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解離性障害

解離性障害(かいりせいしょうがい、)とは、アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』 (DSM-IV-TR)における精神疾患の分類のひとつである。自分が自分であるという感覚が失われている状態、まるでカプセルの中にいるような感覚で現実感がなかったり、ある時期の記憶が全く無かったり、いつの間にか自分の知らない場所にいるなどが日常的に起こり、生活面での様々な支障をきたしている状態をさす。その中でもっとも重いものが解離性同一性障害である。DSMと並ぶ国際的診断基準、世界保健機関 (WHO) のICD-10において、解離性障害に該当するものは「解離性(転換性)障害」であるが、名称にも現れているように、その範囲は異なる。「解離」には誰にでもある正常な範囲から、治療が必要な障害とみなされる段階までがある。不幸に見舞われた人が目眩を起こし気を失ったりするがこれは正常な範囲での「解離」である。更に大きな精神的苦痛で、かつ子供のように心の耐性が低いとき、限界を超える苦痛や感情を体外離脱体験や記憶喪失という形で切り離し、自分の心を守ろうとするが、それも人間の防衛本能であり日常的ではないが障害ではない。障害となるのは次のような段階である。状況が慢性的であるが故にその状態が恒常化し、子供の内か、思春期か、あるいは成人してから、何かのきっかけで自己統制権を失い、別の形の苦痛を生じたり、社会生活上の支障まできたす。これが解離性障害である。解離性同一性障害(以下DIDと略)はその中でもっとも重いものであり、切り離した自分の感情や記憶が裏で成長し、あたかもそれ自身がひとつの人格のようになって、一時的、あるいは長期間にわたって表に現れる状態である。生理学的障害ではなく心因性の障害である。心因性の障害の因果関係は外科や内科のように明確に解明されている訳ではなく、時代により人によって見解は統一されていない。治療の方向性はある程度は見えてきてはいるものの最終的には試行錯誤である。むしろ多因性と考え、あるいは一人一人違うと考えた方が実情に即しており、以下もあくまで一般的な理解のまとめに留まる。解離性障害を発症する人のほとんどが幼児期から児童期に強い精神的ストレスを受けているとされる。そのストレス要因として一般にいわれるのは、その比率については、北米を始め、日本でも関心が解離性同一性障害に集中しているため、解離性障害全体は情報が少なく、日本で知られるものは以下の3つの報告だけである。解離性同一性障害と解離性障害の原因を比較できるものは国立精神・神経センター病院からの白川美也子の2009年報告だけであるが、それを見るかぎり両者の間に有意差はない。なお解離性同一性障害を対象とした集計報告は多数あり、解離性同一性障害の統計報告の日米比較を参照されたい。幼児期の生育環境を愛着関係 (attachment) と解離性障害の関係も指摘されている。愛着理論の立場では、統合された自己はその子が成長する過程で獲得されるものであり、その過程が養育状況により頓挫するのが解離、あるいは解離性障害の前提となる脆弱性であるという理解である。リオッタ (Liotti.G.) は、深い悲しみをもつ解離性障害の患者に対して、治療者が共感的理解を提供することで、その治療関係の中で患者の愛着システムが活性化され、安定型(Bタイプ)の愛着を経験しはじめる。また患者は、脱価値化や自他への攻撃ということの背景には他者によって理解されたい、苦しみを癒してほしいという動機が存在していることを理解するようになる。それらによって患者は統合へ向かうとしている。「離人感」等と称されるものは誰しも日常的に感じるもので、解りやすい例は「映画や小説などに集中している時、周囲の呼びかけが聞こえない」等であるが、レベルが深く、かつ慢性的であり、日常生活に支障をきたすような場合に「障害」とされる。解離性障害とも密接な関係にあるが、他の疾患においても「離人感」があらわれる。従って、離人症性障害と認められる条件には他の別の精神疾患、例えば統合失調症、パニック障害、急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害、大うつ病性障害ではない場合である。後述するホームズ (Holmes, E.A.)らは解離性障害を「離隔」と「区画化」の 2つに分けているが、そこでの「離隔」が、この離人症と現実感喪失である。DSM-IV-TR での離人症性障害の定義を要約すると次のようになる。