ロベルト・マンチーニ（Roberto Mancini, 1964年11月27日 - ）は、イタリア・アンコーナ県イェージ出身の元サッカー選手、サッカー指導者。現役時代のポジションはミッドフィールダーまたはフォワード。息子のフィリッポ・マンチーニも元プロサッカー選手。ボローニャFCのユースで育ち、17歳でプロデビューを果たすと、1982年に移籍金40億リラでUCサンプドリアへ移籍。1990-91シーズンのスクデット獲得など僚友ジャンルカ・ヴィアリらとともにクラブに数々のタイトルをもたらし、80年代後半~90年代初頭にかけて、サンプドリアの黄金時代を築く。サポーターからクラブの象徴として「ミスターサンプ」と称された。またマンチーニ自身も当時の会長パオロ・マントヴァーニをまるで父親のように慕うなど、クラブに愛着を感じていた。1997年にSSラツィオへと移籍。ベテランらしい円熟味のあるプレーでここでも活躍。1999-00シーズンにクラブにスクデットをもたらすと同時に選手生活を引退した。引退後はスヴェン・ゴラン・エリクソンの下で監督業を学んでいたが、2001年1月にイングランドのレスター・シティFCのオファーに応じ、電撃的に現役復帰を果たす。しかしながら、わずか1ヶ月で退団し、今度こそピッチに別れを告げることになった。アズーリでは88年のEURO、地元開催の90年のワールドカップに出場するものの、クラブでのような活躍を見せることは出来なかった。引退後の2001年2月、シーズン途中に辞任したファティ・テリムの後を受けACFフィオレンティーナの監督に就任。当時、マンチーニはクラブチームを指揮する為に必要なライセンスを所持していなかった為、他チームのフロントや監督から「特別扱いだ」などと批判を浴びることとなった。その後、ラツィオ監督を経て2004-05シーズンからインテル・ミラノの監督に就任。リーグ3連覇など国内では結果を残したが、チャンピオンズリーグでは豊富な戦力を擁すもののベスト8の壁を破れず、これが解任のきっかけになったとされる。2009年12月、解任されたマーク・ヒューズの後任として、プレミアリーグ・マンチェスター・シティFCの監督に就任。2010-11シーズン、FAカップ優勝、プレミアリーグ3位に導いた。2011-12シーズンでは、シーズン序盤から独走、オールド・トラフォードでのマンチェスター・ユナイテッド戦では6対1という歴史的な大勝をあげた。シーズン後半戦は調子を落とし、首位のユナイテッドに勝ち点8差をつけられるが、最終節ホームのQPR戦でロスタイムに劇的な逆転勝利をおさめ、マンチェスター・シティに44年振り3度目、プレミアリーグ移行後は初となるシーズン優勝をもたらした。しかし、2012-13シーズンは無冠に終わり、2013年5月13日に監督を解任された。2013年9月30日、ガラタサライSKの監督に就任した。2014年11月14日、2007-08シーズン以来のインテル・ミラノの監督の座に復帰したとクラブから発表された。契約は2017年まで。オフェンスの才能を有し、シュートは勿論の事、パスにも非凡な能力を発揮。サンプドリア時代にコンビを組んだジャンルカ・ヴィアリとのコンビネーションは当時のセリエA随一と言われた。記憶に残るゴールとしては、サンプドリア初スクデットを獲得したシーズンにナポリ戦であげたアクロバティックなゴール、ラツィオで98-99シーズンにパルマ戦であげた「足裏ゴール」である。インテル時代はズラタン・イブラヒモヴィッチ（現マンチェスター・ユナイテッド）ら他を圧倒するタレントを擁し、戦術はイブラヒモビッチへのロングボール戦術がメインで一部からは「タレント力でしかタイトルを勝ち取れない監督」ともいわれている。事実、イブラヒモビッチが離脱した終盤にローマに勝ち点で猛追され、戦術の限界が見えたことが解任のきっかけとも言われている。

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