『ニュー・シネマ・パラダイス』()は、1988年公開のイタリア映画。監督はジュゼッペ・トルナトーレ。中年男性が映画に魅せられた少年時代と青年時代の恋愛を回想する物語。感傷と郷愁、映画への愛情が描かれた作品である。後述の劇場公開版が国外において好評を博し、しばらく停滞期に入っていたイタリア映画の復活を、内外一般に印象付ける作品となった。映画の内容と相まってエンニオ・モリコーネの音楽がよく知られている。ローマ在住の映画監督・サルヴァトーレのもとにある晩、故郷の母から電話が来て、アルフレードが死んだことを告げる。サルヴァトーレはベッドで寝ながら、昔のことを思い出す。第二次世界大戦中、「トト」と呼ばれていた幼いサルヴァトーレ少年の父は戦争に取られ、彼はシチリア島の僻地の村で、母と妹と暮らしている。当時、村のたった一つの娯楽施設は村の中心の広場にある、教会を兼用した小さな映画館だった。外界から隔絶した当時のシシリーの田舎の住人たちには、その映画館は村の外に通じる、たった一つの窓だった。週末になり、映画館で旧式の映写機が回り出すと、アメリカ映画に出てくる信じがたい豊かさや、保守的な村ではありえないロマンティックな男女関係など、目を丸くして見ている村人たちの前に外の世界が写しだされた。新作の輸入映画のかかる夜、村人たちはみな映画館に集まってスクリーンに声援を送り、また教会の謹厳な司祭がラブシーンを削除させた箇所では、揃ってブーイングを鳴らすのだった。映画に魅了されたトトは何度も映写室に入り込んで、そのたび映写技師のアルフレードにつまみ出されていた。ある事件をきっかけに2人は親しくなり、アルフレードはトトに映写機の操作を教えるようになった。ある日映画館が火事になり、フィルムを救い出そうとしたアルフレードは火傷で視力を失った。やがて父親の戦死が伝えられ、トトは新しく建て直された映画館「新パラダイス座(Nuovo Cinema Paradiso)」で子供ながら映写技師として働き、家計を支えるようになった。年月が過ぎ、若者となったトトはムービーカメラを手に入れ、自分でも映画を撮影するようになる。駅で見かけた美少女エレナとの初恋を経てトトは軍隊に徴兵されるが、除隊後村に帰ると映写室には別の男が座り、エレナは音信不通となっていた。落ち込むトトにアルフレードは「若いのだから外に出て道を探せ、村にいてはいけない、そして帰ってきてはいけない」と言ってきかせる。「人生はお前が観た映画とは違う、もっと困難なものだ!」。トトはその言葉に従って列車に乗り、ローマに向け旅立った。30年後、映画人として成功し初老となったサルヴァトーレはアルフレードの葬儀に出席するため、年老いた母の待つ故郷の村に帰ってきた。そこで彼は「新パラダイス座」がすでに閉館し、建物の取り壊しも近いことを知る。サルヴァトーレはアルフレードが彼に遺した形見を渡される。ローマに戻ったサルヴァトーレはそのフィルムを映写させる。そこには・・・2000年8月11日発売(パイオニアLDC)の旧DVD収録主題曲「Cinema Paradiso」はこれまでに各国のさまざまな企業のCMに使われているほか、テレビ番組でも頻繁に用いられる。イタリアのジャズ・トランペット奏者ファブリッツィオ・ボッソのアルバム『』、パット・メセニーとチャーリー・ヘイデンのデュオ作『ミズーリの空高く』、クリス・ボッティのアルバム『』など多くのミュージシャンがカバーしている。日本では、ギタリストの渡辺香津美がアコースティック・ギターをメインに用いた『おやつ』、 大賀好修がB'zの松本孝弘のソロ・ワークス『Theatre of Strings』でカバーしている。本作はいくつかのバージョンで発表されている。日本では173分版と123分版が公開・ソフト化されている。短縮版(「劇場公開版」)と長尺版では、映画の主題が大きく異なっている。短縮版では映画館「パラダイス座」が物語の中心となるのに対し、長尺版では主人公の人生に焦点が置かれており、青年期のエレナとの恋愛や壮年期の帰郷後の物語が丹念に描かれる。このためにラストシーンは同じであるが、1988年にイタリアで劇場公開された「オリジナル版」の上映時間は155分だった。しかし興行成績が振るわなかったため、ラブシーンやエレナとの後日談をカットして123分に短縮されて国際的に公開され、成功を収めた。このバージョンの編集も監督本人が手がけている。2002年には、173分のディレクターズ・カット版が公開された。155分版にはエレナの母親が立ち姿でトトと電話で話をしているシーンが含まれるが、173分版ではカットされている。本作品の日本における初公開は、1989年12月。東京・銀座4丁目、和光裏にある200数席ほどのシネスイッチ銀座において、40週におよぶ連続上映を行った。さほど大きくないこの劇場において、動員数約27万人、売上げ3億6900万円という驚くべき興行成績を収めた。この記録は、単一映画館における興行成績としては、2012年現在においても未だ破られていない。日本では、DVDはバージョンの異なる2種類がアスミック・エースから同時に発売された。いずれも一般的な片面2層。この2枚をセットにしたツインパックは限定発売。ほかに、大型本『世界名作シネマ全集 第24巻 ヨーロッパ映画の秀作』の付属DVDとして映画『道』とともに劇場公開版が収録されている(日本語吹き替え、予告映像あり)。
出典:wikipedia
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