給湯器(きゅうとうき、)とは水を湯に変えて供給する器具のことである。湯沸かし器(ゆわかしき、)、温水器(おんすいき、)ともいう。ここでは一般家庭用の給湯器について述べる。規模の大小、熱源も電気、ガス、石油、太陽熱など多様である。機器そのものの性格ほか、住宅の構造や家族構成により一長一短は変化する。一般には台所に設置される小型のものが「湯沸器」、風呂を沸かす事にも使用出来る大型のものが「給湯器」と呼ばれ区別される。電熱ヒーターを使うタイプと熱交換を使うタイプに分かれる。深夜電力(電力会社や契約メニューによって異なる。東京電力の例では23時から翌朝7時まで)の割安な単価適用時間帯を使い、貯湯タンク内に85程度に沸かした湯を150〜560リットル程度蓄えて昼間に給湯使用する。昼間時間帯でも運転が可能だが、コスト面からタイマー制御等を用いて深夜電力時間帯に稼働するように設定する方式が普及している。電熱ヒーターを使う。セントラルヒーティングに使える機種もあり、北海道地区のオール電化住宅に用いられている。容量が1〜100リットル程度の小型のものもあり、キッチンや洗面所に置く事も可能。日本国外で用いられている物は、消費電力が8.5kWから11kWないしそれ以上で、200Vから240Vを使用する。主にバスルームのシャワーに使われる。現在住宅用に日本で用いられているガス瞬間式は比較的小型であっても能力が16号あり、これは効率を無視しても27.8kW必要で、これを電気瞬間式で実現するには電気設備の容量面で困難が大きい。故に手洗い用等、特に貯蔵の必要のないものであっても小さな出力で十分な量を出湯させるために貯湯式が用いられる場合が多い。但し、小型で構造が簡単、熱効率は非常に優秀である。高圧・特別高圧の電気契約の工場・ホテル・病院等でその利用価値が大きい。自然冷媒(CO)を用いた熱交換式の電気給湯器で「エコキュート」と呼ばれている。「エコキュート」の名称は電力会社・給湯器メーカーが自然冷媒ヒートポンプ給湯器を総称する愛称として使用している(登録商標の権利としては関西電力が保持・管理している)。よって、自然冷媒を用いないHFCヒートポンプ給湯器は「エコキュート」とは呼ばれない。2001年5月にデンソー、電力中央研究所、東京電力の3社で共同開発され、コロナが発売を開始した。構造はエアコンと同じ原理で大気の熱を冷媒に移し、その熱で湯を沸かす。燃焼式、電気温水器と異なり大気の熱を移動する仕組みのため、投入エネルギーよりも多くの熱エネルギーを利用することができる。CO排出抑制の手段として注目されており、機種によっては政府の補助金が得られるものもある(2010年度に終了)。加熱能力は業務用10馬力のもので約28kW。エアコンと同じR410A冷媒を用いたヒートポンプで湯を沸かす電気給湯器で東芝キヤリアが製造している。冷媒にCOを使用していないためエコキュートの補助金制度は使えないがヒートポンプユニットはエアコンと部品を共通化しているため、現場での修理対応が可能というメリットがある。寒冷地向けに電熱ヒーターを内蔵しているもの等、東芝独自のラインアップがある。台所やその付近の室内に設置される小型の給湯器。元止め式と先止め式がある。元止め式とは本体から直接伸びたシャワー口を含む給湯配管により給湯する方式で、先止め式とは本体と給湯を必要とする場所が離れた別体型の蛇口(混合水栓)を含む給湯配管を施工し蛇口の開閉時による水圧変化により制御し給湯する方式である。タンク内の水を予め加温する方式。言わば(瞬間式でない)電気温水器の熱源をガスにしたような物である。アメリカから伝播した古くからある器具で、現在は主に理髪店等で使用される。複雑な制御を必要とせず、それでいて非常に安定した温度の湯を供給できる。ループ配管が施工可能なので配管が著しく長い場合でも(沸き上がっていれば)蛇口を開けてから直ぐに湯が出るという特徴があり、また多数の栓を同時に開いても温度が安定している事もあり現在でも高級な設備として需要がある。セントラルヒーティングに使える機種もある。設置場所により屋内設置型、浴室内設置型(バランス釜に給湯蛇口(又はシャワーのみ)を備えたもの)、パイプシャフト内設置型、屋外設置型に分類される。これらは給排気方式や能力(号数)より更に分類される。セントラルヒーティングに使える機種もある。寒冷地(特に北海道)では凍結故障防止のために屋内設置することが多く、寒冷地仕様としてラインアップしているメーカーが多い。