「酔拳2」(すいけんつー、原題:醉拳II、英題:"Drunken Master II")は、1994年に製作された、ジャッキー・チェン主演のアクション映画。日本公開は製作年に同じ。ジャッキーが1978年に主演して世界中でヒットとなった『ドランクモンキー 酔拳』の続編。但し「2」を名乗っているものの、設定や登場人物については前作を継承しておらず、酔八仙(拳)と父親と「歴代の先祖達が眠っている土地が鍵」といった設定以外は前作と脈絡が繋がっていない単独の作品となっている。監督のラウ・カーリョンが撮影途中で降板したため、ほとんどのシーンはジャッキー監督で撮影された。降板理由について当時のインタビュー記事によると「カーリョンが撮影したアクションは相当に古風で、現在のジャッキー作品としてはあまりに古臭く、ラッシュを見たジャッキーとスタントチームが、このままでは興行に影響が出ると判断してカーリョンの解雇やむなしとの結論に至り、その後、カーリョンが撮影したアクションのうち半分弱をジャッキー自身が監督して撮り直すことになった」とある。なおジャッキーは自身著による自伝『僕はジャッキー・チェン』において「意見の相違があったが現在も友情は変わらない」と述懐している。本作で継母のリンが非常に強いのは、同時期に制作されたジェット・リーの『レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 格闘飛龍』の影響が大きいと言われている。ラストの泡を吹くシーンの撮影で、ある薬品を使ったため、ジャッキーは翌日喉をやられてしまった。列強進出が著しい清朝末期の広東。酔八仙(酔拳)を会得したものの、酒の勢いで暴走してしまうフェイフォンは、父ケイインから酔拳の使用を禁じられていた。一方、イギリスが領事館を通じて中国の国宝を国外へ密輸していた事実を察知した武術家マンケイは阻止に動く。ひょんなことからマンケイと知り合い事情を知ったフェイフォンだったが、やがて英国の魔手が彼とその仲間に及ぼうとしていた。本作の主人公。年齢は不詳だが、ハチャメチャだった前作と違いやや控えめな性格となっている。列車内の立ち入り禁止のところに鶏やアヒルをばらけさせて突破したり、帰宅後、買ってなくした人参をごまかすために父・ケイインの鉢の根をつくろうなど、ずる賢さは共通している。ひょんなことから英国領事と格闘したさいに継母にけしかけられて酒を服用し酔拳を使ってしまい、それが父親ケイインにばれ、勘当をくらってしまう。その後、英国領事から報復を受け、街の見世物にされる。帰宅後ケイインから、酔拳禁止の理由が自分の身体を案じたためと聞き、反省して禁酒を誓った。その後、フク・マンケイと知り合い、彼の意思を継ぎ英国の悪事の阻止を約束する。最終決戦では酒の代わりに工業用アルコールを飲んで酔拳を使い、敵を倒す。その後の顛末は、日本版と海外版では異なっている。フェイフォンの父親で、宝芝林の主人にして、ウォン家の大黒柱。拳法の達人であるが本業は医者である。それだけに威厳があり、普段から息子フェイフォンに対しても厳しい典型的な昔の封建制度的な父親。しかし家事に異変が生じると真っ先に家族を疑うなど猜疑心を持つ単純な面や、フェイフォンを勢いで勘当したさいに跡をつけようとするツォウにさりげなく方角を示したり、大使館不法侵入で英国から制裁を受けたフェイフォンが釈放された時は、妻リンと立場を逆転させ彼を心配するなど、優しい面を持つ。フェイフォンの酔拳を禁じるのには訳があり(感覚が麻痺し痛みを感じなくなったり、正気を保てなくなるなど)禁酒を厳守させていたが、その理由を家族に説明しておらず悲劇を生むことになる。フェイフォンの継母で、ケイインの後妻。コメディリリーフ的な役割も担っている。お腹の中にフェイフォンの腹違いの兄弟となる子供が宿っている。