ハリー・ジェームズ・ポッター()は、J・K・ローリングの小説ハリー・ポッターシリーズ、およびその派生作品に登場する架空の魔法使いである。本作の主人公。ホグワーツ魔法魔術学校グリフィンドール寮に所属する男子生徒である。孤児として親戚の家で不遇な暮らしをして育った。11歳を迎える年のある日突然、ホグワーツから入学許可証が届いたのをきっかけに、亡くなった両親が魔法使いであったこと、そして出生時に下された予言により、闇の魔法使いヴォルデモートを倒す宿命を自分が負っていると告げられる。人間界では一介の少年に過ぎない生活を送っていたが、魔法界では本人が戸惑うほど重要な人物としてあまねく人々から知られていたのだった。一人前の魔法使いになるべく、同級生のロン・ウィーズリーやハーマイオニー・グレンジャーらと共に、ホグワーツにて学生生活を送りつつ、ライバルのヴォルデモートなどの闇の魔法使いたちによる数々の陰謀に立ち向かう冒険の日々を通して、たくましく成長していく姿が物語で描かれている。魔法界では生き残った男の子 (The boy who lived)と呼ばれる。髪の毛は黒くクシャクシャな癖毛で、瞳は明るい緑色。小顔で細面で、近眼のため丸眼鏡を着用。同年代に比べ小柄で痩せているが、6巻では前巻と比べて身長がかなり伸びているとされた。額に稲妻の形をした傷があり、初対面の人には必ずと言っていいほど見られる。また両親を知る人物からは、外見は父に生き写しだが、アーモンド状の緑の目だけは母の目だと言われる。1980年7月31日、ゴドリックの谷に住む魔法族のポッター家に、長男として生まれる。1981年10月31日、ポッター家をヴォルデモートが襲撃する。これはハリーが生まれる少し前、シビル・トレローニーがアルバス・ダンブルドアに対して「ヴォルデモートを打ち破る者」の誕生を予言し、その予言の一部を盗み聞きしたセブルス・スネイプを通して自身を倒す可能性を秘めた者の存在を知ったヴォルデモートが不安因子を排除しようとした末の行動であった。家を襲撃してきたヴォルデモートに対し、父ジェームズは家族を守るべく戦おうとするが死亡。その後、母リリーも息子を護ろうとして亡くなるが、この時、母の愛情に基づいた自己犠牲が呪いに対する防御魔法として作用し、ハリーを襲ったヴォルデモートの「死の呪い」を跳ね返した。その結果、当時1歳だったハリーは額の傷1つだけで生き残り、逆に弱体化したヴォルデモートは失踪した。魔法界はヴォルデモートの失踪を喜び、ハリーを「生き残った男の子」 として英雄視するようになる。一方で当のハリーは、母の血縁と同居すれば母の血の守りが継続するというダンブルドアの計らいで、伯母ペチュニア・ダーズリーの家に預けられ、以降、17歳(魔法界の成人年齢)になるまで伯母一家と同居することになる(住所はサレー州リトル・ウィンジング、プリベット通り四番地)。しかし、ダーズリー家は魔法に対して頑ななまでに否定的な態度を取っており、ハリーは両親や自分が魔法使いであることを知らされないまま、伯母一家の冷遇に加え虐待を受けながら育った。1991年7月31日(ハリーの11歳の誕生日)、ホグワーツ魔法魔術学校への入学案内書を手にやってきたルビウス・ハグリッドから自身が魔法使いであることを知らされる。そして9月1日、ホグワーツ魔法魔術学校に入学する。本編終了後は魔法大臣キングズリー・シャックルボルトの依頼により魔法省の闇祓いとなった。2007年には魔法省の闇祓い局の局長に史上最年少で就任し、度々ホグワーツに出張し闇の魔術に対する防衛術の講義を行っている。また、傷は最後まで消えることはなかったが、ヴォルデモートを葬った後19年間痛むことは一度もなかったという(映画では、ヴォルデモートの消失によりハリーが分霊箱では無くなったことを示す為か、傷が完全に消えている)。正義感が強く、優しさを持つ謙虚な少年である。他者からの評価として、母校の師・セブルス・スネイプは「父親に似て傲慢(スネイプの過去から、顔が瓜二つのハリーに対し否応無しにジェームズが連想される為にジェームズの性格を押し付けている)」、母校の師であり父の旧友・リーマス・ルーピンは「父親に似て友達思い」と評するが、同じく父の旧友・シリウス・ブラックは「あまり父親似ではない」、母校の校長・アルバス・ダンブルドアは「母親の方に似ている」と評している。実際に物語において、母リリーに似て正義感が強く謙虚で優しい少年であり、父ジェームズのように自身の才能を誇示する等の傲慢さは見せない。ハリーは幼少時に魔法界から隔絶され、叔母一家から長期間冷遇されながら育ったため、自分に自信が無く卑屈な面がある。陰湿な環境で育ったことはスネイプとの共通性がある(詳細を後述)。