護摩(ごま)とは、「焚く」「焼く」を意味するサンスクリットのホーマ(homa)を音訳して書き写した語である。インドで紀元前1000年頃から成立したヴェーダ聖典に出ているバラモン教の宗教儀礼である。さらに遡れば、インド・イラン共通時代のアーリア人の宗教儀礼としての、火炎崇拝に起源を持つ。故に拝火教とも称されるゾロアスター教とも共通する同根の文化である。仏教には釈尊入滅から約500年後に発生した大乗仏教の成立の過程でバラモン教から取り入れられた、と考えられている。そのため、護摩は密教(大乗仏教の一派)にのみ存在する修法である。おもに天台宗、真言宗で行われる。なお、専ら護摩を修するための堂を「護摩堂」(ごまどう)と称する。(1) 護摩壇に火を点じ、火中に供物を投じ、ついで護摩木を投じて祈願する外護摩と、(2) 自分自身を壇にみたて、仏の智慧の火で自分の心の中にある煩悩や業に火をつけ焼き払う内護摩とがある。また、その個別の目的によって一般的には次の五種に分類される。修験道で野外において修される伝統的な護摩法要を、柴燈・採燈(灯)(さいとう)護摩という。日本の伝統的な二大修験道流派である真言系当山派では、山中で正式な密具の荘厳もままならず、柴や薪で檀を築いたために「柴燈」と称する一方、同じく伝統流派である天台系本山派では、真言系当山派の柴燈から採火して護摩を修するようになったため「採燈」と称する。近年では、伝統的な本山派・当山派の流派には属さない寺社、また、分派、独立した宗団や密教系新宗教などでも、独自の方法と解釈により「斉燈護摩」(真如苑真澄寺)や「大柴燈護摩供」(阿含宗)、「お火焚き」「火祭り」などの別称を用いて実施されている。護摩は本来は仏教の密教の修法であるので、密教や修験道で行われるが、神道の神社の一部でも護摩が実施される。もともと神仏習合だった権現社や宮が、明治維新の神仏分離(神仏判然令)によって寺院を別の法人として改組した事例も少なくないが、現在でも神社において神職や山伏による護摩祭が続いていることがある。
出典:wikipedia
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