単なる「物忘れ」では説明できないほど、過去の一時期の記憶、或いは全ての生活史の記憶を失っている状態が主な症状である。DSM-IV-TR では解離性健忘 (300.12) と解離性とん走 (300.13) は分かれているが、2010年公表のDSM-5 の改訂案ではまとめて解離性健忘になっている。一般に解離性健忘は過去の一時期の記憶を失っていることが多いが、全生活史についての記憶を失うこともある。また全生活史についての記憶を失ったまま所謂「蒸発」してしまい、全く別の場所で全く別の人間として生活を始めているところを発見されることもある。これが解離性遁走(フーグ)である。その違いは発見された場所の違いである。DSMでの定義では上記の他に以下の2つの条件がある。なお解離性同一性障害では、この解離性健忘が大きな条件になっている。解離性健忘が確認され、かつはっきりと他と区別される別人格も確認されれば解離性同一性障害となり、別人格が治療者の目にはっきりと確認出来なければ、特定不能の解離性障害かこの解離性健忘になる。明確に区別できる複数の人格が同一人に存在し、それらの複数の人格が交代で本人の行動を支配する。解離性健忘を擁している場合が多く、重症になると人格が変わる度に本人の重要な個人情報を日常的に想起することができず、他人格の記憶を想起出来ないがゆえに患者は苦しむ。あるいは他人格は存在するが、それぞれの人格でいる間の記憶の互換性には殆ど支障がなく、他人格同士の変換や並立・対立、内面から他人格の声が聞こえる、他人格の行動の傍観を自覚する等、それらのぶれや制御に悩まされている場合もある。記憶については過去の重要な情報の一部が抜け落ちている者もいる。その情報とは、本人にとっては忘れたい程の辛い過去や、人格が解離するに至った要因がある時期の記憶であるケースが殆どである。臨床例では日常的に記憶喪失が顕著な重症者よりも、後者の同一性の混乱を自覚する中軽症者が数的には多くを占める。中軽症者は日常的な記憶には問題がない為、おかしいとは思いながらも長い間、それが疾患であると気づかなかったという者も少なくはない。他人格には本人の渇望する、自由奔放さや強さ、甘えられる存在を代理する者が主である事が特徴で、その為に幼児や異性の他人格等もよくみうけられる。しかしDSM-IV-TRでは「重要な個人的情報の想起不能」が要件であるので、それを厳密に適用すれば、上記中軽症者の多くは「特定不能の解離性障害」に分類されることになるが 、その治療には差は無い。解離性障害ではあるが、解離性健忘、解離性遁走、離人症性障害、解離性同一性障害などの基準を満たさない症例のための分類である。その中には解離性同一性障害とほとんど変わらないものも含まれる。解離性同一性障害に酷似しているがその診断基準の一部を満たさないものも特定不能の解離性障害となる。治療は解離性同一性障害と同じであり、どこまでを特定不能の解離性障害とし、どこからを解離性同一性障害とみなすかは、実際には治療者により異なる。解離性同一性障害には含めず特定不能の解離性障害とする例として上げられているのは、a) 2つ又はそれ以上の、はっきりと他と区別される人格状態が存在していない。または b) 重要な個人的情報に関する健忘が生じていない。の2点である。b)は、解離性同一性障害の定義の「C. 重要な個人的情報の想起が不能であり、普通の物忘れで説明できないほど強い」との部分を満たしていないというものである。主人格と交代人格が記憶を共有している場合などは「重要な個人的情報の想起が不能」とはならず、よって解離性同一性障害ではないということになる。特定の地域、または文化に固有のもので、同一性(人格)の感覚が消失する、身辺状況の認識の狭小化するなど、意識状態が一過性に変化する。離人症状で苦痛があり、社会機能に障害を起こす。イタコなども解離性トランスの一種とはみなせるが、その国・社会の文化に組み込まれているのなら治療の対象、つまり障害とはならない。曖昧な受け答えや前後の文脈と関係のない的外れな話をしたりする。留置所・刑務所のような閉鎖的環境の中で発症することが多く、「拘禁反応」の一種とみなされている。上記の他、特定不能の解離性障害には現在次ぎのものも含まれているが2項は既に見たようにDSM-5 では離人症性障害に含まれる可能性が強い。柴山雅俊は2012年の著書で、解離性障害のうち解離性同一性障害は約30%、離人症性障害が約10%、解離性健忘・遁走は5%、残りの55%が特定不能の解離性障害に分類されるとするが、集計範囲によってかなり変動する。北米での関心が解離性同一性障害に集中しているため、解離性障害内の各下位障害の比率に関するまとまった統計はなかなか見あたらないが以下の報告がある。