優しさや仲間思いの性格が裏目に出ることも多々あり、ヴォルデモートはハリーを「周りで他の奴がやられるのを見ておれぬ奴」とし、これをハリーの大きな欠陥としている。この点は親友のロンやハーマイオニーにも指摘されている。5巻ではこの友人への侠気を利用されたことが原因で、シリウスを神秘部へ来させてしまう事態にもなった。一方で頑固な面もあり無鉄砲な行動を取ることもある。激しい怒りを覚えると容赦なく許されざる呪文を使うこともあるが、死の呪文だけは絶対に使うことはない。14-15歳(4-5巻)では思春期に加え、ヴォルデモートとの精神的な繋がりから情緒が不安定であった。また皆が闇の魔法使いを恐れて名指しせず「例のあの人」と指す中で、ハリーは恐れずヴォルデモートと呼称する。このハリーの大胆な習慣は現実の危険を招くものであった。7巻の探索の旅では、死喰い人に居場所を探知される名指しは禁忌であるとロンに注意されていたにも関わらず、感情が高ぶって口に出してしまい、一行が死喰い人に拉致されるきっかけとなっている。グリフィンドール所属であり、両親共にグリフィンドール出身であるが、ハリー自身はサラザール・スリザリンがスリザリン生に望んだ能力(臨機の才、巧妙さ、決断力、やや規則を無視する傾向、蛇語能力)も備えており、グリフィンドール生としてよりもスリザリン生としての適性が高い(ハリーの持つ蛇語能力は「パーセルマウス」と呼ばれ、これはヴォルデモートがハリーを殺そうとした際、彼の魂の一部が分割を起こしてハリーの魂にしがみ付いたが為にもたらされた能力であり、ハリーの魂からヴォルデモートの魂が消失すると、それに伴いパーセルマウスではなくなった。作者曰くハリー自身はこれを喜んでいるという)。更にハリーの先祖は、何世紀にも前に姓名が絶えてしまった純血の家系であるペベレル家の三男、イグノタス・ペベレルであり、スリザリン出身のヴォルデモートの先祖はそのペペレル家の次男、カドマス・ペベレルである。つまりハリーとヴォルデモートのその先祖たちは兄弟同士であるので、このことからもハリーがスリザリンに関連していることがわかる。組み分け帽子にも「スリザリンに入れば君は大成する」と言われ、スリザリンに組み分けされそうになった(2巻において組分け帽子がハリーをスリザリンに入れようとしたと明かした)が、ハリーがロンからスリザリン出身者は闇の魔法使いが多いことを聞き、嫌悪するドラコ・マルフォイがスリザリンに入ったため、組分け帽子にスリザリンへの入寮拒否を希望し、グリフィンドール生となった。学問はあまり好まないため教科によってむらがあるが、ほとんどで成績は平均よりも良好。また、低学年の頃から実戦経験が多かったため「闇の魔術に対する防衛術」に関してはひときわ優れた能力を持ち、O.W.L試験では学年一位を獲得し、一人前の魔法使いでも困難といわれる「守護霊の呪文」を13歳で成功させている(守護霊は牡鹿)。5巻で結成されたダンブルドア軍団ではリーダーを務め、他のメンバーに「守護霊の呪文」や「盾の呪文」、「武装解除呪文」、「失神呪文」などの防衛術を教えた。「『半純血のプリンス』の蔵書」の研究に没頭したので闇の呪文も使用することができる。唯一「閉心術」については、ヴォルデモートの精神干渉を阻止すべく、5学年時にセブルス・スネイプから特別授業を受けることになるが、思いがけず彼のトラウマに触れてしまったこともあり、中途で授業を止めてしまう。その後、作中で「閉心術」を使用する描写は見られない。箒の飛行についても優れており、ミネルバ・マクゴナガルは「生まれつきそう(=クィディッチの優秀な選手)なのです」と発言している。本人はクィディッチのことを唯一の特技だと思っている。寮対抗クィディッチ試合では1年次からシーカーを務め、6年時ではキャプテンを兼任する。父は旧家出身の魔法使いジェームズ・ポッター、母はマグル生まれの魔女リリー・ポッターである。名付け親はシリウス・ブラック。兄弟姉妹はいない。後にジニー・ウィーズリーと結婚しウィーズリー家と親戚関係になるが、ジニーとロンの父方の祖母セドレーラ・ウィーズリーと自らがかつて敵対していたドラコ・マルフォイの母ナルシッサ・マルフォイもブラック家出身であるため、ハリーはウィーズリー家とマルフォイ家とは元々血縁関係ということになる(ロンの妹のジニーと結婚したためロンとハーマイオニー夫妻はハリーから見て義兄・義姉にあたる姻戚になる)。7巻では、前述にもあるように何世紀も前に絶えたと言われた純血の一族ペベレル家の血を引いていたことも明らかになり、ペベレル家の三男、イグノタス・ペベレルがハリーの先祖であり、ヴォルデモートの先祖はそのペペレル家の次男、カドマス・ペベレルであり、ハリーとヴォルデモートのその先祖たちは兄弟同士であり、ハリーとヴォルデモートは遠い血縁関係である。母方はエヴァンズ家。