『黄金の日日』(おうごんのひび)は、1978年1月8日から12月24日に放送されたNHK大河ドラマ第16作。クレジット上での原作は城山三郎の同名の小説(1978年刊)、脚本は市川森一の書き下ろし(詳細は別途記述)。6代目 市川染五郎(現・松本幸四郎)主演。安土桃山時代にルソンに渡海し、貿易商を営むことで巨万の富を得た豪商・呂宋助左衛門(ドラマ内では助左または納屋助左衛門と呼ばれている)と泉州・堺の町の栄枯盛衰、今井宗薫の妻・美緒をめぐる今井宗薫と助左衛門らの争いを描いた作品である。今作は大河ドラマとしては初の試みとして、NHKスタッフと小説家(城山三郎)と脚本家(市川森一)の三者が合議でおおまかなストーリーを作り、それを基本路線として城山は小説を、市川は脚本を同時進行で執筆していくというスタイルが採られた(実際の脚本執筆では長坂秀佳が協力している)。従前は武士を主人公に取り上げた作品がほとんどだったが、今作では初めて商人を主人公に据えることにより、庶民の暮らしと経済面から時代を描く物語の展開となった。また日本史上の人物の中でも人気が高い豊臣秀吉を関白就任後は徹底した悪役に描いたり、逆に憎まれどころの石田三成を善意の人物に描くなど、それまでにはなかった意外性を活かした構成となった。これが功を奏して、平均視聴率も軒並み当時の上位につけ、歴代でも『赤穂浪士』の31.9%、『太閤記』31.2%に次ぐ25.9%を記録、最高視聴率も34.4%という高い数字を記録した。制作面では、大河ドラマとして初めて海外ロケをフィリピンで行い、フィリピン人俳優も出演したことが特筆に値する。過去の日比関係などから実現は困難視されたが、前作『花神』のスタジオ見学に来たマルコス大統領の娘アイミーが、母親のイメルダ大統領夫人に手紙を書いたため、大統領とフィリピン観光省の協力が得られることになった。ロケは、ルソン島北部のサン・エステバンで2週間に渡って行われた。フェンシングなどスペイン人が使用する武術の考証も徹底された。また、堺の町が生田のオープンセットに再現され、従来、江戸の町並だったものを戦国期のものに見せるため、二階建ての家屋では下の屋根にもうひとつ屋根をかぶせ、傘をささずに雨の日も買い物ができたことを表現するために軒を前に張り出させるなどした。商人の町らしく、格子も太めにして、屋根の瓦と瓦の間には棒瓦を敷くなど土蔵造りを表現したという。ドラマの航海シーンに登場する船には、全長3メートルのガレオンタイプの南蛮船、2メートルの和船、三十石船などのミニチュアを合計5隻、砧撮影所の特殊撮影用プールに浮かべて収録した。配役は六代目市川染五郎を主軸にベテラン俳優を歴史上の重要人物に振り、一方では状況劇場を主宰する唐十郎やその当時の妻・李礼仙、そして劇団所属の根津甚八や川谷拓三などのテレビ新顔が主要登場人物を占めるという方式を採用した。なお本作では、1965年放送の大河ドラマ『太閤記』で特に人気が高かった豊臣秀吉役の緒形拳と織田信長役の高橋幸治を再び同じ役で配して、過去の作品との関連性を前面に打ち出している点も注目された。NHKでは総集編だけではなく、本作の全話が保存されており、完全版ソフトの発売とNHKオンデマンドによる本編映像の配信の両方が行われている。助左衛門を演じた市川染五郎(現:松本幸四郎)は、本作より38年後の2016年大河ドラマ『真田丸』に同役として登場した。なお、『真田丸』の脚本家である三谷幸喜は本作を「一番はまった」大河ドラマであると述べている。歌舞伎役者が大河に大役で出演する際の通例に漏れず、本作でも主演の六代目市川染五郎の長男・藤間照薫が少年助左役で、また父の八代目松本幸四郎が助左の父親役で出演、高麗屋親子三代の顔見世である。NHKオンデマンド 大河ドラマ 黄金の日日(2016年5月31日まで)
出典:wikipedia
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