『覚悟のススメ』(かくごのススメ)は、山口貴由による日本の漫画。またそれを原作としたメディアミックス作品。核戦争と環境汚染によって荒廃した近未来の東京を舞台に、旧日本軍で編み出された最強の格闘技「零式防衛術」、人体実験の犠牲となった英霊の宿る鎧、強化外骨格「零」を武器に人々を守るために戦う主人公「葉隠覚悟」と、人類を襲う怪物「戦術鬼」とその背後で人類を滅亡させんと企む覚悟の兄「現人鬼・散」との戦いを描く。本編が最終回を迎えた後、『週刊少年チャンピオン』誌上で4編、『チャンピオンRED』(秋田書店)誌上に1編、読み切り形式で特別編が掲載された。また、『チャンピオンRED』の2010年12月号から、葉隠覚悟を主人公とした「エクゾスカル 零」の連載が開始。『チャンピオンRED いちご』Vol.28から41まで黒須京馬の妹、巴を主人公とする外伝「開花のススメ」が苺野しずく作で連載。近未来、地球は人類による環境汚染や核戦争、大災害によって死の大地と化し、生き残った人類を襲う「戦術鬼」と呼ばれるミュータントが闊歩する魔境と成り果てていた。その中でわずかに生き残った子供たちが通う「逆十字学園」に、ある日転校生がやってきた。転校生の名は葉隠覚悟。覚悟は新入早々に超人的な力を見せつけ、掘江罪子を初めとするクラスメイトたちの注目を集める。その日の放課後、帰宅途中の罪子たちが戦術鬼に襲われた。絶体絶命の窮地に追い込まれる罪子たち。だがその前に突如謎の鎧武者が現れ、戦術鬼を撃退して罪子達を救う。それは葉隠覚悟が強化外骨格「零」を装着した姿だった。彼は旧日本軍によって生み出された最強の格闘技「零式防衛術」を体得し、旧日本軍によって開発された強化外骨格「零」を身につけて力無き人々を守るために戦い続ける正義の戦士だったのだ。逆十字学園にて人々を襲う戦術鬼たちと戦い続ける覚悟は、戦術鬼を生み出し人類を滅亡させようと企む悪の元凶が、かつて人類に絶望し人であることをやめ、自らと袂を分かった実の兄「現人鬼・散」であることを知る。人類を救うため、かつての兄との対決を決心する覚悟。そして、激闘の火蓋が切られた。本編の最終回から1年後のエピソード。21世紀初頭の新東京。覚悟と零によって戦術鬼は一掃され、荒れ狂っていた大地は落ち着きを取り戻し、街も次第にかつての姿を取り戻しつつあった。平穏な日々を過ごしていた覚悟であったが、あくる日の夜、自宅に悶十郎と名乗る武術家が押し入り、「兵法天下一」の武名を賭けての決闘を申し込まれる。無用な戦いを避けるべく、覚悟は戦わずして自らの負けを宣言した。「葉隠覚悟に勝った」と鼻高々引き上げた悶十郎ではあったが、この事実を世間はまだ知らない。別の日、彼は再建された逆十字学園に侵入し、体育の時間で野球中の覚悟達のもとへ乱入する。自身が得た武名を誇示したいがために、クラスメイトにまで手をかける悶十郎。その道着の下には、異形の姿が隠れていた。悶十郎は覚悟が全て討ち果たしたはずの戦術鬼の生き残りだったのだ。クラスメイトを守るため、覚悟は零をまとって悶十郎と対決する。2016年12月24日、覚悟は北海道網走にある実家へ帰郷していた。葉隠家地下防空壕に安置された強化外骨格・雹に宿る父、朧の霊に、ある報告をしに来たのである。12月23日午後4時の新東京で、覚悟と罪子は広場に飾られたクリスマスツリーを見上げていた。覚悟は、そこで罪子からお守りとして、「強化外骨格・雫(しずく)」(罪子自作の小さなヌイグルミ)を贈られる。一度はその好意を退けようと、わざと不吉な告白をする覚悟であったが、罪子はそれを平然と受け入れた。罪子という存在に覚悟は感激する。「父上 私は恋に堕ちました」彼は罪子に対する思いの丈を朧の霊にぶつけた。瞬間、厳しい顔をしていた朧であったが、やがて覚悟に優しい眼差しを向けると静かに消え去った。その表情は、罪子との交際を認めるという返答に他ならなかった。それから覚悟は首に下げた「雫」を満足気に眺めながら床に就いた。零との会話の中、ふと罪子を喜ばせる「いいこと」を思いつき、跳ね起きる覚悟。と同時に、それまで覚悟の背中があった場所から、何者かの剣が飛び出した。剣の主は、「零式密猟師(ぜろしきハンター)」と名乗る独特の装甲に身を包んだ男。その正体は73年前に葉隠四郎が行った人体実験の被害者であり、実験場から唯一脱出した「実験材料二〇八号」であった。葉隠一族に並々ならぬ怨みを抱き、一族を根絶やしにするべくこれまで生き延びてきたのだった。真実を知った覚悟は、余命幾許もない「実験材料二〇八号」の本懐を遂げさせるべく、甘んじてその剣を受ける。覚悟の腹部に当てられた「斬超鋼剣」は、零の装甲もろとも覚悟を貫いた。本編以前、覚悟が散を探して全国を転々としていた頃のエピソード。15歳の覚悟は、山形県のどか市の「私立有機学園」1年2組に在籍していた。1人だけ純白の詰め襟を着(他の男子生徒は黒い詰め襟)、今時シャーペンではなく鉛筆を愛用する覚悟は周囲から浮いた存在となり、からかいの対象となっていた。そこへ、情報通の女生徒(さゆりっち)が息を切らせて教室へ入ってくる。