『通りゃんせ』(とおりゃんせ)は、江戸時代に歌詞が成立したと見られるわらべうた。作詞者不明、本居長世編・作曲、あるいは、野口雨情作とも伝えられる(1920年頃収録レコードに作者として記載されている)。神奈川県小田原市の菅原神社(山角天神社)や埼玉県川越市の三芳野神社が舞台であるという説があり、共に発祥の碑がある。このほか関所を舞台とするという説(出立は楽だが帰還の際は厳しく調べられるという歌詞)もある。この歌詞の意味に神隠し伝説や人柱、埋蔵金伝説の関連付けをする人は多く、しばしば小説や映画、ドラマ、ゲーム等の創作の題材として取り上げられる。通りゃんせ 通りゃんせここはどこの 細道じゃ天神さまの 細道じゃちっと通して 下しゃんせ御用のないもの 通しゃせぬこの子の七つの お祝いにお札を納めに まいります行きはよいよい 帰りはこわいこわいながらも通りゃんせ 通りゃんせ通りなさい、通りなさい。ここは、どこの細道ですか?天神様の細道ですよ。ちょっと通して下さいませんか?御用の無い者は、通しはしません。この子の七つの御祝いに、御札を納めに参ります。行きは良いですが、帰りは困難です。困難ですが、通りなさい、通りなさい。二人の子供が向かい合って立ち両手を繋いであげ関所をつくり、他の子供たちが列になってこの手の下をくぐっていく。この間、『とおりゃんせ』を歌い、歌の終わりで、両手を挙げていた子供らがさっと手を下ろす。ちょうどそこにいきあたった子供がつかまって関所役の子供と交代する。ロンドン橋と同様の遊び方もある。かつて、日本の横断歩道に設置されている音響装置付信号機には、いろいろな曲のメロディが使用されていたが、視覚障害者の混乱を招くことも少なくなかったため、1975年に、2種のメロディ(『通りゃんせ』、『故郷の空』)および2種の鳥の擬音(「ピヨ」、「カッコー」)が制定された。その後2003年には、今後の音響装置付信号機には、鳥の擬音を使用したものを設置するように通達が出された。そのため、『通りゃんせ』に限らずメロディを使用したものは、鳥の擬音を採用した信号機に置き換えられつつある。ニコニコ動画等で二番として歌われる事があるが、楠桂は二番として創作した訳ではなく、作り代えた詩が一人歩きした結果である。二番として歌われる歌詞は「生きはよいよい還りはこわい」となっていることが多いが、鬼切丸は「逝(い)きはよいよい甦(かえ)りはこわい」である。
出典:wikipedia