人参をなくしたフェイフォンのために、首飾りを売り人参を買いなおさせるなど、こよなくフェイフォンを贔屓するが、彼が酒に酔った勢いでケイインを殴ったさいには叱咤を放つなどし、また上述の不法侵入罪で監禁されていたフェイフォンが釈放された時には、ケイインと立場を逆転させ、フェイフォンよりも彼の釈放のため英国に売り渡した土地を心配するなどしていた。趣味は麻雀であるが、表向きはケイインには内緒である。ケイインの前ではおしとやかであるが、興奮すると言葉遣いが下品になる。嫁いだ割にはウォン家の御先祖様に縋る傾向がある。中国の武術家で旧国家の軍人。中国の国宝を根こそぎ国外へ持ち出そうとする英国の陰謀を阻止しようとする。最初の列車のシーンから登場、フェイフォンとも格闘し、彼を盗賊と勘違いした上、彼の酔拳を未熟だと言っていた。後にフェイフォンと再会したときはウマが合っていた。街の飲食店で英国率いる集団からの襲撃を受けるが、フェイフォンと見事なチームプレイをとった。その後英国から発砲を受け非業の死を遂げる。市場で数名の従業員と共に働く魚屋。フェイフォンと同じぐらいの若者でケイインの拳法の弟子でもある。夜にはケイインの敷地で拳法の訓練に励んでいる。ファンに好意を持っているが故に、酔拳を習いたがるファンがフェイフォンにベッタリであることに嫉妬し、フェイフォンと一戦交える。しかしフクの死を切っ掛けにイギリス大使館の悪行を知り、フェイフォンに協力することとなる。市場で食用・漢方薬用のヘビを売る若い女性。フェイフォンの酔拳に憧れを抱きつつ、フェイフォン自身にも好意を持っている。イギリス大使館の悪行を知り、フェイフォンに協力する。ウォン家の使用人。小心者でケイインに対しては何時もびくびくしている。フェイフォンやリンの愚行の巻添えを食うことが多い。実力や権力は不明だが、フェイフォンが英国領事から報復を受けた直後、「私がいれば奴らにあんなことはさせなかった」と豪語している。中国人でありながらイギリスに組する売国奴。国宝の横流しや、鉄工所の従業員のリストラの強行、ウォン家の先祖代々の土地の強奪など多数の悪事を働く。テコンドーのような足技が得意。顎が長いのが特徴。現在、民放での再放送にはフジテレビ版が流用されている。
その他フジテレビ版日本語吹替:小川真司、麦人、佐々木るん、金野恵子、堀越真己、引田有美、塚田正昭、真山亜子、稲葉実、相沢まさき、安井邦彦、小島敏彦、広瀬正志、幹本雄之、山崎たくみ、伊藤栄次、坂口哲夫主人公ウォン・フェイフォン(黄飛鴻)は当時実在した中国武術の大家であり、彼を主人公にした映画は数知れず制作されている。なお本作の監督であるラウ・カーリョンは、実在のフェイフォンの弟子の孫であり、数多くの映画などで過大に装飾されていったフェイフォンについて、実在の当人の伝承を最も正確に伝える人物の一人である。「力なき市民を虐待する権力の横暴に立ち向かうヒーロー」を描いた正統派カンフー映画を志向するラウ・カーリョンが監督になったことで、列強進出が激しくなった物語の時代背景を反映したレジスタンス活劇映画として作られ、英国人とその配下の粗暴な武芸者たちによる市民虐待描写を過酷に描くなど、明るく楽しい活劇に仕上がった前作とは異なりコメディ要素が薄まり、かなり重々しいアクション映画となった。敵の足技使い役のロウ・ホイクォン(ロー・ワイコン)は、香港ムエタイのプロ選手として7年活躍した後、クラブで用心棒をしていたところをジャッキーに見いだされて芸能界入りした異色肌だが、そのムエタイから来る打点の高くて素早い足技によって成家班(ジャッキースタントチーム)のエースとなった。『ジャッキー・チェン マイ・スタント』の中でもトレーニングパートナーとして登場するほか、私生活においてもジャッキーの用心棒を務めている。