木星の衛星と環(もくせいのえいせいとわ)では、木星の衛星と環について述べる。2015年末までに、木星には67個の衛星と3本の環が発見されており、そのうち51個が命名されている。1610年に木星の最初の4つの衛星(ガリレオ衛星)が発見された。それから4世紀の間に、地上からの観測で更に9個の衛星が発見された。1979年にボイジャー1号が3つの衛星を発見し、衛星の総数は16個となった(1975年に発見されたが、のちに見失われたテミストを含めれば17個)。1999年10月6日に小惑星探査プロジェクトのスペースウォッチにより"小惑星"「」が発見されたが、やがて実は木星の新衛星だった事がわかった。この衛星はカリロエと命名された。2000年の11月23日から12月5日にかけて、スコット・S・シェパードとデヴィッド・C・ジューウィットに率いられたハワイ大学のチームが木星の小さな衛星の組織的な捜索を始めた。彼らはマウナケア天文台群にある13基の望遠鏡のうち2つ(一つは日本のすばる望遠鏡)に世界最大級のCCDカメラを取り付け、2000年だけでテミストの再発見を含む11個の衛星を発見した。S/2000 J 11については存在を疑問視する意見もあったが、2010年から2011年にかけての観測で存在が確定された2001年12月9日から11日の捜索では11個、2002年にはわずか1個だったが、2003年2月5日から9日の捜索で更に23個の衛星が発見された。2010年9月7日にS/2010 J 1、翌9月8日にはS/2010 J 2という新衛星2個が発見された。公転周期はJ1が約2年、J2が約1.6年とされる。2011年9月27日、チリ・ラスカンパナス天文台のマゼラン望遠鏡で、木星に新たな2つの衛星が周回していることが撮影された。それぞれS/2011 J 1とS/2011 J 2と仮符号が付けられた。この2つの新衛星は不規則衛星に分類される逆行衛星群の一部で、木星からの距離が遠く、公転軌道も傾斜した楕円状という。衛星直径はいずれも1キロほどで、公転周期はそれぞれJ1が約580日、J2が約726日。1999年以降に発見された衛星の多くは長楕円軌道だったり、逆行していたりする。これらは直径が平均3km、最大の物でも9km足らずで、木星に捕獲された太陽系小天体だと思われるが、これらについてはごくわずかな事しか知られていない。現在知られている木星の衛星の総数は67個で、太陽系の惑星の中で最も多い。未発見の小さな衛星の存在可能性はある。一般に惑星の衛星は、離心率や軌道傾斜角が小さい規則衛星と、それらが大きい不規則衛星に分けられる。木星の衛星では、内側の8つが規則衛星である。また、内側の15は順行衛星、それ以外は逆行衛星である。逆行衛星は、捕獲された小天体だと考えられている。なお、古くに名づけられた衛星や特殊な軌道を持つ衛星を除き、順行衛星は語尾が‐a、逆行衛星は語尾が‐eと名づけるよう決められている。1979年のボイジャーによる発見からしばらくの間、知られていた16の衛星は4個ずつ4つのグループ(内部群、ガリレオ衛星、ヒマリア群、外部逆行群)に整然と分けられていた。しかし1999年以降、新しい小さな衛星が多数発見されたことで分類は複雑になった。現在発見されている衛星は、6つの主なグループと、いくつかの孤立した衛星に分けられている。アマルテア群、ガリレオ群以外のグループは、それぞれ共通の起源を持つと考えられている。おそらくは、より大きな衛星か捕獲された本体が分裂して、それぞれのグループを形成したのだろう。木星の環は、土星などのそれより暗いために地上からは発見できなかったが、1960年にキエフ天文台のフセフスビャーツキー (S. K. Vsekhsviatsky) が木星の赤道直下にある暗い縞は環の影だという説を唱えている(ただし、環を構成する物質は木星から噴出したものであるとされていた)。その後、パイオニア探査機が観測した木星を取り巻く放射能帯の分布から環が存在する可能性とその位置が予想され、ボイジャー1号の観測によって初めて確認された。環は衛星に隕石が衝突した際に発生する煙状のダストによって形成されている。主環はアドラステアとメティスから、ゴサマー(蜘蛛の糸)環はアマルテアとテーベから出たダストによる。また、これらの外側には極めて薄い環があり、捕獲された惑星間塵で形成されていると考えられている。アマルテア (Jupiter V) からレダ (Jupiter XIII) までは1975年に国際天文学連合 (IAU) によって正式に命名されたが、このうちVIからXIIまでについてはそれまで現在の名称とは違う名が付けられていた。それらは当時の天文年鑑にも掲載されており、一種の非公式な仮称として用いられていたと思われる。これらの仮称の多くにはゼウス(木星)が長であるオリンポス神族の名が使われており、クロノス(土星)が長であるティターン神族の名が土星の衛星に使われたのに対応していた。しかし、以前に名づけられていた小惑星の名と重複していたため、重複しない名前がIAUにより選ばれた。木星は、その強い重力で彗星を一時的に捕獲して、衛星にすることがある。この中で最も著名なのは、1994年に衝突した衛星、シューメーカー・レヴィ第9彗星である。木星の周回軌道に乗っている事が実際に観測されたのはこの彗星のみであり、ほかにも軌道計算により以下のような彗星が衛星になったと見られている。
出典:wikipedia
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