『クロス探偵物語~もつれた7つのラビリンス~』(クロスたんていものがたり - もつれたななつのらびりんす)は、ワークジャムが開発し、デジタル・トウキョー、プランプランから発売されたセガサターン用ゲームソフト。後にプレイステーション用ゲームソフト『クロス探偵物語』として再発売され、その際に副題は削除された。本作はセガサターン用の本格推理アドベンチャーゲームとして、ワークジャムが1998年6月25日に発売した。後の1999年8月1日にプレイステーションに移植され、2000年9月28日にはプレイステーション用の廉価版が前後編の単体売りで発売されている。企画、脚本、監督を神長豊、キャラクターデザインとグラフィック監修を玉置一平が務めた。主題歌はピチカート・ファイヴの「大都会交響楽」。マッハシークと呼ばれる独自の高速データ読み込み技術を使用しており、データロードの時間が短縮されているのが特徴。これによりゲーム中の読み込み時間は皆無に等しい。劇中、第4話だけはゲーム要素の無いサウンドノベル仕立てになっている。作品自体の評価は高かったが、伏線が未消化のまま終了することについて不満を持たれた。続編は発表されながらも発売されていない。セガサターン版とプレイステーション版で以下の相違点がある。後発のプレイステーション版では数々の追加要素が加わっている。作画監督の玉置一平曰く、セガサターン版の方が画像は綺麗だが、「目指した完成形」はプレイステーション版の方であるという。一本の作品から前後編へと分離した。黒須剣は、母親を早くに亡くし父親と2人暮らしをしていたが、その父も小学生の時に交通事故で帰らぬ人となっていた。数年後、高校を卒業した剣は亡き父の墓参りに訪れた際、美樹夏子と名乗る一人の女性に出会う。そして、そこで彼女の口から父親の死は、交通事故のように見せかけた殺人であったと示唆される。実は剣自身も父に残された保険金が2億と大金であったことから、密かに父の死に疑問を抱いていた。剣は父の死の謎を抱えつつも、父の正義を守る意思を継いで探偵になる為に、名探偵と噂高い冴木達彦に弟子入りしようと冴木探偵事務所を訪れる。名探偵と名高い冴木達彦に弟子入りしようと冴木探偵事務所を訪れた剣。しかし運悪く所長の冴木が留守中で面会は出来なかった。応対した西山友子と軽く言い合いをしているところに、夜中部屋に侵入してきた何者かに襲われそうになったという女子大生がやってくる。剣は、弟子入りを認めてもらう口実ができたと考え、友子の忠告も聞かず一人で事件を引き受けてしまう。とあるマンションの密室で一人暮らしの男性の首吊り死体が発見された。室内には争った形跡が無く、盗まれたものが無かった状況から警察は自殺と断定したが、被害者の母親は「息子は絶対に自殺をするような子じゃない。誰かに殺されたのだ」と強く主張し、藁をも掴む思いで冴木探偵事務所を訪れる。「事件の真相を突き止めて欲しい」という依頼者の必至の願いに何かを感じた剣は、調査を開始する。名門女子校・エリス女学館に勤める教師が短い期間に立て続けに癌に犯され死亡した。当初は偶然病死のタイミングが重なっただけと思われたのだが、厳しすぎる校則の撤廃とそれが叶わぬ場合の次なる犠牲者を示唆する脅迫状が、校内掲示板に貼り出される事件が起こる。その文面に校則違反の罰が原因で自殺した女生徒の呪いと噂する生徒達の動揺と、名門の名に傷が付くことを怖れた女学長が、冴木探偵事務所へ秘密裏に事件解決することを求めて依頼に訪れた。しかしその女学長と過去に一悶着あったらしい冴木は、逃げるように担当を剣に指名し依頼解決を一任する。現場が男子禁制ということで、剣は、中途採用の事務員としてエリス女学館に潜入し調査を開始。その過程で名門校に巣くう腐敗と閉鎖的な実体を知ることになるが、さまざまな制約を付けられている為に肝心の事件の調査がなかなか進展しない。