『キング・コング』("King Kong")は、2005年のアメリカ映画であり、ラブロマンスとホラーの要素の入ったアクションアドベンチャー映画である。1933年の映画『キング・コング』のリメイクであり、同作を見て映画製作を志したというピーター・ジャクソン監督の悲願の企画であった。本作の邦題は、1作目と同じく(そして2作目と異なり)「・(中黒)」が入る。ちなみに主演のナオミ・ワッツは、37歳にしてヒロインを見事に演じた。2005年のアカデミー賞においてアカデミー視覚効果賞、アカデミー音響編集賞、アカデミー録音賞の3部門で受賞した。本作では、ジャクソン監督が『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで培った特撮技術が最大限に活用されている。しかし監督曰く、「この作品が『ロード~』を超える作品になると確信している」とのことで、あくまでその特撮技術は『キング・コング』を描く上での重大なポイントとはされていないようである。物語の中盤における舞台であるスカル島の場面では、シャッタースピードを落としたブレのある映像など、同監督の初期作品に見られるようなホラー映画的演出を施された映像が散見される。またジャクソンによる『ブレインデッド』のオープニング・シーンは、本作や33年版コングの舞台となった島であるという設定で、「1958年 スマトラ沖 スカル・アイランド」というテロップが入る。それと呼応して、本作のベンチャー号の貨物室のシーンには、『ブレインデッド』に登場する「スマトラン・ラット・モンキー」の名前の入った木箱が積まれているのが確認できる。ストーリーラインは基本的にオリジナルと同じだが、登場人物やその設定は大幅に変更され、スカル島の生物(恐竜など)が架空のものになっている等の変更が行われている。多くの生物達やニューヨークの町並み、背景に至るまで、映像全般に渡り緻密なCGが用いられている。2005年度アカデミー賞において、視覚効果賞、音響編集賞、録音賞の計3部門を受賞している。制作には2億700万ドル(248億4000万円)という巨費が投じられ、その一部はジャクソン自身が自腹を切って捻出した。これは、『スパイダーマン3』が塗り替えるまでは映画史上最高額であった。ピーター・ジャクソンは初代アン・ダロウ役のフェイ・レイをラストシーンに出演させる予定であり、実際にフェイの快諾も得ていたのだが、クランクイン前に急逝したため実現はかなわなかった。「飛行機じゃない、美女が野獣を殺した」というカール・デナムの台詞は、元々は見物人役のフェイが口にする予定だった。田中芳樹によるノヴェライズ小説がある。『GODZILLA』のアメリカ国内外における興業が失敗に終わったことから、ハリウッド映画界が怪獣映画を敬遠する傾向になったため、当初は製作が難航した(これは後の『クローバーフィールド/HAKAISHA』に至るまで続く事になる)。詳細はGODZILLAを参照。原作と本作に寄れば、「18.8mのキングコングVS.16.8mのティラノサウルス」とある。舞台は1930年代、世界大恐慌下のニューヨーク。失敗作続きの映画監督カール・デナムは、出資者からも次回作への出資を反対され、もう後がない状態に追い込まれていた。そんな中、脚本家のジャック・ドリスコルや、失職した女優アン・ダロウらを言いくるめ、どこからか入手した地図に描かれた謎の島『髑髏島』を撮影すべく、密輸船ベンチャー号で強引に出航してしまう。霧の中、座礁しながらも島に辿り着いた一行。しかし、不気味な島民の襲撃を受けて録音技師のマイクが槍に刺されて死亡し、ついにはアンを奪われる。彼女を取り戻すべく武装して島へ乗り込んだカール達は島民を蹴散らすが、島民が髑髏島の王者として崇める巨大ゴリラキングコングの生贄にされたアンは、いづこかへ連れ去られてしまう。カールとジャック他15名で島の奥へと捜索に向かうが、そこで見たものは、絶滅したはずの恐竜や、独自の進化を遂げた巨大な昆虫たちだった。17人もの犠牲を出しながら島を探検して、凶暴なキングコングからアンを取り戻したカール達は、キングコングをクロロホルムで眠らせてニューヨークに連れて帰ることに成功する。カールにより拘束されて見世物となったキングコングだったが、ショーで興奮して鎖を引きちぎり、アンを求めてニューヨークの街を暴れ回る。顔を覚えられてしまったジャックは、タクシーを運転して誘導し、キングコングはアンとの再会を果たす。しかし、そんな二人の間を引き裂くように、アメリカ軍の攻撃が始まってしまう。地上での攻撃を避けてエンパイア・ステート・ビルに登ったキングコングに、アメリカ空軍の攻撃が始まるのであった。基本的な流れは同じだが、それぞれの性格描写などは大きく異なる。全世界の興行成績は5億4700万ドル(年間5位)となっており、成功と言える部類ではあるものの、2億700万ドル(約250億円)という巨額の製作費や、ジャクソン監督による前作『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』の11億1800万ドルと比較すると、やや期待外れな結果となった。特に日本では予想外の不入り(興行目標80億円、最低でも50億円と予想されたが、実際には23億円に留まった)で、一般誌(『週刊文春』)で取り上げられる程だった。1976年版がアメリカでは不振だったのとは正反対の現象が起きたことになる。日本国内における不振の原因として、『キネマ旬報』は「キング・コングのキャラクター自体を知らない現在の女性層・児童層を取り込めなかった」ことを挙げている。また、コング等の“売り”となる怪獣が登場するまでに1時間近くの人間ドラマがあるという構成を含め、「いわゆる“怪獣映画”としては3時間という上映時間は長すぎる」との批判もあった。その他に、メディアによる宣伝力の多くが同時期に公開された『男たちの大和』に割かれていた事も原因の一つと考えられる。一方、作品としての評価は高く、米映画レビューサイトRotten Tomatoesでは84%のFRESH(好評)を得ており、数あるコング映画の中では33年のオリジナル版に次ぐ高評価となっている。日本では2005年度のキネマ旬報ベストテンで同年に公開された全映画中9位の高ランクに選出されたが、前年に『王の帰還』を3位に選出した読者ベストテンでは11位だった。日本では田中芳樹による本作のノベライズが行われ、映画公開前の2005年12月17日に集英社より発刊されている。なお、小説では細部の設定が映画のものから変更されているほか、時代設定が『キング・コング』第一作が公開された1933年だと明言されている。
出典:wikipedia
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