『酔拳2』以降のジャッキー映画の敵役に足技使いが多いのはこのためである。本作のオリジナル版(香港公開版)は、フェイフォンが国宝密輸を阻止するために、工業用アルコールを飲み、酔拳を使い見事密輸阻止に成功する。その後フェイフォンを表彰するために新しい警察署長トン・ピョウ(董驃)が、彼の家に表敬の額を持参して訪問し、両親らと記念撮影をするが、肝心のフェイフォンがいない。署長は両親から「フェイフォンは、酔拳を使うために工業用アルコールを飲んでしまったため、目が見えなくなってしまった」との説明を受け、家の庭まで案内される。そこではフェイフォンが下男に珍妙な稽古を付けていた。署長は両親から「盲人拳の練習だ」と説明を受けるが、下男は「フェイフォンは、目だけでなく頭もおかしくなってしまっている」と説明する。次の瞬間、フェイフォンが顔を歪めて舌をペロペロと出し、手足をひきつらせて笑いながら近寄ってきた。フェイフォンは工場で酒の代用に工業用の油を飲んで戦ったために狂人になってしまっていた。その有様を見た一同が驚きの悲鳴を上げるシーンでジ・エンド。という、ブラックなオチがついていた。このくだりについては、後に出版された書籍で「酒を飲むと罰が下るという宗教上の理由」とされている。主人公が発狂するというブラックジョーク的な結末について、香港で発売されたLDおよび中国本土で発売された初期DVDには収録されていたものの、ジャッキーは本作の国際公開版からはカットしており、日本を含むアジア圏では、工場戦のラストで仇敵ジョンを倒した後に泡を吹くシーンから直接エンドロールに繋ぎ、アメリカ公開版では、警察署長が額を持参してウォン家を訪れ、フェイフォンの両親と記念撮影をする場面で切って(オリジナル版ではこの後で狂ったフェイフォンが登場する)、エンドロールに繋ぐという短縮編集が行われている。オリジナル版のソフトについては、1995年に香港で美亜社から発売されたレーザーディスクとVCDが、本作のオリジナル画面サイズであるシネマスコープサイズで発売されていたがいずれも絶版。DVDでは中国本土で中国録音録像出版社から限定発売されたソフトと後にアメリカで発売された先者のソフトに英語字幕をつけただけのソフトがオリジナル版のDVD化であった。後者はビスタサイズにトリミングされていて、2007年現在ではシネマスコープサイズのオリジナル版DVDソフトはいずれの国においても発売されていない。日本では2000年に、ビスタサイズにトリミングしたバージョンがパイオニアLDCから発売され、その後2004年にワーナー・ブラザース映画から「日本公開版とアジア版のダブル収録」を謳った2枚組商品が再発売される。この2枚組の仕様は、日本公開版はパイオニア版ソフトの再録で、アジア版ディスクはオリジナル版ではなく2012年現在ワーナー・ブラザースが権利を持っている国際公開版(シネマスコープサイズ)が収録されているため、両ソフトとも結末はカットされた短縮版である。ジャッキー自身もオリジナル版エンディングについては自粛の方針であると言っており、実際にお膝元の香港で発売されている最新のDVDソフトは国際公開版に準じた編集に差し換えられていることから、今後オリジナル版の公開はされない可能性がある。台湾など一部のアジア地域では春節期の映画としても公開されたため、本編前に短いながら1分弱ほど香港版エンディングの格好をしたジャッキーが登場し新年の挨拶をするシーンが追加されている。このシーンは一部アジア地域で発売されたビデオを除き以降のソフトでは特典としても未収録なため全長版エンディングより視聴が困難である。
出典:wikipedia
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