親族には伯母ペチュニア・ダーズリー、ペチュニアの夫バーノン・ダーズリー、夫妻の息子である従兄ダドリー・ダーズリーがおり、三人ともマグルである。以下は裏設定である。(ポッターモアより)父方はポッター家。西イングランドの旧家であるが、子孫の多くが近所のマグルと結婚するなどするため「聖二十八族」には属さない。ポッター家の系統は以下である。人間界では、ガキ大将だったダドリーにいじめられていたために学校で孤立しており、友人はいない。一方、魔法界では友人が複数おり、その中でも特にロン・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャーの2名は親友である。ロンとはホグワーツ魔法魔術学校に入学する前、ホグワーツ特急のコンパートメントで一緒になって以来の付き合いである(ただし4巻で一時仲違いしたこともある)。その関係でロンの実家であるウィーズリー家の面々とも親しい。ハーマイオニーへの当初の印象は好ましくなかったものの、トロールに襲われているところをロンと共に助けたことがきっかけで親しくなり、それ以来三人で行動することが多くなる(ただし3巻で一時仲違いしたこともある)。それ以外の友人については下記を参照。3巻でレイブンクロー寮のシーカーである美少女チョウ・チャンに一目惚れし、初恋を経験する。その後、5巻で2人は交際を始め、ハリーは初めてのキスをチョウと交わした。しかしそれから間もなく別れることになった(破局に至った経緯は小説と映画で異なる)。そしてグリフィンドール寮のクィディッチチームとダンブルドア軍団に入ったロンの妹ジニー・ウィーズリーと親しくなるうちに異性として意識するようになり、いつしか真剣な恋に落ちる。6巻では、ロンが開心術の使い手でないのを感謝するほどジニーの夢を頻繁に見る等、ジニーへの想いが抑えられず、かといって兄や交際相手がいるジニーへの恋心を誰にも打ち明けられず、ハリーは逡巡する日々を送る。しかし、ハリーがひそかに起こしたある出来事を機に、ジニーは不仲だった交際相手ディーンと別れる。その後、クィディッチ対抗戦でグリフィンドール寮チームが優勝した夜、ハリーは駆け寄ってきたジニーと思わず抱き合い、他の寮生たちの見ている前で、熱いキスを交わす。この夜を機に2人は皆が公認のカップルとして交際を開始する。6巻終盤、ヴォルデモートと決着をつけることを決意したハリーは、ジニーの安全を守るために彼女へ別れを告げるが、物語終了後に結婚し、三人の子供に恵まれる。この他、2巻では嘆きのマートル、6巻ではロミルダ・ベインからそれぞれ好意を寄せられている様子が描かれる。またパーバティ・パチルとは、4巻のダンスパーティーのパートナーとなった。スリザリン寮生、同学年のドラコ・マルフォイはライバルで入学前から対立関係にあり、流血の決闘も繰り広げる。自分を冷遇してきたダーズリー一家とも長らく不仲だったが、最終的には和解した。ハリー最大の敵はヴォルデモートであり、彼とは額の傷にある呪いを通じて精神的に繋がっていた。またヴォルデモートの部下である死喰い人、特にシリウスを殺害したベラトリックス・レストレンジを憎んでいる。(レストレンジはハリーが初めて「許されざる呪文」のひとつ、「磔の呪い」を使った相手となった)セブルス・スネイプのことも嫌悪していたが、7巻でスネイプの過去を知り、考えを改めて尊敬するようになった。なお、幼少期に陰湿な環境で養育された共通性がハリーとスネイプにはある。また三大魔法学校対抗試合にてスネイプの魔法薬を使用したり、スネイプから閉心術の個人授業を受けたり、スネイプの記述した「『半純血のプリンス』の蔵書」の研究に没頭(そのためハリーの学業の成績は良くなった)するなど、本作において二人は非常に関連性が強い。スネイプの最期を看取ったのもハリーであった。物語終了後はホグワーツには復学せず、ロン、ネビルとともに魔法省に入省して闇祓いとなる。そしてジニー・ウィーズリーと結婚し、2男1女をもうけた。子供たちはポッター家、ウィーズリー家、ブラック家、ペベレル家の血を引く。また、ルーピン夫妻の息子テディ・リーマス・ルーピンの後見人も務めている。映画では『賢者の石』から登場。ダニエル・ラドクリフが演じていた(日本語版の吹き替えは小野賢章が担当した)。ゲームでは『賢者の石』と『秘密の部屋』は矢島晶子、『クィディッチワールドカップ』と『アズカバンの囚人』は山口勝平、『炎のゴブレット』は山本泰輔が日本語版の声を担当していた。舞台『"Harry Potter and the Cursed Child"』は、イギリス初演においてジェイミー・パーカーが演じる予定。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。