一般的には戸建住宅では床置式・壁掛式が、集合住宅では壁掛式(パイプシャフト又はベランダ)が普及している。大きくは給湯栓からの給湯のみの機能を持つ給湯単能器と浴槽の追焚機能を合わせ持つ風呂給湯器に分かれるが、近年はさらに温水暖房(床暖房・浴室暖房)の熱源機としても使用可能な「温水暖房熱原付き給湯器」や「温水暖房熱源付き風呂給湯器」も販売されている。従来のガス給湯器の熱効率がおよそ80%であったのに対し、約15%高い95%の熱効率を実現させた新型のガス給湯器。ガス給湯器では水が通る熱交換器を燃焼によって生じた高温ガスに当てることで、ガスから熱を回収し温水を得る。このとき従来型給湯器では熱交換後の排気ガスは200程度であり、燃料エネルギーのおよそ80%しか回収できていなかった。潜熱回収型ガス給湯器では、従来排出していた(一次)熱交換後のガスを二次熱交換器に当て給水を予熱する。二次熱交換器で排気温度を水の沸点以下の60程度まで下げることで排気ガス中に含まれる水蒸気を液体の水とし、潜熱(凝縮熱)を回収できる。これによって全体として95%程度の熱効率を実現し、液体の水となった水蒸気の分だけ排気量も少なくなる。2000年6月に高木産業(当時。現・パーパス株式会社)が初めて発売を開始した。ヒートポンプとエコジョーズを組み合わせた給湯器。両方のメリットとデメリットも受け継いでいる。リンナイより「エコワン(ECO ONE)」の商品名で、ノーリツからは「ハイブリッド(HYBRID)給湯システム」の名称で発売されている。石油(灯油)バーナーによる給湯器。経済的効果(燃費)を期待し浴槽などの多量給湯に用いられる。かつては燃焼制御技術の問題もあり比較的容量の大きい缶を内蔵する半貯湯式もしくはセミ貯湯式と呼ばれるものが多かったが、現在は必要量だけその都度加温して利用する瞬間式(直圧式)もある。瞬間式は細かい制御が可能なため、1単位での給湯温度設定が可能。缶体を持たないので、水道水の圧力のまま用いることができる。またガス瞬間式同様、給湯時の水圧が上水道圧とほぼ同一であり蛇口を捻れば直ちに点火・出湯するなどのメリットがあるがその分構造・制御が複雑になり、本体価格は高価である。またガス瞬間式同様に微小な流量では燃焼開始できなかったり給湯能力を超過した出湯の場合、直ちに湯温の低下を来たす欠点がある。瞬間式は本来、ガスの様に燃焼制御が極めて容易な燃料に用いられる物であるのでこの点やや不利である。これに対してセミ貯湯式は構造が単純なため瞬間式(直圧式)に比べて安価であるが容積のある円筒の缶体を持つ為法規制を受けかつては圧力上限が0.1Mpaとされていて給湯時の水圧が低く(但し最近は高圧型0.2Mpaもある)使用開始時缶の水を予め温めなければならないので、数十秒程度の待ち時間が発生する。温度設定が「熱い〜ぬるい」などの感覚的な設定しかできない等の制約がある。反面、低圧であるので在来の太陽熱温水器との結合は極めて容易であり缶の湯量があるので湯温の乱高下も比較的緩和される。かつてはランニングコストの面から寒冷地、都市ガスの供給の無い地域での採用が多かったが原油価格の高騰やオール電化の普及に伴い電気給湯器へシフトする傾向にある。従来の石油給湯器の熱効率が83%だったのと比べ14%高い、95%の熱効率を実現させた新型の石油給湯器。従来までは捨てていた高温の排気を有効利用することで、熱効率を高めている。2006年12月にノーリツが発売を開始した。石油業界ならびに給湯機器業界は、石油エネルギーの高効率利用促進の観点からエコフィール購入支援事業を展開している。形態としてはガス給湯器の「エコジョーズ」と類似する。排気温度が200から60に下がる為、省エネ性の他に安全上のメリットもある。ただし日本国内流通の熱機器用ガスと異なり灯油は僅かではあるが硫黄などの不純物を含む為、給湯器クラスの大量の排気が沸点以下で排出されて低温側熱交換器で結露した際、これら不純物が溶け込んで酸性の液体になったドレンをそのまま排出すると周囲を腐食させてしまう。この為、本体内にドレン中和器が内蔵され更に設置時には特別な排気ドレン工事が必要となる。これは本体価格で従来型より10万円高となる上工事費もかかる為、低コストを求められる石油給湯器としては大きなデメリットでもあり、この事からエコジョーズほどラインアップが充実していない。