Technics(テクニクス)は、パナソニック株式会社の音響機器向けブランド、および登録商標。1965年発売のスピーカー「SB-1204」のペットネーム「Technics 1」で初めて用いられた。2010年に主力製品だったTechnics SL-1200Mk6が販売終了となり、一部のアクセサリを除きブランドとして一旦終息したが、2014年度より欧州および日本において再展開されている。1980年代以降はレコードプレイヤーのTechnics SL-1200シリーズが、クラブDJ用機材としてデファクトスタンダードとなっていた。Technicsの名は、「げんこつ」の愛称で親しまれた輸出用に初めて"Pana Sonic"商標が用いられたスピーカー「8P-W1」の設計者である阪本楢次と、大口取引先だった日本橋電気街の河口無線(後に上新電機子会社を経て現在はクボテック傘下)の当時の会長との会話の中で決まったという。1960年代末に開発されたスピーカーシステム、ダイレクトドライブモーターから始まり、中〜高級オーディオ市場に進出。その後は低価格帯の音響機器(大衆向けシステムコンポーネントステレオのYouシリーズ/Vシリーズや、据え置き型テープレコーダー「RS-4800」等)にも使用した。更に電子オルガンの「テクニトーン」、電子ピアノ、消音ピアノユニット等もTechnicsブランドで販売した。また、1970年代〜1980年代にはカーコンポ(2DINサイズ、FM/AM電子チューナー、カセットデッキ)も販売した。大手総合家電メーカーが軒並みオーディオ分野に進出する中で成功を収め、ダイレクトドライブ、リニアフェイズ、擬似A級、そしてNTTとの共同開発によるMASH等、下記する数々の新技術を開発・商品化して、名機と呼ばれる機種も輩出した。オーディオ専業メーカーとは異なり、大企業の一事業部としての採算性の制約から発売機種は低〜中価格帯の分野に集中していた。なお、当初はテープデッキが録音機事業部、それ以外がステレオ事業部と分かれていた。1980年代後期にステレオ事業部が録音機事業部のテクニクスブランド部門を統合してハイファイオーディオ事業部となり、録音機事業部の残りの部門はゼネラルオーディオ事業部となって、1988年にはミニコンポやポータブルCDプレーヤーがPanasonicブランドへと順次移行されて行った。さらに1989年にはいわゆる「単品コンポ」でも普及〜中級機にPanasonicブランドを、高級機のみ引き続きTechnicsブランドを適用する戦略に変更した。この時期に発売されたTechnics製品はGシリーズ(スピーカーを除く。GOLDのGであり、ボディカラーも当時流行し始めていたシャンパンゴールドで統一されていた)とネーミングされており、代表機種にセパレートアンプの7000シリーズなどがある。但し、1993年以降は中級以下の単体製品もTechnicsブランドへ戻された。2000年代に入り、TechnicsブランドはクラブDJ向け製品のみに存続していたが、Technicsの全ての製品は2010年10月をもって生産終了となり、Technicsブランドは一旦終息した。2014年9月、パナソニックは高級オーディオ機器ブランドとして4年ぶりにTechnicsの再展開を発表。欧州では同年12月、日本では2015年2月よりTechnicsブランドの新製品が順次発売された。ニューヨーク近代美術館に、レコードプレイヤ-Technics SL-10とホーン型スピーカー「SST-1」が収蔵されている。かつて「SY-1010」というアナログシンセサイザーを出していた。同社は、ダイレクトドライブ式レコードプレーヤーの市販商品化に世界で初めて成功したメーカーである(「SP-10」1970年。なお同機はユーザーが好みに応じてトーンアームやキャビネットを組み合わせる単体ターンテーブルであり、一般的な形態のプレーヤーとしてSL-1000が、そしてSL-1000からトーンアームを省略しユーザー側で好みのアームを2本まで取り付けられる様にしたターンテーブルシステムとしてSL-100Wがそれぞれラインナップされていた)。その系譜はSP-10の後継機であるSP-10MK2・SP-10MK3を初めSL-1200シリーズやレコードジャケットと同じ幅31.5cmのフルオートプレーヤーSL-10等へと続いていった。また、レコードプレーヤーほど有名ではないものの、カセットデッキやオープンデッキにもダイレクトドライブを積極的に採用している。RS-275U(1971年)は世界初のダイレクトドライブカセットデッキである。1970年代後半に国内メーカー各社がそれぞれ独自に「擬似A級」と呼ばれる増幅方式のパワーアンプを発表・製品化した。