カリクストゥス写本(Codex Calixtinus)は、ローマ教皇カリクストゥス(カリストゥス)2世によるものとされていた12世紀の写本。現在では、フランス人修道士で司祭でもあったエメリック(アイメリ)・ピコー(Aymeric Picaud)によるとされる。『聖ヤコブの書』()の最も完全な形に近い写本のひとつ。この本は中世ヨーロッパにおけるキリスト教の最大の巡礼地であったスペイン・ガリシアの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラの聖ヤコブの墓への巡礼の案内書でもあった(後述#構成の第5書『巡礼案内記』)。原本はラテン語であり、完訳された現代語訳版はスペイン語版のみ存在する。抄訳は英語、フランス語、ドイツ語、ガリシア語などが存在するが品質はあまりよくないものもあるという。聖ヤコブの奇跡の報告、巡礼地の地理案内、芸術、更には現地の風俗までが解説されている。『聖ヤコブの書』は、おそらく1140年過ぎに編纂が開始され、この写本は1173年より少し前にまとめられたと考えられている。本の権威付けのために、1124年に死去した教皇カリクストゥス2世の偽造サインがついている。本書は全5書と後補からなり、以下のような構成となっている。後補には典礼詩の断片が収められている。『巡礼案内記』(以下、適宜『案内記』と略す)は「ガイドブック」とも評されるように、サンティアゴのみならず巡礼路沿いの村や町と、それらにある聖堂についても記述されている。おすすめスポットのような紹介もあり、いくつかの町は特筆されている。『案内記』の大半を占める8章では、各村や町にまつわる聖人や聖遺物が紹介されている。また、本書における聖堂の記述レベルは、例えばヴェズレーのラ・マドレーヌについて「大きく美しいバシリカ」、コンクのサント=フォワは「美しいバシリカ」といった具合に抽象的な言及をするのみであり、またサンティアゴ大聖堂の記述もあいまいな部分があるなど、本書が著された時点ではまだ大聖堂は未完成だったなどとも指摘される。全11章からなる。以下に本書の各章の構成を示す。2011年7月5日サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の古文書館からカリクストゥス写本が盗まれたが、2012年7月4日犯人逮捕とともに発見されたカリクストゥス写本は、声に出して歌うように作られており、初期の多声音楽の例である。現存するものとしては、最古の3声による多声音楽が含まれる。今日では、中世西洋音楽の代表的な作品のひとつとして演奏される機会も多い。
出典:wikipedia
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