キングスロードは、日本のプロレス団体。2005年10月、全日本プロレス役員であった青木謙治と高橋英樹が全日本を退団。その後、「ジャイアント馬場さんの作った王道プロレスが現在の全日本には無い。我々は王道プロレスを目指したい」と11月にかつて全日本本社があった六本木に事務所を構えて当時の電話番号を買い取った。11月、全日本を退団した宮本和志が移籍して所属選手第1号となった。2006年1月15日、後楽園ホールで旗揚げ戦を開催。リングのマットは1980年代の全日本を意識したような青と赤のツートンカラーとなっており（青木は「たまたま」と主張）、会場にもかつての全日本ファンであろう中年男性を中心に多くの観客が入ったがメインイベントとなった宮本と天龍源一郎の試合以外は王道プロレスと言える試合は無くターザン後藤やケンドー・カシンらによる場外乱闘を中心とした試合もあり会場からは「どこに王道があるんだ!」と厳しい野次も飛んだ。宮本は「3年後の日本武道館大会を目指す」と公言しているが業界内外からも批判が多い。宮本がプロレス誌のインタビューで「武道館開催はいつでも可能」と述べ、その後、自身のブログにおいて「使用料を払うだけならの意だった」と軽はずみな発言を控えると反省の意志を見せた（武道館は会場クラスの割に使用料は割安であるものの業界でも1、2を争うと言われるほど審査が厳しい会場として知られている）。しかし、この見解を述べる前には大森隆男がかつて結成していたタッグチーム「NO FEAR」を自分と組んで復活させろとの要求を出していた。また旗揚げ第2戦に天龍が不参加となった際に「相応しい対戦相手が用意できなかったため」と同日に参戦する選手には相応しい者がいないと取れる発言もしている。宮本はエースとしての責任感からか舌禍となってしまう発言を繰り返している。その大森も旗揚げ戦でのインタビューにて「3年後なんて悠長なことは言ってられない。3年間待ってくれるファンやマスコミなんていない」と厳しく叱責して、看板としている王道プロレスに関しても「自分自身が馬場さん率いる全日本にいて、王道とは何かが分からなかったのに、今までバラバラでやってきた奴らが王道とは何かの答えなど見つかるはずもない」と手厳しい。また天龍からも「王道とは形の無いもの。王道と言う言葉でファンの方を刺激するのはやめて、精進してほしい」とメッセージを送られた。2月28日、後楽園ホールで第2戦を開催。長井満也、石狩太一、ジョージ・ハインズやなど全日本プロレスに出場経験のある選手や後藤達俊、ミスター雁之助、リッキー・フジらも参戦したが観客動員数は公式発表で950人と半減した。試合後宮本は「俺が王道だー」と空気を読まずアピールしたものの会場からは冷ややかな対応しか無かった。さらに後藤と長井からも酷評を受け第1回以上の失敗となった。4月9日、後楽園ホールで第3戦を開催。プロレスリング・ノアの仲田龍に協力を申し入れて、三沢光晴、丸藤正道、菊地毅、志賀賢太郎の4選手が出場。試合後、次回大会以降は「BATTLE LEAGUE」というイベントとして開催されることが発表され、会場も新宿FACE、北沢タウンホールと縮小、プロレスリングZERO1-MAXの主要選手との抗争ストーリーの展開が団体の中心軸となっていたが7月1日北沢大会で青木社長が活動停止を宣言してキングスロードは通算5回の興行で幕を下ろすこととなった。所属選手はZERO1-MAXに移籍やフリーの道へ、フロントはZERO1-MAXを運営するファースト・オン・ステージへ吸収されていった。業界外からの批判の多くは「ジャイアント馬場の王道プロレス復活」を信念に掲げているキングスロードの立ち上げの中心人物たちが所属選手、フロントともにジャイアント馬場の死後に全日本プロレスに入社しており、馬場と直接協働した経験がないことを根拠としている。フロントの青木謙治は武藤敬司と共に新日本プロレスから移籍していて、高橋英樹も最初に関わったのこそ全日本だが、すぐにジャパン女子プロレスに移籍して、その後、邪道プロレスで隆盛を誇ったFMW→JPWA→ディファ有明→2001年再び全日本と各団体や関係先を渡り歩いた人物である。所属選手の宮本和志にしても馬場が社長時代の全日本に在籍しておらず三沢光晴の社長時代に練習生として参加しているものの練習の辛さから合宿を逃げ出している。また本人は旗揚げ前の週刊プロレスのインタビューで「馬場さんのプロレスは馬場さんにしか出来ないと思うから、ボクは四天王プロレスを目指す」と話しているが馬場が現役時代行っていたプロレスと王道プロレスは全くの別物であり（四天王プロレスと王道プロレスはほぼ同意語である）理解出来ずにいた。キングスロードは2006年2月28日の第2戦を前に公式サイトで「キングスロードという事務所（団体という表現は使わず）は、実力はあるが活動機会の少ない選手に試合リングを提供するために立ち上げたものである。王道プロレスは馬場であるからこそ言える言葉であり王道プロレスという言葉の濫用は控えたい。我々の様な段階で使ってはならないと考えている」という声明を発表。しかし、この声明は団体名や当初発表された旗揚理念（馬場が築いた信頼と王道プロレスに近づくべく旗揚げした）との整合性を欠いていることが指摘された。キングスロードの活動停止に際して旗揚げ戦にも参戦した天龍は「しょっぱかったからねぇ。キングスロードなんて大きな名前をつけて自分は首脳に「こんな名前付けて大丈夫なのか?」と聞いたが「大丈夫です」と言われた。宮本も周りは被害者だとか不幸だとか言うかもしれないけれど貰ったチャンスを自分で手放しただけ。まぁ歯痒いですよ」と語った。

出典:wikipedia