UボートIX型 (U-Boot-Klasse IX) はドイツ海軍の潜水艦で、第二次世界大戦で用いられた。IXA、IXB、IXC、IXC/40、IXD/1、IXD/2、IXD/42の八つに細分化される。基本的な設計はIA型を改良したものである。本型の建造に際し、より小型のVII型を主力としようとしたドイツ海軍上層部ではかなりの議論が交わされたようだが、実際に建造してみると、航続距離が長く、大西洋を駆け巡って通商破壊を行うにはうってつけの艦となった。また、複殻式の船体構造で水中速度が比較的速く可潜深度は深い優秀艦であった。ただし、建造にかかる日数もそれなりに必要としたため、大量生産には向いていなかった。IXA型はブレーメンのヴェーザー河畔に位置する造船所 AG ヴェーザー社で8隻が建造され、1938年から翌年にかけて就役した。終戦までに6隻が戦没、残りの2隻は終戦時に自沈している。IXB型も全艦がAG ヴェーザー社で建造された。建造数は14隻。1939年末から翌年にかけて就役した。この型はIXA型に比べると燃料搭載量が11t増やされており、航続距離も1500海里伸びて12,000海里となっている。その反面、水中速力と水中航続力は低下している。14隻のうち12隻が戦没し、残りの2隻のうち1隻は終戦時に自沈、もう1隻はフランス海軍に接収され、1947年にブレゾンとして再就役している。IXC型はIXB型の航続距離をさらに1,450海里延伸して13,450海里としたもので、1941年から翌年にかけて54隻が就役した。建造はAG ヴェーザー社及びハンブルクの造船所ドイツ造船である。本型のU-511はのちに大日本帝国海軍に譲渡・編入され、呂号第五百潜水艦となった。IXC/40型はIXC型のバラストタンクを拡大して、航続距離を13,850海里としたもので、1940年から1942年にかけてAG ヴェーザー社及びドイチェ・ヴェルフト社で160隻が起工され、最終的に89隻が就役し、残りの71隻は建造中止となった。本型のU-1224ものちに大日本帝国海軍に譲渡・編入され、呂号第五百一潜水艦となった。IXD/1型は魚雷艇用のエンジンを6基搭載した高速巡洋潜水艦として建造されたが、エンジンの成績が不良だったため、2隻で建造中止となった。また、完成した2隻も後にエンジンを換装し、補給潜水艦となっている。IXD/2型はA~C型とは全く異なる船体を持ち、本来のエンジン4基に加えて、巡航用のエンジンを2基搭載した長距離作戦用潜水艦として1942年から1945年にかけて小改正型のIXD/42型も含めて29隻が竣工した。本型のU-181はシンガポールに寄港中ドイツが降伏したため、大日本帝国海軍が接収し伊号第五百一潜水艦となったが、終戦まで時間がなくさほどの活動はしていない。大日本帝国海軍では、1943年(昭和18年)11月には呂号第五百潜水艦および呂号第五百一潜水艦を元に兵器、機関などを国産品に置き換えたIXO型とIXK型という2つの概案を出していたとされる。詳細は戊型潜水艦の項を参照。
出典:wikipedia
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