『夜想曲』(やそうきょく)は、1998年7月16日にビクターインタラクティブソフトウエア(現マーベラスインタラクティブ)から発売されたPlayStation用アドベンチャーゲームである。原作は赤川次郎の小説『殺人を呼んだ本』。PlayStation the Bestとして廉価版も発売されており、2002年12月5日には新たにPS one Booksとして再廉価版が発売された。 タイトルの由来はプロデューサーである金沢十三男の自宅にあった夜想曲のCD。2001年6月14日には続編として『夜想曲2』が同じくPlayStation用ゲームとして発売された。1作目と同じ設定、時間軸上で起きた別の事件を扱った物語となっている。こちらも2002年12月5日にPS one Booksとして廉価版が発売された。2008年2月28日には『夜想曲』と『夜想曲2』の両方が収録された『赤川次郎ミステリー 夜想曲 -本に招かれた殺人-』がニンテンドーDS用ソフトとして発売された。2010年の8月から9月にかけて、PlayStation版の2作品がゲームアーカイブス(PlayStation 3・PlayStation Portable)にて配信開始された。主人公はどこにでもいる平凡な大学4年生(男女選択可能)。ひょんなことから人里離れた田舎町・奥音里(おくねさと)の山奥にある私設図書館で住み込みのアルバイトを始めることになった主人公は、数多の死にまつわる本に導かれるかの如く、様々な事件に巻き込まれて行くこととなる。ストーリーは「プロローグ」と一話完結の複数話で構成されており、ベストエンディング、もしくはグッドエンディングに辿り着くことで次の物語に進めるという様式が採用され、これを続編シナリオシステムと呼称している。このシステムは、以後のTEAM CRAZEの手掛けた作品では定番のシステムとなった。また、シナリオはサウンドノベルというジャンルでは定番のマルチエンディング方式が採用され、各シナリオごとに一つのベストエンディング、複数のグッドエンディング、多数のバッドエンディングで構成されている。これらのエンディングを閲覧するための「エンディングリスト」も用意されている。この「エンディングリスト」は本棚を模したものとなっており、プレイヤーが新しいエンディングに到達するごとに1冊ずつ「本」が埋まって行く形となる。各話ごとに棚が分けられ、各エンディング毎にそれぞれ異なった巻数とタイトルが与えられている(例:プロローグ「長い夏」など)。物語に登場する人物は、主人公とパートナー以外は全て登場人物リストに掲載される。掲載のタイミングとしては、基本的に主人公が物語中に実際に遭遇した瞬間となり、その際、オートセーブ中を表すしおりが画面右下に表示される。なお、この登場人物リストと、先述のエンディングリストの達成率は隠しシナリオ出現のための条件となっており、プレイヤーには全てのエンディングと全ての登場人物の閲覧が求められる。操作環境は『夜想曲』と『夜想曲2』のそれぞれにおいて細部は異なるものの、概ね同じである。両作品に共通する主なシステムとしては、オートセーブ機能(解除不可)、途中セーブ、各巻冒頭からのリトライ機能、主人公の名称・性別変更、文字スキップ機能、読み戻し機能、本棚(エンディングリスト)、登場人物リスト、などである。なお、「文字スキップ機能」と「読み戻し機能」については各作品ごとに若干の差があり、これらについては各作品ごとのシステムの項に記載する。物語の舞台は、架空の田舎町・奥音里。リゾート開発が進められているとのことであるが、駅周辺は極めてのどかな風景が広がり、近い将来の内にこの風景が変わることは無い。しかし、全くの不便という訳ではなく、本数は少ないもののバスが運行し、外食店や究極の品揃えを誇る雑貨屋などの施設も存在し、主人公もしばしば利用している。奥音里からバスで30分、さらに未舗装の林道を歩くこと数十分の山奥に野々宮図書館は存在する。概観は洋館風の建物で、ヒビや植物のツタが絡まる等、不気味な雰囲気に包まれることから「幽霊屋敷」と喩えられる。このことから根も葉もない噂が蔓延し、遠方からは好奇心豊かな若者などがきもだめしと称して訪れる以外、地元住民を含めて近づく人間はごく僅かである。しかし、その概観とはうって変わり、内装は豪華な家具が並べられ、中世貴族の屋敷を思わせる。造りもしっかりしており、少々の地震や台風ではびくともしていない。元々は、野々宮財団会長が妹のためにこの洋館を買い取り、保養施設として使用していた。妹の死後も野々宮が住み続け、この屋敷の一室で息を引き取った。野々宮の死後も、その遺言に従う形で財団が図書館として維持・運営を行ってきた。とはいえ、利用者が存在する訳でもなく(ましてや蔵書が全て禁帯出であることから)金銭的収入が全く見込めないため、財団の一部からは「閉館すべき」との声も挙がっている。『夜想曲』・『夜想曲2』の両作品に登場し、各話ごとにも必ず登場する人物。田園地帯を走る電車の中で目を覚ました主人公(あなた)はため息をつく。法学の教授に研究室へと呼び出された大学4回生の主人公は、そこで無情にも出席日数が不足しており、このままでは単位があげることができないと通告される。そこを何とかと懇願する主人公に、教授は一枚の書類を差し出す。そこには別荘地にある図書館で住み込みで管理人のアルバイトをしてくれる人間を募集していると書かれてある。単位のため主人公は受け入れるしかなかった。大学生活最後の夏休みに主人公は電車でバイト先である「野々宮図書館」がある奥音里へと向かっていた。前の席には「専用テニスコート使い放題」の文面に引かれてついてきた「友達以上恋人未満」な関係にある同級生が眠っている。奥音里に付いた2人は目的地へと向かうためバスへと乗った。どんどん山奥へと進むバスに不安を覚える2人。辺りに何も無い停留所で降り不気味な林道を進んだ2人の目の前に古びた洋館が姿を現す。それこそが「野々宮図書館」だった。『夜想曲』において特徴的なシステムを紹介する。『夜想曲2』と共通するシステムについてはストーリー概要と各種システムの項を参照。「野々宮図書館」で住み込みのアルバイトを始めて数日が経った。たまに、田所さんやパートナーが(冷やかし半分に)顔を見に来てくれるものの、基本的にはこの不気味な洋館に自分一人。最初の内は怖くて仕方が無かった。逃げ出そうと考えたことも一度や二度じゃない。だが、何かがここに踏み止まらせている。単位なんかじゃなく、もっと別の「何か」が。玄関に飾られている肖像画に描かれた女性。ある日、田所さんに夢に現れるこの女性について聞いてみたところ、既にこの世にはいないらしい。だが、夜ごと夢に現れ「ニゲロ」と伝えて(脅かして)くるこの女性の存在を、自分は確かに感じている。開かずの間。もし、それが開くことがあったなら。そう思ったとき、心の中に巣くう恐怖が溶け出し、代わりに「何か」を予感するようになっていた。 長い夏は、まだ始まったばかりだった。『夜想曲2』において特徴的なシステムを紹介する。『夜想曲』・『夜想曲2』共に、一定の条件を満たすことで隠しシナリオが出現する。主に、物語の最終話や作品の終了を告げる「あとがき」などが存在する。
出典:wikipedia
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