なお、解離性同一性障害を「DID」、特定不能の解離性障害を「特定不能」、解離性健忘 「健忘」、離人症性障害は「離人」と記す。それぞれのサンプル数が少ないため比率のばらつきは大きい。また数例の報告をあげたに過ぎず、合計する意味も薄いが、いずれにせよ、解離性障害の「その他」に相当する特定不能の解離性障害が全体の半分以上を占めてしまう。これらに前述の白川美也子の報告、後述するロス(Ross,C.A.) らの論文を重ね合わせて見ても、解離性障害のうち、解離性同一性障害と特定不能の解離性障害が大半を占めていることは見て取れる。特定不能の解離性障害には、解離性同一性障害に似ていながら基準を満たせないものがかなりを占めている。ICD10での解離性(転換性)障害の定義、あるいは主題は「過去の記憶、同一性と直接的感覚、および身体運動のコントロールの間の正常な統合が部分的、あるいは完全に失われていること」としている。ICD10では「ヒステリー」という用語を使用していない。しかしかつてヒステリーと呼ばれた障害は解離性のタイプも転換性のタイプも「解離 (Dissociative) 」という概念でまとめている。DSM-IV-TR ではそれらは身体表現性障害に含め、ICD10にも身体表現性障害 (F45) という区分はある。しかしそちらに含めず「解離」に含めた理由として、ICD10では、解離性のタイプも転換性のタイプの患者も多くの特徴を共有していること、一人の患者がしばしば、同時に、あるいは別の時期にもう一方の症状もあらわすことがあるからとしている。なお、転換性のタイプで、DSM-IV-TR なら身体表現性障害の中の転換性障害に含まれるものは、解離性運動障害 (F44.4)、解離性けいれん (F44.5)、解離性知覚麻痺および感覚脱失 (F44.4) である。その一方で離人症状と現実感喪失はICD10では含まれない。その理由としては、人格的同一性の限られた側面しか通常は障害されず、感覚、記憶、運動の遂行に関する損失はないからとする。解離性同一性障害は多重人格障害との名称で「F448 その他の解離性(転換性)障害」の下に位置づけられ、多少懐疑的なコメントが付されている。以下にICD10の解離性(転換性)障害の範囲を記す。スタインバーグ (Steinberg.M ) は、解離性障害の診断と評価には、「健忘」、「離人 (depersonalization)」、「疎隔(現実感喪失 derealization )」、「同一性混乱」、「同一性変容」の 5つの中核症状が重要であるとし、特に健忘を解離性障害の基本として重視している。離人とは自己からの離隔の感覚である。一方「疎隔」とは対象・世界に対する現実感が無くなり、曇ったガラスを通して見ているような感覚である。「健忘」、「離人」、「疎隔(現実感喪失)」は、自分の記憶が一貫せず、自分の体が自分のものだと感じられなくて、自分が自分であるという感覚、つまり自己同一性が不確実になる。「同一性混乱」は「自我同一性や自己意識に関する不確実、困惑、葛藤などの感覚」。「同一性変容」を「他人から、行動パターンの変化によって気づかれるような患者の社会的役割の変化」としている。具体的には別の名前を名乗ったり、出来なかったはずの楽器を演奏したり、買った覚えの無いものを自分の部屋で見つけるなどである。これは解離性同一性障害を疑う一番大きなエピソードである。スタインバーグ (Steinberg.M ) はこの5軸から後述する構造化面接 SCID-D を作成した。この評価を各解離性障害に当てはめると、解離性健忘障害は「健忘」が重症で他は軽症、「同一性混乱」はほとんど無し。 解離性遁走障害は「健忘」が重症、「離人症」「現実感喪失」は軽症で「同一性変容」「同一性混乱」は重症より若干下がる程度。 解離性同一性障害は全体に重症だが「健忘」「離人症」「現実感喪失」が若干低め。 特定不能の解離性障害は解離性同一性障害よりも若干下がるが中等症よりは上というようなプロフィールになる。ホームズ (Holmes, E.A.)らは、2005年に、解離の症候を大きく「離隔 (detachment)」と「区画化 (compartmentalization)」に整理し、「離隔」は意識変容であるとした。離隔 (detachment) は、感覚の麻痺、疎隔症状(現実感喪失)、離人症状、体外離脱体験、自己像視などを含む。区画化 (compartmentalization) は転換症状、睡眠現象、トランス状態、健忘、交代人格、偽幻覚である。ホームズ (Holmes, E.A.) らは「離隔」と「区画化」に分類される症状が一人の患者に表れることは、ASD 、PTSD の場合を除いてそれほど多くはなく、相互に関係は認められるものの独立した病態であるとするが、これには異論も出ている。