櫛(くし)は、髪をといたり、髪を飾ったりする道具。英語でコーム (comb) と呼ぶこともある。形状は通常、板状であり、長辺の片方に等間隔の切り込みが入れられている。切り込みと切り込みの間の部分は歯と呼ばれ、歯に髪を通すことで髪をとく、挿し櫛として簪と同じように髪を飾るといった使い方をする。古くはダニやシラミ・ノミといったような吸血虫やふけ・埃などを取り除く衛生用具としての側面もあったが、時代を下がり、入浴や洗髪の習慣が普及するようになると、こういった衛生用具としての役目は小さくなっていった。同じく髪をとく道具にヘアーブラシがあるが、櫛が板状であるために歯が1列に並んでいるのに対し、ブラシは歯に相当するピンが毛などで作られていて複数列あり、使用目的によって配列が異なっている、という違いがある。櫛の歴史は古く、現代のヘアピンに近い単純なつくりのものを含めると、さらにその時代をさかのぼることになる。歯をそなえた櫛は古代エジプトですでに広く使用されていたと考えられており、日本においても縄文時代早期(約7000年前)のものとみられる木製櫛が佐賀市東名遺跡から出土している。素材は骨や木で作られていたものからツゲ・竹・マユミなど使用に適した木材、鼈甲、象牙、金属、合成樹脂のものなどが登場し、施される技術もより高度なものへと発展してきた。日本語で櫛は同音の串と同じく、「霊妙なこと、不思議なこと」という意味の「奇し」「霊び」が語源となっている。このため呪術的な意味付けが見られ(後述)、他方では女性が髪を梳くことから女性格の象徴的な物品としても扱われる。語の読みからは「苦死」に通じるため、道に落ちている櫛を拾うことは「苦と死を拾う」ことにつながり、縁起が悪いことと忌み嫌われる。どうしても拾わなくてはならない時は、足で踏んでから拾う。贈り物にするときは、忌み言葉として「かんざし」と呼ぶ。そのほか「94」を「くし」と読む語呂合わせから、櫛を大切に扱い、人々の美容への認識を高めてもらおうと、日本の全国美容週間実行委員会が9月4日を「くしの日」と定めた。日本では古来、櫛は別れを招く呪力を持っているとされ、現代の日本人でも櫛を贈答品にしたり気軽に貸し借りするのを嫌がる人は少なくない。一方で、魂の宿る頭に飾るものであることから、自らの分身として旅立つ人に手渡しもした。櫛には用途で4種類、形状や大小で細かく分類される。現在のヘアブラシに近い形状をしている。大きさは15cm~18cm辺り。歯数により名称が変わる。頭皮の頭垢や髪の汚れを取るための櫛、歯の間隔は0.5mmで櫛の大きさは9cm~12cmあたり、歯数は3cmあたり29本~42本辺りである。装身具としても用いる櫛、梳き櫛に次いで目が細かく、歯数は3cmあたり15~25本程度。かつては理髪店や丁髷、力士等に用いられていた。
出典:wikipedia
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