峰 不二子(みね ふじこ)は、モンキー・パンチの漫画作品およびそれを原作とするアニメ『ルパン三世』シリーズに登場する架空の人物。ルパン三世一味の紅一点。ある時はルパンの敵であり、味方であり、時には恋人である(敵として登場することが多い)。原作では一貫した人物設定はなく、話により異なった謎の人物として登場する。例えば第11話では古い知人、第19話では部下の1人、第20話では婦人秘密捜査官、第30話では探偵社の社長、第64話ではルパンの入学した東西京北大学の先輩(銭形警部も同大学に在籍で、その女)、第66話では同じ大学の同じ学部の同級生、第69話では敵対組織ネズミ一族の1人、第75話では不私刑(フリンチ)の部下、という具合で、知り合い・仲間ということもあれば初対面の赤の他人ということもある。第11話では医者の父親を、第24話では科学者の兄をルパンによって殺されている。初回登場は原作第3話「死んでゆくブルース」であり、ルパンと共謀して罪を犯す。『ルパン三世・新冒険』よりルパンの仲間として人物が固定される。固定後の不二子は、むしろルパンに冷遇されることが多い。男爵との勝負では次元大介、石川五ェ門の救出を優先して不二子を男爵に譲ったり、不二子をクビにして別の従順な女性をメンバーにしようとしたこともあった(この時は、次元も五ェ門も不二子の擁護に回った)。「ボディ・スチール」では、アニメでは最終的に老人の脳と交換されるのは銭形だったが、原作では不二子である。逆に次元や五ェ門らから疎まれることはほとんどなく、「キャ!!デラックス」で五ェ門に小悪魔と評された以外は悪く言われたことはない。髪の色はシリーズ通じて一定ではなく、金髪の時もあれば黒髪の時もある。名前の由来は、作者モンキー・パンチは名前を考えていた時、目の前にあった富士山のポスターと、自分の吸っていたたばこ「峰」を合わせたと、『トゥナイト2』のインタビューで語っている(『トリビアの泉』では「富士山の峰」が由来と紹介)。不二子のイメージ・モデルとなった人物は、『007』のボンドガールや小説『三銃士』に登場する女スパイのミレディーである。しかしこれは原作者自身も、後から気づいたそうである。2011年8月4日放送のNHK『あさイチ』では、故郷浜中町に今も在住する女性の、持っていた雰囲気をイメージしたと答えた。誰もが見とれるグラマーな美女だが、性格は外見に反して自分の欲望に忠実な悪女で、目的のためならためらいなく他人を裏切る。TVシリーズでは、ルパンが苦労して手に入れた宝を、そのあとルパンの隙を突いて宝を奪い去るシーンも多いが、逆にそのあと不二子に災いが振りかかったり、不二子は宝を入手できずに終わったことも多い。ルパン一味では五ェ門と同じように単独行動または別行動することが多く、劇場版もしくはテレビスペシャルでは途中でルパンと合流しているケースが多い。また、ときどき政府機関や各国政財界の大物から特別な依頼を受けることがある。『TV第2シリーズ』第32話「ルパンは二度死ぬ」の冒頭では、婦人警官の姿で銭形とともにパトカーに乗って登場し、ルパンが狼狽している。話によっては宝石や金品が目当てで、ゲストキャラクターと手を組み、ルパン一味を一時的にせよ敵にまわすこともしばしばである(その一方で『TV第2シリーズ』第56話「花吹雪 謎の五人衆 後篇」の冒頭で、白浪五人衆に五ェ門が籠絡された際には「五ェ門が裏切った」と批判している)。もっともルパン一味も不二子の裏切りを前提にして作戦を立てていることがほとんどであり、終盤不二子が金品宝石を手にできず、痛い目にあう描写がよく見られる。ただし、物欲や所有欲こそ旺盛であるが権力欲や出世欲は一切なく、『TV第2シリーズ』 第63話「罠には罠を!」では、ホワイトハウスを指して「あの中には、私の欲しい物は何もないわ」と切り捨てている。初めてアニメ化された1971年のルパン三世 (TV第1シリーズ)ではエンディングアニメーションや本編でオートバイにツナギで疾走しているが、監督を務めた大隅正秋によると、この不二子像は1968年に公開された映画『あの胸にもういちど』でマリアンヌ・フェイスフルが演じたレベッカ役をモデルにしたのだという。変装についてはカツラや眼鏡など簡単なもので済ませており、(国際指名手配犯でありながら)上述の依頼時も素顔・本名で接することがほとんどである。しかし、変装技術に関してはルパンに匹敵するほどの能力を持っており、『TV第1シリーズ』第9話「殺し屋はブルースを歌う」ではルパン、『新ルパン三世』第1話「ルパン一家勢ぞろい」では次元、『2015年テレビシリーズ』では男女問わず完璧に変装している。愛用の拳銃はFN ブローニングM1910や、レミントン・デリンジャー。後者は『TV第2シリーズ』OP4期で、口紅を銃弾にして撃つシーンがある。ただし不二子は意外に銃器を使わずまた特定の銃器にも執着せず、愛用というほど活躍するシーンはない。