柴山雅俊は「空間的変容」と「時間的変容」という概念から解離を捉えようとしている。空間的変容と時間的変容はいわば縦軸と横軸である。そのどちらかがあまり表面に現れないと、ホームズ (Holmes, E.A.) らの云うように離隔 (detachment) と区画化 (compartmentalization) といった独立した病態のようにも解釈されうるが、しかし柴山はホームズ (Holmes, E.A.) らとは異なり、この2つは多くの症例で複合的に現れるとしている。そして両者に共通するものに「もうろう状態」をあげる。柴山のもう一対のキーワードは「存在者としての私」と「眼差しとしてのわたし」である。乱暴に言えば、外からは解らない解離の始まりと考えると全体の関係が解りやすくなる。意識が「眼差しとしての私」、つまり「見ているわたし」にあるときは「離隔」ともいえるが、意識が「存在者としての私」「見られている私」にあるとき、「見ているわたし」を感じて「気配過敏症状」となる。そして柴山は、正常な解離から解離性健忘、解離性遁走、特定不能の解離性障害、解離性同一性障害という連続体、スペクトラムとしてとらえるのではなしに、中核に特定不能の解離性障害をおき、解離性健忘、遁走、交代人格といったものはむしろ特殊な例としてその周辺にあらわれるととらえている。診断基準に含まれない解離理論としてバン・デア・ハート (Hart,V.D.) らの構造的解離理論があり、日本では2009年頃から専門誌や学会などで紹介されており、2011年11月にその上巻が国内でも翻訳出版された。構造的解離理論は、DSM-IV-TR のいう解離性障害より広い範囲、外傷性精神障害全体を解離を軸に捉えなおそうというものであり、単純型PTSDや境界性パーソナリティ障害までも範囲に含めている。構造的解離理論では「人格」「交代人格」を「ANP」と「EP」に分けている。構造的解離 (structural dissociation) は ANP と EP の組み合わせにより3つに分類される。そこでは解離の概念を外傷性精神障害全般に拡げられている。通常、人間は「今私が此処にいる」「私が感じる」「私の体験」という風に、「今」「私」という軸を持っている。しかし慢性的な外傷体験などによって心的エネルギー (mental energy) が損なわれると「今」「私」という軸が希薄になり、「誰の体験」「今がいつか」という「個人化 (personification)」と「現在化 (presentification)」が十分になされず、逆に「私」がそれぞれの「体験」に分割されてしまう。そして衝動性が増す。同時に条件づけられた恐怖症 (phobia) を持つ。衝動性と恐怖症から不適応な代替行為・代償行動 (substitute action) を行い、これが情動の暴発やフラッシュバック、過食症や自傷行為などとなる。治療前のアセスメントは次の3段階からなる。第1段階は標準的な臨床アセスメントで、一般的な精神医学的評価。第2段階は心的外傷に関連した症状と障害のアセスメント。第3段階は人格構造と人格機能、そして現病歴の系統的分析。治療の3段階は次のように考える。構造的解離理論はあくまで心的外傷を軸に組み立てられているが、心的外傷、あるいは心的内容そのものに対決するというより、心的エネルギー、つまり心の適応能力を高めてゆく、改善していくことの方を重視する。そしてこのアプローチは、外傷性精神障害に止まらず、不安定な家庭環境や、感覚過敏つまり外的刺激に対する脆弱性から慢性的に、かつ結果的に心的外傷と同じような傷を受けていると見られる一群に対しても有効性が期待されている。臨床の現場で常時用いられている訳ではないが、解離には複数のスクリーニングテストがある。DES-T、DDISやSCID-Dなどの構造化面接、診断面接の順に要する時間が長くなり信頼性も増す。なおここでスクリーニングするものは正常な範囲の解離ではなく、解離性障害のスクリーニングである。ただしスクリーニングテストで診断が行われる訳ではない。診断はあくまで医師の診断であり、他の疾患に分類されることもある。特にDDISやSCID-Dなどの構造化面接は、精神科入院患者、外来患者などへの解離性障害有症率調査で主に使用されるツールである。1996年にニルス・ウォーラー (Waller,N.G.) とDESの開発者パトナム (Putnam,F.W.) が前述の通りDESの28項目から、病的な解離性障害に関わる 3,5,7,8,12,13,22,27 の8項目に絞ったものである。