他社も同様の増幅方式に着目し、数多くの製品が出た。利点としてはA級増幅では効率が悪く、B級増幅では、歪が大きくなるところを強制的に電圧をかけてB級アンプに擬似A級の増幅をさせることで、A級に類似した高精度の増幅とB級アンプの高効率増幅を両立したものである。中でも最も長期に渡り改良を進めたのが同社である。パワーアンプ「SE-A1」(1977年)の「Class A+」から始まり、「Strate DC」「New Class A」、「New ClassA Computer Drive」、スレッショルド社の回路を改良した「ClassAA」さらに初段の素子をMOS素子に変更した「MOS ClassAA」等、回路方式により幾つかの呼称が存在した。事実上最後のセパレートパワーアンプとなった「SU-C7000」「SE-A7000」シリーズにもMOS ClassAA回路が採用されている。通常のスピーカーでは、ウーファ・スコーカ(ミッドレンジ)・ツイータ各々のユニットの奥行き寸法や、振動板の応答速度が異なるため、聴取位置での各音域の位相(フェイズ)は大きくずれているのが普通だった。そこで聴取位置での位相を揃えた「リニアフェイズ」と称するスピーカーシステムを商品展開した。一般的なスピーカーでは各ユニットが同一平面上に配置されるため位相が大きくずれるが、リニアフェイズスピーカでは、ボイスコイルの位置がほぼ等しくなるような配置となるため、前面バッフルは階段状の独特の外観となった(「SB-7000」、「SB-6000」、「SB-5000」等)。またホーン型ユニットが採用された製品では、ホーンの先端がバッフル前面から突出したデザインとなった(「SB-10000」等)。リニアフェイズスピーカには、階段状のシンボルマークが付けられていたが、後期の製品において、平面型ユニットの採用や、ウーファの取り付け部にスペーサを挿入して突出させたり、ツイータのホーンの一部を前面バッフルと一体成型するなどの手法により、外観が階段状ではなくなった製品であっても階段状のシンボルマークは継承されていた。テクニクスが独自に開発した防振構造。当初は高級レコードプレーヤー「1200シリーズ」にのみ採用されていたが、のちにアンプ・CDプレーヤー・ビデオデッキ・DVDプレーヤー・DVDレコーダー等の高級AV機器全般に拡大(「パナソニック」ブランドの一部上位機にも採用)。本体天板を分厚いアルミにした他、底面には大型インシュレーターと防振ゴム、加えて一部機種は左右に高級木板を取り付けて音の濁りの原因となる外部からの振動を徹底的に排除、MOS classAA等と相まって高音質を実現した。MOS classAA初期の機種は「X-Proコンデンサー」だったが、2世代目の機種「MK2」シリーズでは回路に竹を混ぜたタイプの電解コンデンサーを採用。これにより従来のX-Proコンデンサーより音の濁りが減り更なる高音質を実現した。「SU-C1010」及び「SE-A1010」の更新版(Ver 3.0及びVer 4.0)及び「SU-A808/A707」(テクニクスブランドのアンプとしては最終モデル)では竹の素材を更に進化させた「TAKE II電解コンデンサー」を採用。現在はこの考え方がパナソニックブランドの地上・BS・110度CSデジタルTV「VIERA」2008年以降モデルに継承。「バンブーコーンスピーカー」として、ビエラ本体内蔵スピーカー振動板に天然の竹繊維を採用。これにより音の立ち上がりに優れ、高域も伸びる鮮明なボーカル・セリフ再生を可能にすると同時に省資源化を実現。テクニクス及びパナソニックブランドの高級CDプレーヤー・DVDプレーヤー・アンプ・ビデオデッキの一部に採用されていた「音の濁りの原因となる電流・電圧の歪みを除去する回路」の事。これによりアナログ音声でもCD並みの高音質を実現。なお一部の高級プリアンプ(セパレートアンプのうちオーディオ機器を接続する部分)では専用充電式電池を当回路の動力源としていた。元々はDCC(デジタルコンパクトカセット)用のヘッドとして開発された。従来の電磁誘導の法則を用いた再生ヘッドとは異なり、テープ上の磁気の強弱を周波数特性を持たずに出力信号として取り出すことができるため、理論上直流から再生が可能で従来必須だった低域上昇型イコライザーが不要。また構造上コンター効果が発生しないなど磁気テープの再生ヘッドとして優れた特性を持っていた。「RS-AZ7」はこのヘッドを再生ヘッドに採用した世界で唯一のアナログカセットデッキであり、テクニクスブランド最後の3ヘッドカセットデッキである。
出典:wikipedia
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