家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステムに付属する貯湯ユニットに組み込まれた給湯器。貯湯を使い切った時や湯が設定温度まで高まっていない時に補助熱源として稼働する。燃料は、都市ガスやLPガス。家庭用燃料電池コージェネレーションシステムに付属する貯湯ユニットに組み込まれた給湯器。貯湯を使い切った時や湯が設定温度まで高まっていない時に補助熱源として稼働する。燃料は、都市ガスやLPガス、灯油。太陽熱を利用して温水を作る。太陽光発電と比べると同じ面積で4〜5倍の熱エネルギーを得ることができる。雨・曇りの日にあっては能力が下がるので、単独での設置は現実的でない。ガス瞬間式・石油瞬間式との連携は水圧の問題から困難で、特に自動的に温度設定をする機種とは相性が良くない。いずれも専用の機器か太陽熱連携を前提とした機種を設ける事で解決できるがその機器に更に費用が掛かり保守上も難点が生ずる。また中には中・低温度の太陽熱を全く利用しない機種もあるので、太陽熱温水器の経済効果が薄れるものも存在する。単機能の(低圧型)半貯湯式石油給湯器、ガス貯湯式、在来の電気温水器であれば単純に太陽熱温水器出口に給湯器の缶体を接続するだけで連携運用が可能で設備費用は安く、それでいて最大限太陽熱を利用できる(電気温水器の一部には過去に使用したパターンから通電時間を決める物があるがこの場合、設定が狂ってしまうので直接の連携は避けたほうが良い)。太陽熱とその他の熱源の給湯を選択することが可能な蛇口も存在し、これを使用した場合、湯を使用する時は太陽熱温水器への給水をストップし、使用中の温度降下を抑制することもできる。この場合はガス瞬間式・石油瞬間式とも簡単に接続でき設備費用も比較的安くなるが、蛇口周りの配管が輻輳するのが難点で、更に風呂場等の専用蛇口設置場所でのみしか切り替えが可能でない欠点もある。燃料に木質ペレットを使用する。薪炊き給湯器と異なり、細かな燃焼制御と自動運転が可能。ペレットストーブに給湯機能が備わっているものもある。欧米製が多い。自治体によっては導入促進補助金の対象となっていることもある。近年の石油価格高騰により灯油よりも燃料費が安く済む場合も多い。また木質ペレットには硫黄などの成分は含まれないため、低温腐食や缶体腐食がほとんど無いことからメンテナンス頻度が少なく排ガスの公害防止装置も必要ない。また排出される木灰は土壌改良剤として利用出来る。それらの点から農業の温室用などに向いている。近年はCO排出権買取の対象ともなっている。自然エネルギーということで近年は農業者向けに自治体での実証実験や補助も始まっている。薪・木屑の入手の容易な場所で用いられ、紙屑等の焼却も可能である。燃焼制御が事実上不可能であるので、貯湯式のみである。缶体に上限0.1MPaまでの圧力を有する製品と、缶体を無圧開放とし給湯は缶体内部のコイルで熱交換を行うものとがある。前者は太陽熱温水器との連結に向き、後者は水道直圧であるため給湯圧が高く、缶内の貯湯を温水暖房にも流用し易い利点がある。一旦火が落ちたり、薪の無い時や新たに薪をくべる労力を緩和する為に石油バーナーを付属させた機種が一般的である。電気温水器・ガス貯湯式同様、使用する湯量に応じて機種を選定しないと石油バーナーへの依存度が高くなる。薪・木屑がなければ用を為さないので採用は稀であるが、イソライト、長府、エーテーオー、ノーリツ等が製造している。韓国で見られた形式で、練炭を燃料として使用する。電気制御回路が一切なく構造が非常に単純で給湯器本体価格が日本円換算で2万円程度からあり練炭を燃料としていることでランニングコストも安価であるが1日1回または数時間毎の人間による練炭入れ替え作業が必要であり、またその都度、大量の練炭殻が発生する。煙突が必ず備わっているが排出ガスによる事故を防ぐため、ほとんどの場合屋外に設置される。籾殻を燃料とするボイラー。給湯と暖房を同時に行うことが出来、燃料として籾殻を消費すると同時に、燃焼灰は土壌改良材として有用な「籾殻くん炭」となる。燃料の供給、燃焼灰の排出、燃焼中のファンの稼働などに電力を必要とするが、籾殻が無料で入手できる環境であれば、燃料費はタダであり、くん炭を販売することでの利益も得られる。
出典:wikipedia
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