その内容は岡野憲一郎の著書、およびパトナム (Putnam,F.W.) の著書にある。ウォーラーがTaxon(類型学的モデル )の方がよく当てはまると、連続体モデルのDESに疑念を表明したのは1995年であり、それがパトナム (Putnam,F.W.) の病理理解が発達論(離散的行動モデル )に傾いた契機となった。「T」はTaxonの頭文字である。Taxonとは類計学的モデルのことでこれは単なるDESの簡易版ではない。DESは正常範囲の解離現象から精神病的な解離現象まで連続しているという立場である。それに対しDES-Tは、正常な解離と病的解離は連続的ではなくその二つの類型が存在する、従って正常範囲の解離度と精神病的な解離度の平均をとってもあまり意味はないという立場である。初期のバージョンではDES同様に0%から100%までの11段階で答えてもらい平均を出すものだったが、ウォーラー (Waller,N.G.) とロス(Ross,C.A.)らの1997年の論文で発表されたバージョンアップ版は、単純平均ではなく、ロス (Ross,C.A.) が集めたDESの得点パターンから、統計的にボトムアップして判定を求めるものである。それぞれの項目に閾値を設定しておき、どの項目で閾値を超えたか、それは何項目か、などにより解離性障害の推定確率を統計ソフトのSASやExcelで計算する。田辺肇「病的解離性のDES-Taxon簡易判定法」では、例えばDESの5番目の「買った覚えがない新しい持ち物がある」という質問の閾値60%を超える回答があって、他の項目では閾値を超えていなかったなら解離性障害の推定確率は約11%。DESの5番目の他もう1項目で閾値を超えていれば推定確率85%以上。どれであれ3項目以上で閾値を超えていれば推定確率99%以上というような求めかたをする。従って初期のバージョンでの8項目単平均よりは統計的な信頼性は高い。DDIS(Dissociative Disorders Interview Schedule:解離性障害インタビュースケジュール)ロス(Ross,C.A.) が作成した132項目のインタビューフォームで、多くはDSM基準を言い換えた質問からなる。頭痛などの身体的訴えの有無、薬物依存、精神科の治療歴、うつ症状、シュナイダーの1級症状、夢遊歩行やトランス体験、児童虐待体験、解離性同一性障害特有の症状、超自然体験等、解離性障害群、うつ病、身体化表現性障害、境界性パーソナリティ障害をカバーする。これに「ある」「ない」「わからない」と答えてもらう綿密な構造化テストである。一般に30分から45分ぐらい要する。ロス(Ross,C.A.) が前述の1991年カナダでのテストの際、一般人1,055人のうち454人にこのインタビューフォームを用いると11%に解離性障害の疑いが見られたという。1997年のロス(Ross,C.A.) のテストでは、一般人の中で何らかの解離性障害を有するものが12%。解離性同一性障害は3%ということになってしまった。精神科の患者ではないので比率として高すぎるが、しかしスクリーニングテストとしての信頼性は高い。SCID-D (Structured Clinical Intervier for DSM-IV Dissociative Disorders)先に触れたスティンバーグ (Steinberg,M.) が1994年に発表した、DSM-IVの定義に基づく解離性障害のための構造化面接である。解離性障害をひとつの連続体、スペクトラムと考え、解離現象を「健忘」「離人症」「現実感喪失」「同一性変容」「同一性混乱」という5つの中核的症状にわけて質問し評価する。250以上の項目があり、2 - 3時間かかり、面接者にも正式な訓練が要求される。北米での論文にはよく用いられる。2000年のDSM-IV-TRに合わせて改訂したのがSCID-DRである。ロス(Ross,C.A.) らの論文によれば、精神科病院の入院患者に対するDES-T、DDIS、SCID-D、精神科臨床医による診断の結果は以下のとおりである。解離性障害のうち、解離性同一性障害と特定不能の解離性障害の判定法間の一致率(κ係数:kappa statistic )は次のとおりであり、完全には一致しないが十分に高い。解離性健忘および離人症性障害の判定には有効性を実証できなかった。なお精神科臨床医による診断数は他のテスト数より少ない。解離性障害の理解や治療方針は年代をおって更新されてゆくので、ここでは年代順(邦訳本は原書の)に並べる。

出典:wikipedia

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