河村 健一郎（かわむら けんいちろう、1948年2月26日 - ）は、山口県柳井市出身の元プロ野球選手（捕手、内野手）・コーチ、解説者。桜ケ丘高校では1964年秋季中国大会準々決勝に進むが、広島商に敗れ甲子園には届かなかった。芝浦工業大学へ進学（道原裕幸は高校・大学の2年後輩）。東都大学リーグでは3年生の時、左腕エース池田善吾を擁し秋季リーグで優勝。通算45試合出場、124打数32安打、打率.258、0本塁打、11打点。大学同期に豊田憲司、片岡新之介（中退）がいる。社会人野球の日本石油に進み、1970年、1971年の都市対抗野球大会で活躍、の社会人ベストナインに選ばれる。同年のドラフト外で阪急ブレーブスに入団。正捕手は中沢伸二が不動であったため、主に控え捕手や代打として出場している。しかし打撃には定評があり、には6番・指名打者として76試合に先発出場、規定打席には届かなかったが打率.260、12本塁打の好成績を記録した。またにはオールスターゲームにも出場している。限りで現役引退。引退後、阪急・オリックス（ - 二軍バッテリーコーチ, ・ - 二軍打撃コーチ, ・一軍打撃コーチ, 一軍バッテリーコーチ）、巨人（二軍打撃コーチ, 二軍ヘッド兼打撃コーチ, 一軍打撃コーチ）、中日（二軍打撃コーチ）、阪神（二軍打撃コーチ）でコーチを歴任。「短所を直すより長所」を基本理念にしており、選手寮に住み込んで夜まで指導する熱血ぶりだった。オリックス二軍打撃コーチ時代にはイチローの「振り子打法」を考案し、「イチローの育ての親」とも呼ばれた。巨人には長嶋茂雄の要請で招聘されたが、生え抜きコーチとの折り合いが悪かった。コーチ業の合間を縫って、スポーツニッポン評論家（ - ）、シドニーオリンピック野球日本代表強化コーチ、J SPORTS解説者（ - ）を務めた。その傍らで大学野球の指導や、横浜ベイブルースコーチ、講演・講習も行った。阪神で9年ぶりの現場復帰を果たすとともに、同球団の合宿所・虎風荘に住み込みながら、伊藤隼太ら若手野手の打撃力向上に力を注いできた。しかし、オールスターゲーム期間中に体調面の異変が判明したことを機に、事実上休養となった。その後、静養していたものの快方には向かわず、10月5日に球団から翌年の契約を結ばないことが発表された。夫人は山倉和博の夫人の妹。1995年から1997年まで義兄弟にあたる山倉と同一チームでコーチを務めた。振り子打法を巡っての経緯から（詳細は振り子打法の項目を参照）、イチローは河村を非常に慕っており、河村がコーチとして巨人に移籍してからも2年ほど相談を求めてきたという。オリックス二軍打撃コーチ時代の、イチローの打法に一切の理解を示さず打撃を改造しようとした当時の一軍コーチ陣らと対立したため、一軍首脳陣との関係は良好とはいえなかった。翌年、イチローが一軍に定着して200本安打を達成したシーズン終了後には、突然オリックスを退団し、「僕のわがまま。それを認めてくれた球団には感謝している」とコメントした。河村は2010年に『イチローの育て方』（廣済堂出版、2010年5月26日）という本を著作しており、オリックス時代のイチローや指導論について詳しく述べている。

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