想いは果てなく〜母なるイングランド(おもいははてなく〜ははなるいんぐらんど, 原題: Somewhere In England)は、1981年6月1日に発表されたジョージ・ハリスンのアルバム。日本国内では同年6月25日にワーナー・パイオニアからリリースされた。エルトン・ジョンやエリック・クラプトンなどのバッキングを務めているパーカッショニストのレイ・クーパーを共同プロデューサーに迎えて制作され、1981年に発表されたオリジナル・アルバムである。当初の発売予定は1980年11月2日であり、アルバム・ジャケットや収録曲などは既に決まっていたとされるが、ダーク・ホース・レコードの販売元であるワーナー・ブラザーズの社長モー·オースティンから収録曲の一部とジャケットの差し替えを命じられ、リリースが延期された。差し替え前の曲目は後述。1980年の秋に発売されたジョン・レノン&オノ・ヨーコのアルバム『ダブル・ファンタジー』の日本盤初回生産分のLPの帯には既にこのアルバムの宣伝が載っていたことから、この命令がいかに唐突なものであったかを窺い知ることができる。1980年12月8日にニューヨークで精神疾患者にレノンが射殺される衝撃的な事件が起き、再び楽曲制作に取り掛かっていたばかりのハリスンは、リンゴ・スターに提供予定にしていた楽曲の歌詞をレノンに捧げるものへと書き替え、再録音した。こうして出来上がった楽曲には当時ウイングスとして活動していたポール・マッカートニーと妻リンダ、デニー・レインもコーラスで参加し、大きな話題を呼んだ。このレノンへの追悼歌「過ぎ去りし日々」はアルバムからの先行シングルとして発表され、大ヒットとなる全米2位を記録。衝撃的なレノンの訃報がアルバムにもたらした宣伝効果は極めて大きく、このアルバムもイギリスでもチャート上位を記録した。これに対して、ソロ·キャリアの人気の中核となっていたアメリカでは前作『慈愛の輝き』のセールスを下回り、『オール・シングス・マスト・パス』以降のハリスンのソロ・アルバムでは初めてゴールド・ディスク獲得を逃した。突然の差し替え命令によってお蔵入りになった4曲は後年になってシングルのカップリングなどで全て発表された。アメリカの『ビルボード』誌では、最高位第11位、『キャッシュボックス』誌でも、最高位第11位を獲得し、1981年度年間ランキング71位。『ミュージック・ウィーク』誌で最高位13位、日本の『オリジナル・コンフィデンス』誌で31位を記録し、日本盤LPの推定累計セールスは約2万枚といわれている。「ブラッド・フロム・ア・クローン」はワーナーの要請によって新たに書き下ろされた4曲のナンバーのうちのひとつ。皮肉のこもった歌詞から当時のハリスンのレコード会社に対する憤りの大きさが窺い知ることができる。続く「空白地帯」も同じように、当時のミュージック・シーンに辟易していた作者の心情があからさまに歌詞に表れている。「過ぎ去りし日々」は、もともとは1981年のスターのアルバム『バラの香りを』に収録予定の作品であったが、レノンへの追悼歌として発表するにあたり新たに歌詞を書き直し、各国のチャートでヒットを記録した。良くも悪くもアルバムの中で最も目立つ楽曲である。書き直された歌詞に登場する「Devil's best friend」とはレノンを撃ち殺した犯人のマーク・デヴィッド・チャップマンを指していると言われている。「バルチモア・オリオール」と「ホンコン・ブルース」は、ハリスンが幼少の頃から慣れ親しんできたアメリカの作曲家であり、代表曲に「スターダスト」や「ジョージア・オン・マイ・マインド」などがあるホーギー・カーマイケルの楽曲のカバーである。後者は細野晴臣がアルバム『泰安洋行』の中でカヴァーしたことで日本では知られている。B面の1曲目「ティアードロップス」はアルバムからの第2弾シングル・カット曲となったが、「過ぎ去りし日々」のようにシングルとして成功を収めることはできなかった。「ザット・ホウィッチ・アイ・ハヴ・ロスト」はインドの宗教書『バガヴァッド・ギーター』に触発されて書かれた作品だが、そういった経緯とは裏腹にハリスンお得意のカントリー・タッチの曲調となっている。アルバムの最後に収録された「世界を救え」は、森林伐採や捕鯨等の環境問題について率直に歌われたメッセージ・ソング的な要素の強い作品であり、間奏にはハリスンのファースト・アルバム『不思議の壁』に収録の「クライング」の音が使われている。この曲で過去の自分の作品をサンプリングしたことについて、彼は後年のインタビューの中で「皆の痛いところを突いて、ああ、やってられないなという感じを曲全体に出したかった」と述べている。1985年にグリーンピースが企画して発表されたチャリティ・アルバム『Greenpeace~われらグリーンピース』には、この曲の歌詞を一部書き換えて再録音したリミックス・バージョンが収録されている。※2004年にEMI/ダーク・ホースから再発された際に追加されたボーナス・トラック。※2007年にiTunes Store販売版に追加されたボーナス・トラック。※ワーナー・ブラザーズにジャケット写真とともに差し替えを要求されたオリジナルの曲目。
出典:wikipedia
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