ジョルース・シボース (Joruus C'baoth) は、SF作家ティモシー・ザーンによる『スター・ウォーズ・シリーズ』のスピンオフ作品（『スローン3部作』等）に登場する架空の人物。強力なフォースを持つダーク・ジェダイである。人間（クローン）。男性。銀河共和国末期に活躍した（自称）ジェダイ・マスター、ジョラス・シボース（Jorus C'baoth）のクローンである。誰が、いつ、どのようにしてジョラス・シボースからクローンを作り出したのか、その辺の事情は現在まで十分に明らかにはされていない。しかし、前後の事情を考え合わせると、その背後にはシスの暗黒卿ダース・シディアス（パルパティーン）が暗躍していた可能性が高い。ジョラス・シボースは、パルパティーンが銀河共和国最高議長であった頃にパルパティーンの私的顧問を務めており、その間にパルパティーンは、シボースの血液なリ毛髪なりのサンプルを入手する機会を得たのかもしれない。あるいは、アウトバウンド・フライト艦隊の壊滅で死亡したシボースの遺体から入手したとも考えられる。パルパティーンがジェダイのクローンを作り出し、ダーク・ジェダイの育成を目論んでいたのかどうか定かではないが、時はおりしもクローン大戦勃発の数年前であり、ジョルース・シボースは、クローンの実験体の1つとして誕生したのだと思われる。しかしながら、ジョルースは急速に成長させられたことによる副作用で、その精神状態は極めて不安定であった（この時用いられたスパーティ・クローニング・シリンダーを使用したクローン製造技術は、急速に成長させると、精神に異常をきたす副作用があった。クローン・トルーパー製造の際には、別の技術が用いられた）。感情の起伏が激しく、自分の名前を「ジョラス（Jorus）」ではなく、「ジョルース（Joruus）」と発音するなど、記憶も混乱している。オリジナルであるジョラス・シボース自身も、元々傲慢で頑固な異端のジェダイとして知られ、最終的にはダークサイドに堕ちているので、クローンであるジョルースの精神の不安定さには、クローン技術の副作用に加えて、こうしたオリジナルの暗い事情も反映されているものと思われる。「ジェダイは人々を導き、銀河を治めるべき存在」であると言う過激な思考や、傲慢で威圧的なその性格にもオリジナルの面影が感じられる。ジョルースが歴史の表舞台に登場するのは、エンドアの戦いから5年後、スローン大提督による銀河帝国軍の反撃が開始された時である。クローン大戦からすでに数十年、この間ジョルースがどのように過ごしていたのか定かではないが、スローンは惑星ウェイランドのタンティス山で、周辺の村落を治めるジョルースを発見した。この山にはパルパティーンの秘密倉庫があり、恐らくパルパティーンが制御困難なジョルースを、ダーク・ジェダイとして部下にする代わりに、この倉庫の番人として派遣したのだと考えられる（スローンはジョラス・シボースの率いるアウトバウンド・フライト艦隊を壊滅させた張本人であり、この間の事情はある程度承知していたのではないかと思われる）。スローンは、かつてパルパティーンがフォースを通じて帝国艦隊の士気を調整していたことを承知しており、その役目をジョルースに求めるべく、協力を要請しに来たのである。ジョルースは、最初はスローンの要請を歯牙にもかけなかったが、ルーク・スカイウォーカーを始めとする新世代のジェダイを弟子として提供しよう、と言う申し出に心を動かされ、帝国艦隊に手を貸すことになった。しかし、最初の内こそスローンの要請に従い、帝国艦隊の士気調整を引き受けていたジョルースであるが、元々精神が不安定な上、新しい弟子を提供しようと言う約束をスローンがなかなか果たさないため、次第に苛立ちを募らせていった。さらにはジョマーク星で一度は手中に収めたはずのルークが、ジョルースの狂気を見抜いて逃亡したこともあり、スローンとジョルースの間には決定的な亀裂が生じてしまう。スローンの方ではパルパティーンの秘密倉庫からクローン製造技術を入手したことで、すでにジョルース自身は用済みとなっていた。後はこの技術を応用して、精神の安定したジェダイのクローンを作り出せば良いのである。一方、ジョルースの精神状態はさらに狂気の度合いを増し、ジェダイ騎士団を再興し、自ら銀河の支配者、皇帝パルパティーンの後継者たらんとする野望を抱くに到る。だが、そのためには優れた弟子が必要だった。彼は、ルークやマラ・ジェイド、ルークの妹レイア、さらにはレイアの子供達までも手中に収め、自らの弟子とすることを目論んでいた。そしてスローンの切り札である、タンティス山のクローン製造工場を破壊するために乗り込んできたルークとマラ・ジェイドは、そこで待ち構えていたジョルースとの最後の対決に臨むことになる。ルークはジョマーク星でしたのと同じように、ジョルースの狂気を癒そうと必死の説得を試みるが、全ては手遅れであった。ジョルースはルークとマラを力で圧倒し、さらにルーク自身の邪悪なクローン、「ルウク・スカイウォーカー」を差し向ける。ベスピンでのダース・ベイダーとの対決で失ったルークの右腕から作り出された、もう一人のルークだ。2人のルークは激しい戦いを繰り広げるが、最終的に「ルウク」はマラの手で倒される（マラは「ルーク・スカイウォーカーを殺せ」と言うパルパティーンの声に悩まされていたが、ルークのクローンを倒すことで、その声から解放された）。どこまでも自分に逆らうルークとマラの前に、ジョルースは完全に自制心を失って暴走、野獣のような凄まじさでフォースを周囲に解き放ったが、一瞬の隙を突かれて、マラの手で倒された。狂気に犯されたが故の、自滅とも言える最後だった。狂気に犯されているとは言え、そのフォースの力は極めて強力なものである。ダークサイドの技であるフォース・ライトニングを自在に操り、小さな石ころでさえ、ミサイルのごとき恐るべき武器に変えることが出来る。パルパティーンと同じように、フォースの力で帝国艦隊の士気を調整し、その気になれば、乗員全ての意識を支配できると言うことも証明して見せた。彼はフォースで相手を攻撃することに何のためらいも見せず、「フォースは知識と防御に使うべきもので、攻撃に使うべきではない」と言うルークの説得を「そんなものは単純な頭が考え出した陳腐な誓約にすぎない」とあっさり切り捨てている。彼自身には自分がダーク・ジェダイやシスであると言う認識はないようだが、その過激な思考と精神の不安定さにより、結果的にダークサイドに染まってしまったようである。あるいは、パルパティーンが意図的にダークサイドの力を身に着けさせたとも考えられる。シボース（C'baoth）の名は、当初の翻訳では「クボース」と表記され、日本語の「公方」から拝借したのではないか、とも言われていた。この他「スボース」などの表記も見られるが、最近の翻訳では「シボース」で統一されている。

出典:wikipedia