グループC(ぐるーぷしー)は、自動車レースに使用する競技車両のカテゴリーの1つ。それまでのグループ5(シルエットフォーミュラ)およびグループ6(プロトタイプレーシングカー)の後継にあたるカテゴリーである。一般にはスポーツカーレース(ここで言うスポーツカーはプロトタイプレーシングカーを指す)の一種として知られる。1981年、国際自動車スポーツ連盟(FISA)によって発表され、それまで1から8の数字によって形成されていたレギュレーション(国際スポーツ法典・付則J項)を改正し、1982年からAからE・N・Sという7つのアルファベットへ簡略化されたものの1つである。このグループC規定でもっとも特徴的な部分は、レース距離に応じ総燃料使用量が規制されたことである。この規定によってこのカテゴリのレースには、速さを低燃費高効率で達成することが求められることとなった。排気量は無制限。全長4,800mm(ミリメートル)以内、全幅2,000mm以内。クローズドコクピットを持ち、実用性のある照明を備えることが要求されている。そもそもグループCの前身であるグループ6が成立したのは、1960年代に3,000ccプロトタイプと5,000ccスポーツの併存で争われていた国際マニュファクチュアラーズ選手権(のち国際メーカー選手権)が、ポルシェ・917の出現によってポルシェ・917のワンメイクレースのようになり、競技として成立しなくなったことにあった。1972年、国際自動車連盟(FIA)は生産台数制限なしの3,000ccプロトタイプに限定するグループ6(1972年から1975年まではグループ5)で競技を行なうことでポルシェ・917を締め出したが、これもポルシェ・936の独走状態になって、人の興味を引かなくなりつつあった。またこれと併行するかたちで、1970年代後半にFIAの下部組織だったFISAのミーティング席上、石油ショックの中でレース活動を行う大義名分が欲しいという意見が多く出て、何らかの形で燃費を規定に盛り込む意見が多勢を占め、これにフィアットとスクーデリア・フェラーリ以外は前向きな姿勢を見せ、結局1970年代のうちに燃費を規定に盛り込むこと自体は決まり、また排気量やエンジン形式を一切問わない、というところまで間もなく発展した。しかし単純に燃費を制限するとレースが本来持っている迫力を損ない、実験室的イベントになってしまうのではないかという懸念があり、どの程度燃費を制限するのかが大きな問題となった。ポルシェは1981年のル・マン24時間レースにポルシェ・936/81を投入した。搭載されていた新型エンジン935/76型は3,000cc以下のグループ6で争われていた当時のル・マン24時間レースでは不利な2,650ccだが、予選加圧600馬力以上を発揮し4,825.34kmを走り優勝、この時の燃費1.8km/LがグループCの燃費規定のガイドラインになった。結局省資源を併せ持った速さを競い合う自動車文明最初のレースとして多くの賛同を受け1982年5月にグループCカー規定に基づくシリーズとして世界耐久選手権 (WEC) がスタートした。ル・マン24時間レースもこのシリーズに組み込まれたことから、ル・マン24時間レースの総合優勝もこのグループCカーによって争われることとなった。年度によって車両細則は変更を受けている。日本では1983年に全日本耐久選手権としてグループCによるシリーズ戦がスタート。後に全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権 (JSPC) と改称し、WSPCがSWCに改称した後も旧グループC規定に基づく燃費規制レギュレーションによるレースが行われていたが、バブル景気の崩壊に伴う自動車メーカーの経営状態の悪化などを背景に、SWCと同様に1992年限りでシリーズが終了した。
出典:wikipedia
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