そしてその間にも第2、第3の事件は発生し、掲示板に再び脅迫状が張り出される。剣が冴木探偵事務所に入りたての頃のある雨の夕方、冴木が不在中に「恋人が宇宙人がどうか調べて欲しい」と依頼してきた男がいた。いぶかしむ友子を尻目に彼は静かに語り出す。友子から姉・美麗がCM撮影のロケをしていると聞きつけ、夏休み替わりの羽伸ばしを兼ねて美麗のロケ地・南伊豆の「ゆきが浜」にやってきた剣たち。宿泊先であるまゆなの祖父で著名な推理作家・高梨呂秋の別荘で豪華な夕食をご馳走になった後、友子と共に軽い気持ちで見晴らしの良い断崖絶壁にあるという美麗の宿泊先のホテルに訪れる剣。しかし、そこで宿泊中のCMスタッフのカメラマンとメイクの2名が無残な刺殺死体で発見される。剣はすぐさま警察に連絡しようとするが、携帯電話は圏外、固定電話は何者かによって電話線が切られていて外部との連絡手段が途絶えてしまう。助けを呼びに行こうにも外は人気の無い暗闇で、剣達が乗ってきた車も何時の間にかパンクさせられていた。まさか犯人が外に?正体がまるで判らない以上無闇に外をうろつくのは危険が伴う。已む無く剣は、宿泊客や従業員たちと協力して建物内を回り慎重に調査を進めるが、それをあざ笑うかのように次々と犠牲者が増えていく。満月の日はツイてない…そのジンクスを固く信じ絶望感に苛まれる男の代わりに、ビルの最上階にある忘れものを取りに行くことにした剣。彼は制限時間以内にセキュリティだらけのハイテクビルの中を最上階までたどり着き、男の願いを叶える事が出来るのか。剣の住むアパートの隣人宛に届いた辛子明太子をタダで貰う事になった剣は、日頃世話になっているお礼にと「辛子明太子が好物」という冴木にプレゼントする。その後、剣は所用を済ませる為に外出するが、戻った後の事務所には誰も居ない。そこに事務所の電話が鳴る。それは冴木が緊急入院したという連絡だった。急ぎ病院に向かった剣は、担当の医師から辛子明太子に砒素が混入されていたことを聞かされる。まさか自分が狙われた?「プレゼントは受け取ったか?」とだけ書かれた入った置手紙が事務所のドアに挟まれていたことを剣の口から聞いた冴木の顔色が変わる。冴木はある犯罪組織の存在を剣達に話し「これ以上組織に関わってはいけない」と強く忠告する。一旦は承諾し帰宅した剣の元に、またも組織からの置手紙が届けられる。そこには「鹿鳴館に招待するので興味と勇気があるなら来い。来なければ冴木達彦同様に“負け犬”として一生を生きることになる」と書かれていた。剣は事件解決と父の死に繋がる真相を求めて、謎の組織の秘密に迫るべく指定された場所である山奥にヒッソリと建つ鹿鳴館に向かう。途中、マークと名乗る謎の外国人青年と合流した剣が鹿鳴館に到着すると、そこには世話役のメイドである沢田以下、彼らの他に数人の招待客が居た。そしてその中には、かつて父・信介の墓前で出会った美樹夏子の姿もあった。上記の通り伏線が未消化のまま終了したことで、ユーザーからは続編が期待されていた。だが本作の売上は苦戦し、続編の話は何度もなされるが実現はしなかった。2000年に発売された本作のプレイステーション版の廉価版に収録された予告ムービーによれば、第八話「デザイヤー」、第九話「千絵里改造計画」、第十話「監獄島」、第十一話「大鳥島ミステリーツアー」、とストーリーが展開されていく予定だった。2002年7月に『探偵 神宮寺三郎 Innocent Black』の発表会が行われた際、「今後は『神宮寺三郎』と『クロス』を2本柱としてゲーム制作に注力する」とされた。『神宮寺三郎』はコンスタントに発表されたが『クロス』は放置状態となり、2008年2月にはワークジャム公式サイトから『クロス』のコンテンツが削除された。
出典:wikipedia
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