拳銃以外ではサブマシンガンを好んで使用する。TVスペシャル『ワルサーP38』ではシグ P230を使用していた。愛用のたばこはモア・メンソール。ただし、ヘビースモーカーのルパンや次元と違い、不二子がたばこを吸う光景は、全作を通してほとんど存在しない。愛用の香水は「シャネルの5番」であるが、これも実際に使用しているシーンはほとんどない。またその他の車や服飾品や所持品も、愛用云々以前に常用しているもの自体がほとんどない。メカについては自ら「男の次に得意」と語るほどの技能を備えており、身の丈以上の大きさをした銃火器類は勿論のこと、フォーミュラカーや戦闘機まで軽々と扱い、戦術知識についてはルパンファミリー他の3人に勝るとも劣らない。大型バイクを操るシーンも多く、主にハーレーダビッドソンを愛用している。格闘能力についても非常に高く、『カリオストロの城』以降の作品では兵士やSPを投げ飛ばすという描写が数多く見られる。映画『DEAD OR ALIVE』では、不二子が武術の達人という設定となり、自分よりはるかに大柄で筋肉質の女性を投げ飛ばす描写や、徒手空拳で敵集団と大立ち回りを演じるシーンもある。アニメの不二子は、話によっては男性ゲストキャラクターと結婚直前もしくは結婚式を挙げることがある。その場合、相手は必ず大金持ちであるか、貴族階級の二枚目である。全ての結婚・婚約は、結局履行にまで至っていない。アニメではルパン三世との最初の出会い場所はギリシャのパルテノン神殿という設定にされている作品もある。基本的に狙っているものは、お金や宝石、高額のお金に換金できそうなもの全般である。しかし、自らの美貌がやがて失われる可能性を恐れて、不老不死になることも求めており、金以上の執着心を見せ、形振り構わない行動に出ることも多い。テレビ第2シリーズの52話では、ルパンに不老不死の秘薬を作成するための教典を盗ませようとするも、教典はすでに灰化していたために失敗した上に、自身と同じく男を惑わす悪女であるエマニエルと私闘を演じている。『ルパン三世 PARTIII』の11話では、ドラキュラの涙という宝石を使って不老不死の薬を得ようとしたが、ルパンがそれの入ったグラスを叩き落としたために失敗し、腹いせにルパンを殴り飛ばしている。劇場版『VS複製人間』ではマモーと結託し、ルパンたちを徹底的に陥れてまで自ら不老不死になろうとしたが、クローン技術を使った見せ掛けに過ぎなかったために、その願いは叶わなかった。コラボレーション作品である『ルパン三世VS名探偵コナン』では、江戸川コナンや灰原哀が幼児化した薬であるAPTX4869に目を付けている。劇場版では哀と取引を持ち込もうとするも、彼女からはかなりの失望を買ってしまっている。その後、コナンを助けるのを条件で哀に協力させようとしていたが、結局は約束を反故にされている。不二子の先祖や子孫が登場する作品もある。TVスペシャル『霧のエリューシヴ』では、500年前の先祖として盗賊の「お不三」が登場している。気の強さや、お宝への執着心などが不二子と共通しており、これらの気質は子孫に色濃く受け継がれているようである。担当声優は関根麻里。また、2883年(2007年から876年後)の子孫はショートヘアで、裏切り癖の血筋が引き継がれているようであった。声優は日本テレビアナウンサー(当時)の西尾由佳理。ルパンファミリーの中では一番作画に変化が見られるキャラクターで、各作品ごとに毛髪の色・長さ・目つきが異なる。『ルパン三世』公式の携帯サイトでは、オリジナルの待ち受け画面として街中で『TV第1シリーズ』と『TV第2シリーズ』の不二子がすれ違うシーンが登場したことがある。作品によってはバストトップが描かれたこともある。長年不二子を演じてきた増山江威子のインタビューによると、不二子のファンは女性が圧倒的に多いとのこと。増山自身も「不二子は理想の女性像である」と語っている。雑誌『ルパン三世officialマガジン』にて連載されていた鈴木イゾ作画の漫画『M.F.C.』にて、主人公山田幸子が勤務する事になる泥棒会社「M.F.C.」を経営し、社長を務めている。ただし、社員たちへの盗みの命令は、どれも不二子の個人的私怨に関わっている内容ばかりであり、さらには守銭奴の不二子が社長のために、少ない経費で仕事のやりくりをせねばならなくなっている。それ故に、課長とは毎回壮絶な喧嘩をしているようで、社員たちの苦労が耐えない。スピンオフ作品『ルパン小僧』ではルパン三世との間に子供(ルパン小僧)を儲けている。ただし、原作にゲスト出演したルパン小僧本人は、本編中の不二子に対して、「あんたは偽者で、俺の母親が本物の峰不二子だ」と言っている。
出典:wikipedia
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