「数学の赤毛先生が殺された」昨晩、市内では剣道の達人ばかりが4名、連続して斬殺されるという事件があり、剣道部顧問で五段の腕前を持つ赤毛先生も被害者の1人だというのである。騒然とする教室内で、覚悟と零はこの事件に人外の者の気配を感じた。かつて赤毛先生に剣道部に誘われ、密かに恩義を感じていた覚悟は、先生を失って落胆する剣道部の生徒達を率先して励ます。急に現れて皆を外に連れ出した覚悟に対し、初めはいぶかしげな生徒達だったが、覚悟の歌う校歌を聴きながら、次第に元気を取り戻した。覚悟達が小高い丘に差し掛かると、覚悟の丹田から発せられる歌声に誘われ、真っ白な鎧姿の剣士が現れた。かつての名を白田玄兵衛、今の名を「武鬼(ぶき)」と名乗るその鎧武者は、現代に至って剣の術理が衰退したことを憂い、無念から蘇った侍であり、赤毛先生らを斬り殺した犯人であった。赤毛先生の仇を取るため、そして玄兵衛の霊を鎮めるために、覚悟は零を着装して、武鬼との武道試合に挑む。瓦礫ばかりの荒地、雷鳴が轟く雲の下、覚悟は「普及型強化外骨格」と思われる装甲をまとった、3人の「帝国再建の野望を抱く軍鬼」達に囲まれていた。軍鬼らを相手に7日間の死闘を演じた覚悟。遂には零の装甲に亀裂が生じ、彼は化学兵器への耐性を失うという窮地に立たされていた。軍鬼達がその右手を覚悟に向け、今まさに化学兵器「音無(おとなし)」を射出しようとした瞬間、赤い独特のフォルムを持った強化外骨格──「覚醒式強化外骨格・雷電」──に身を包んだ謎の男が現れた。飛びかかる“雷電”に軍鬼達は「拡張射程 掌火」で迎え撃つが、それを放つ間もなく、“雷電”の背中から引き抜かれた「烈義閃獄剣」によって一刀両断にされる。戦いが終わり、「君は?」と尋ねる覚悟に対し、“雷電”は「秘です」と答えた。「ただこれだけは言っておきたい。僕はあなたを尊敬している」との言葉を覚悟に残して、彼はどこかへと去って行くのだった。※声はOVAのキャスト散とともにガラン城にいる側近たち。「人類を抹殺し、美しい自然を取り戻す」という散の思想に共鳴し、厚い忠誠を誓っている。もとは人間であったが、散に惹かれ僕となった。特にライ・ボルトは散の燃える口づけを受けて「人間ではいられなくなった」という。零式防衛術や強化外骨格と同様に、大戦中に日本軍の戦力として葉隠四郎が開発していた改造人間。人間を捕食し、その骨髄液をエネルギー源としている。人間のときに持っていた歪んだエゴイズム(本人はそれをエゴであることを自覚していない)を増幅され、これを具現化した怪物じみた醜い容姿をしている。これに対し、他者を犠牲にするような強烈なエゴのない善良な人間は改造されても戦術鬼にならず、無力な「肉虫」になってしまい、ガラン城の外に捨てられる。散が人類抹殺の戦力として採用し、世界中に放って多くの犠牲者を出していた。居城であるガラン城には数千体が格納されているという。「強化外骨格(きょうかがいこっかく)」(以下、外骨格)とは、第二次世界大戦中、葉隠四郎率いる瞬殺無音部隊の研究を通じて開発された「武器内蔵・耐熱防弾防毒鎧」(強化服)である。誕生の背景には、無音部隊による残虐な人体実験の犠牲となった多くの命が存在する。着装すれば一国を堕とす事も可能であるとされる。零式防衛術(ぜろしきぼうえいじゅつ)とは、強化外骨格、零式鉄球などと共に葉隠四郎が第二次大戦中生み出した最終格闘技である。人類の潜在能力を極限まで引き出し、一触必殺を可能とする。略称は零式で、この呼称はしばしば「零式螺旋波紋掌打」の様に技名冠頭に付加される。強化外骨格や零式鉄球を使用した技にも「零式」の号が冠されているため、これら戦術兵器の使用、鬼我一体など四郎考案の科学技術の操作も零式の範疇に含まれているものと思われる。永吉戦で一時的に視界を失った覚悟が、零式をもってその後の攻撃を避けていることから、あらゆる状況を想定した全局面的戦闘手段なのだろう。数々の一撃必殺技を持つ零式防衛術であるが、その本質は使用者自身の認識(にんしき/こころ)の制御であるとされる。戦闘において自身の認識を曇らせる愛憎怨怒といった感情や、敵を恐れる心を滅殺し、常に己を失わず冷静な戦いを可能とする技術なのである。このことから、覚悟は血髑郎戦で零式防衛術は相手を殺す技ではなく己を殺す技であると語っている。零式鉄球(ぜろしきてっきゅう)(以下、鉄球)は大戦中に葉隠四郎と瞬殺無音部隊が開発した特殊金属。ソフトボール大の、文字通り鉄の球で、人間の身体に直接埋め込んで使用する。本編においては覚悟が8個、散が24個、ライが21個所持している。総数は不明だが朧も両前腕部に埋め込んでいる。零式鉄球は使用する目的や状況によってその形態を変える。「登場人物‐戦術鬼」の項を参照のこと。1996年に全2巻が発売された。全80分。2000年12月8日発売のVHSビデオ(収録時間80分)。
内容は通常のアニメーションとは異なり、コミックの原画に、声・効果音・音楽といった音響効果を加え、更にデジタル処理による演出を施したものとなっている。
出典:wikipedia
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