M9 ガーンズバック(エムナイン -)は、賀東招二の小説『フルメタル・パニック!』、および『フルメタル・パニック!アナザー』に登場する架空の兵器。人型兵器アーム・スレイブ(AS)の1種である。従来の機体を遥かに上回る性能を持つ「第二世代型AS」M6 ブッシュネルを、さらに発展させた世界の10年先を行くと呼ばれるほどの超高性能「第三世代型AS」である。重量の嵩む油圧系から解放されたため、第二世代機と比べ機体重量が大幅に軽減し、機動力や運動性が飛躍的に向上。敵に撃たせない、照準させない戦い方が可能になった。加えて、脚部にバッタの脚の関節構造が取り入れられており、爆発的な加速力と跳躍力を有する。ミスリル仕様のE系列およびD系列は、第二世代型と比べてかなり細身なボディと戦闘機パイロットのヘルメットを連想させる丸い頭部が特徴。元々は米軍の次期主力ASとして開発された機体であるが、『フルメタル・パニック!』本編の時代では未だ米軍でEMD機による運用実験が行われている段階であり、1998年12月にアメリカ軍においてEMDフェーズが終了し、その後26機が調達され、2004年より公式配備が開始されている。詳細については#米軍機を参照。ガーンズバックというペットネームは設定上存在するが、作中の登場人物のほとんどはM9(エムナイン)と呼称している。これは同じ米軍機であるM6(エムシックス)に関しても同様。地の文でも同様に型番のみの表記であることが大半。なお、『スーパーロボット大戦シリーズ』に登場した際のユニット名は、“M9 ガーンズバック”と型番と併記される形となっている(アーバレストなども同様の形式)。最新の軍事技術を多数採用した、数々の革新的要素を持つ機体である。パラジウムリアクターを搭載したことにより、ガスタービンエンジンで駆動する従来機と比較して極めて高い静粛性を獲得した。その潤沢なエネルギーにより、マッスル・パッケージと呼ばれる人工筋肉による完全電気駆動を実現したため、機体そのものが軽量化され運動性も極めて高く、その上ある程度の防弾性を備えており、耐久性もその見かけに反して向上している。機体の軽量化は展開能力の向上にもつながっており、専用の輸送ヘリに最大2機搭載して輸送可能な他、XL-2 緊急展開ブースターを用いることで迅速な展開が可能となっている。第二世代機までに搭載されていた油圧系のシステムを全廃したために、上記した機体の軽量化のみならず、ペイロードに大きな余裕が生まれた。その結果、高性能な電子兵装や内蔵型ウェポンラック、不可視モード実装型ECSを搭載可能となった。メリッサ・マオの搭乗する機体は特に電子戦能力を強化したものであり、頭部にブレードアンテナを有するなど、外見上の相違点もみられる。さらに、第二世代型には無い高性能なAIが搭載されており、搭乗者の負担もかなり減少されている。また、アニメ版の描写ながら敵機の使用していた携帯火器のロックを短時間で解除することが可能である。なお、AIのボイスは初期設定では機械合成の男声(アーバレストのAI、アルの声がこれに当たる)だが、搭乗者の趣味などによって比較的自由に変えることが出来る。例えばクルツの場合、日本のアイドル声優の声をサンプリングして自機のAIのボイスに設定している。ジオトロン・エレクトロニクスでの機体の設計にはマオも携わっており、ミスリルに正式採用される以前は「XM9」という開発番号で呼称されていた。短編『エンゲージ・シックス・セブン』にて、正式に「M9」という形式番号が与えられている。なお、作中では本機のプラモデルが田宮模型から発売されていた。その出来は実際に運用していた相良宗介が「あとは関節が動けば文句なし」と感心するほど。作中、ミスリル側の機体として登場するほとんどのM9はE系列であり、ジオトロン・エレクトロニクス社のドルトムント工場で製造されたD系列(通称「ファルケ」)というもう一つのバージョンがある。設定では2機製造されており、その内1機がベルファンガン・クルーゾーの乗機となった。この機体はE系列機に比べ、機体のペイロードに若干余裕があるのが特徴。2機目のパーツはレーバテインに流用されている。外見上の最大の差異は頭部形状であり、アーバレストと同様に双眼式のセンサーを搭載している(ただし、漫画版ではバイザー式)。また、肩装甲など各パーツの形状が異なり、カラーリングもクルーゾー機は黒となっている。元々ラムダ・ドライバの搭載が予定されていたが、開発者であるバニ・モラウタが自殺したために搭載されていない。ただし、機体フレームにアーバレストと同様の物が使用されている可能性は否定できない。『スーパーロボット大戦W』登場時は、M9マオ機・クルツ機との合体攻撃「ウルズ・スペシャル」を使用できる。マオ機・クルツ機以外にもさらに2機のM9を呼び寄せて、総勢5機による連携攻撃を披露する。上記のようなメリットの反面、運用コストは従来のものとは比べ物にならないほど増えており、よほど資金が潤沢な組織でなければ運用できない。また、油圧システムを持たないゆえに、規格外の荷重に対しては第二世代機と比べると弱い面がある。他にも、稼働時間の点で第2世代に劣るため、戦闘には向くものの哨戒等の長時間にわたる作戦行動では第2世代に分がある。駆動系や機体構造においても、時として第二世代機の方が有利な場合が見られ、構造の堅牢性ならばサベージ系列の方が勝っている面があり、『燃えるワン・マン・フォース』において、サベージに搭乗した宗介がM9との戦闘において寺院に誘い込んだ上で建物を破壊し、崩れてくる構造物に巻き込むことによってM9を動作不能にし勝利している。また、M6に比べ静粛性・機動性は勝るものの、操縦に非常に繊細な動作を要求されるほか、高精度のチューニングがなされているため「超上級者向け」の機体に仕上がっており、扱いやすさの面ではM6の方が優位である。実際に、『猫と仔猫のR&R』で、当初M9に乗っていたテッサは全く操ることが出来ず、最終的にM6に乗り換えてマオとの模擬戦に臨んでいる。もっとも、これはテッサが有するウィスパードとしての才覚を生かしたものであり、一種の例外とも言える。いずれにせよM6にはAIによるサポートがないため、操縦それ自体はM9よりも煩雑である。機体の各種設定のうち、作戦でよく使われる組み合わせをまとめて指定するため、いくつかのマスター・モードが定められている。各種設定とは、以下のようなものである。ミスリルの主力機として登場しており、主人公の宗介も初期はこの機体に搭乗していた。基本的にはARX-7 アーバレストの支援にまわることが多い。また、Rk-92 サベージ等の前世代機が相手ならば、複数機が相手でも苦も無く撃破することができるが、初期はコダール等のラムダ・ドライバ搭載機が相手では苦戦は避けられず、大した抵抗もできずに破壊されることも多かった。しかし妖精の眼が実用化され、ミスリル側が戦闘データの蓄積、および分析と対応シミュレーションを練った結果として、『つどうメイク・マイ・デイ』以降においてはほぼ互角の戦闘が可能になった(ただし、ミスリル側の熟練した搭乗者の技能を考慮してだが)。1999年に技術試験(EMD)が終了し、アメリカ軍正式採用機として26機が調達されている。
出典:wikipedia
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