『夜半の寝覚』(よわのねざめ)は平安時代後期(11世紀後半ごろか)に成立した王朝物語の一。『夜の寝覚』『寝覚物語』『寝覚』などとも称し、作者については現在のところ確定的な説がないが、『更級日記』や『浜松中納言物語』の菅原孝標女であるとする説が有力である。いわゆる源氏亜流小説のひとつに数えられ、途中に本文の大きな欠落があるなどの理由から、従来はあまり重視されてこなかったが、戦後、研究の進展や中村真一郎などによる王朝物語の再評価の機運にのって、広く注目を集めるようになった。登場人物たちの心理を克明に観察し、精緻な描写によって定着させてゆく独特な手法が特徴的であり、現在では中古後期を代表する作り物語として評価されている。14世紀の作かと思われる、改作本『夜寝覚物語』が現存する。後述する第四部は長らく失われていたが、2014年、京都市で第四部の写しの古筆切が発見されていたことが明らかになった。確証が得られなかった他の古筆切の内容を結びつける存在と見られ、今後の分析次第では、本文の幾分かの内容が復元できる可能性が出てきた。作者についての資料はきわめて不足しており、決定的な説はない。菅原孝標女の作であるとする説は、藤原定家筆御物本更級日記の奥書に「ひたちのかみすかはらのたかすゑ/のむすめの日記也 母倫寧朝臣女/傅のとののははうへのめひ也/よはのねさめ みつのはままつ/みつからくゆる あさくら なとは/この日記の人のつくられたるとそ」という記述が見られるところから起ったものであり、長らく定説とされてきたが、戦後の寝覚研究のなかで『更級日記』と『浜松中納言物語』の関係に近似的要素が指摘される一方、『寝覚』はそのどちらとも似ない要素が多いことが明らかとなり、現在では別人の作とする説もあらわれている。ただし『寝覚』の独自性は作者の趣向であるという考えかたに基づく反論もあり、いまだに孝標女作者説に一定の信憑性が認められることは事実であるといっていい。夜半の寝覚を絵巻物に制作した平安時代末期の作品。高25.8cm, 彩色紙本。完本ではなく、極一部が残った零巻。大和文華館に所蔵される。テキストとしても最古であるが、伝本にはない部分で第五巻の後半と推定されている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。