オープンシステムは相互運用性、移植性、オープン標準などを持ったコンピュータシステムの事である。この用語は、1980年代前半より、当時のメインフレームやミニコンピュータなどと比較し、主にUNIX(およびUNIX系)を指して使われた。古いレガシーと呼ばれるシステムに対し、UNIXは標準化されたプログラミング・インターフェースを持ち、相互運用性が高く、サードパーティーからの各種のハードウェアやソフトウェアが使用できた。標準化団体にはThe Open Groupなどがある。しかし現在ではレガシーと呼ばれたシステムも各種のオープン標準を取り入れ、逆に商用UNIXも細部は各ベンダーによる相違点が多いなど、単純な分類は困難になっている。なおMicrosoft Windowsは、マイクロソフトによる独自仕様(プロプライエタリ)のオペレーティングシステムなため、オープンシステムとは呼ばれない。1980年代までの日本では、メインフレームやオフィスコンピュータなど、各メーカー独自(プロプライエタリ)のハードウェアおよびソフトウェアが主流であった。その反動もあり、1990年代のダウンサイジングの時期に普及したパーソナルコンピュータやワークステーション、サーバなどのシステムを総称して「オープンシステム」と呼ぶようになった。例には「日経オープンシステム」などの雑誌名がある。また日本では、メインフレームに関わる技術や技術者を「ホスト系」、オープンシステムに関わる技術や技術者を「オープン系」とも呼ぶ。ただし、これらのシステムは世界的には「分散システム」と呼ばれているカテゴリーで、世界的には1970年代頃から共存していたものであり、実際にはプロプライエタリな製品も多数含まれており、日本の用法は世界的には通用しない、とも考えられているようだが、コンピュータ科学で普通に分散システムとされるものとも違うため、よくわからない。大幅な価格低下・性能向上により、従来メインフレームで行っていた大規模なシステムも「オープンシステム」で構築した方が価格・性能の両面で有利になるケースが増えた。更には金融機関の勘定系システムなど、従来はメインフレームの領域とされてきたミッションクリティカルな利用局面でもオープンシステムの採用は増えている。1990年代前半には、この「オープンシステム」という言葉は、「ネットワーク」、「ダウンサイジング」、「マルチメディア」の3語とセットでその頭文字をとって「ネオダマ」と呼ばれ、コンピュータ業界のキャッチフレーズとなっていた。更には「メインフレームなどは高価で時代遅れであり、いずれは全てのシステムをオープンシステムに移行すべき」との論調がマスコミでも大多数となった。なお、オープンシステムは、1社のみのハードウェアおよびソフトウェアで構成される事も多いホスト系システムと異なり、マルチベンダとなる場合が多いため、独立系のシステム会社が大きなシステムを受注・構築することを容易にした。また、様々なベンダのソフトウェア・ハードウェアを統合して構築することをシステムインテグレーションと呼び、その事業者のことをシステムインテグレーター(SIer)と呼ぶ。1990年代に日本のマスコミやIT業界で広く語られたイメージには以下がある。しかし上記イメージに対しては、現在では以下の疑問(反論)もなされている。なお、日本以外では通常、メインフレームの対義語は分散システム (distributed system) やミッドレンジ (midrange) などで、それぞれオープンか否かは別問題である。これは日本以外では従来より、メインフレーム上のUNIXやC、逆に小型だが独自のミニコンピュータなどが広く使われており、ハードウェア(機種)とソフトウェア(オープンシステムかどうか)は分けて考えていたためと考えられる。日本ではベンダー(メーカー)の選択肢や普及時期(ダウンサイジング)、日本以外ではソフトウェアの歴史や機能の観点で、呼んでいるとも考えられる。「オープンシステム」や「オープン」は、そもそも厳密な用語ではなく、その範囲や内容は立場や視点により異なる事を注意する必要がある。極論すれば「広く標準化されているため、仕様が統一されていて、どの製品でも差異が無い」という意味でも、「全ての人に自由なため、仕様も多様性があり、選択肢が広い」という正反対の意味でも使われている。一般論として「オープン」とは、以下を組み合わせた意味で使われる場合が多い。例として以下のような説明も可能であり、同じものでも「オープン」かどうかは立場・観点によっても変わる。上記と重複するが「オープン」や「オープンシステム」の用法では、現在は以下も議論となっている。
出典:wikipedia
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