心に数頭の活躍馬を送り出した。しかし種付け数は年々減少し、2004年8月に種牡馬廃用となった。その年の秋に雪に脚を滑らせて骨折し、安楽死の措置が採られたといわれている。2008年に代表産駒のウツミジョーダンが種牡馬入りしたが、ほとんど産駒も出さないまま用途変更になっており、父系としては残っていない。名義貸しとは、馬主資格を持つ者が資格を持たない実質的な所有者のために名義を貸す行為をいい、競馬法第11条の規定に違反する。トロットサンダーの場合、地方競馬から中央競馬へ移籍する際に名義貸しが行われた。ある馬が地方競馬から中央競馬に転厩する場合、それまでの馬主が中央競馬の馬主資格を持っていれば、そのまま継続して所有を続けられるが、そうでない場合は資格を持つ別の馬主への譲渡が必要となる。トロットサンダーの地方競馬時代の馬主は「有限会社有匡」であったが、同社は中央競馬の馬主資格を所持していなかったため、移籍の際にその所有権が中央競馬馬主の藤本照男に移されたとされていた。しかし1996年秋になってトロットサンダーの実質所有が未だ有限会社有匡であり、藤本は名義を貸しているのみであったことが判明。藤本は競馬法第11条に違反したとして馬主資格を剥奪された。またその影響でトロットサンダーが半ば強制的に引退に追い込まれたといわれている。なお、相川調教師も他の馬の名義貸しに関わっていたとして4ヶ月の調教停止処分を受けたため、その間トロットサンダーは内藤一雄厩舎に移籍していた。現役時代のマイル戦における成績は、地方2戦2勝、中央6戦6勝と全勝だった。一方、中央でのマイル以外の距離は6戦して1勝のみ。距離が1ハロン違うだけで同じ相手に負けることもあり、「マイルのスペシャリスト」として知られた。引退後に発売されたDVDソフトには『PERFECT MILER』というタイトルが付けられている。2000年に日本中央競馬会が行ったファン投票による名馬選定企画「Dream Horses 2000」では、1469票を集めて61位に付けられた。
出典:wikipedia
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