シシャモ(ししゃも、柳葉魚、"Spirinchus lanceolatus")は、キュウリウオ目キュウリウオ科に属する魚。食用とされる。世界中でも北海道の太平洋沿岸の一部でしか獲れない。漁獲高の減少のため、キュウリウオや輸入品のカラフトシシャモ(カペリン)が「シシャモ」として食卓に上ることも多い。同じキュウリウオ科に属しているものの、キュウリウオはキュウリウオ属、カラフトシシャモはカラフトシシャモ属の別の魚である。回遊魚であり、晩秋に産卵のため川を溯上する。この時期の卵を持った雌は子持ちシシャモといい、酒肴として珍重されているが、雄の方が高価である。また雄雌共に大きい(太い)ほど味がよいともいわれるが、その反面、大きくなるほど骨も大きく硬いものになるため食べにくいとも言う。一夜干しのほか、糠漬け、珍味、漬物、フライ等にもされる。また、10-11月の漁期には地元で刺身や寿司ネタともなる。北海道勇払郡むかわ町の町魚である。なぜ北海道の太平洋沖にしか回遊しないのか、詳しい生態は未だ謎のままである。「シシャモ」という名称は、アイヌ語の(、語源は()=柳、()=葉とされる)に由来する。シシャモに関するアイヌ民族の伝説は複数の種類がある。また、語源として「スス=柳」、「ハム=魚」以外に、「シサク(美しいの意)」説や「シサム(日本人の意)」説など諸説ある。本種は、遡河回遊魚であり、産卵のために10月から12月にかけて河川へ遡上し、雌は河床の砂礫に産卵する。産卵は底層流速が 0.6 m/sec 未満の場所に多い。産卵時は夜間に雌雄1対となり、雄は魚体を弓状にそらせて雌を抱え込み、臀鰭を雌の腹鰭基部から尾柄付近までの間に巻き込み、両生殖孔付近に生じる空間において受精が行われる。雄の臀鰭は、10月頃からの性成熟に伴い二次性徴として伸張する。この現象は、 "Tymallus tymallus" の背鰭およびオイカワ "Zacco platypus" と同様に抱擁器官として使われ、受精率を高めるために重要な役割を果たしている。産卵後における成魚のほとんどは斃死するが、雌の一部は下りシシャモとして海にもどり、翌年満2歳(通称3年魚)で再び産卵に参加する。これまで文献により、シシャモの産卵遡上が確認されている河川は、北海道太平洋の襟裳岬の西側では9河川、東側では7河川である。シシャモ卵は外囲に粘着膜を有し、それが受精後に反転して河床の底質材料などに付着する。受精卵は、河川で発生を続け、翌年の4月から5月にかけて孵化する。仔魚は、直ちに降海し、約1年半の海洋生活を経て、成魚となって再び河川へ遡上する。鵡川の河口周辺海域における仔魚は、水深帯4-8 mに多く分布している。海域におけるシシャモは、遊楽部川から別寒辺牛川の沖、水深120m以浅に分布し、産卵期になると各河川の沿岸域に密集する。資源動態や形質遺伝的な系統が解析され、襟裳岬を境界とした太平洋側の西部海域と東部海域における系群の相違が示唆されている。本種は、地理的な分布の特異性と、個体群の減少から保護を要する野生生物の対象となり、留意種(日高以西の個体群は保護に留意すべき地域個体群)として北海道レッドデータブックに記載されている。アイヌの口碑伝説と記録の一つにあるシシャモ豊漁祈願の儀式。現在も北海道むかわ町で行われている。神様に人間の言葉を届けてくれる神様アペフチカムイがいる炉を囲み、大地の神、水の神、山の神などへ、恵みへの感謝と豊漁への祈願を行う。なお、この儀式を行っている鵡川アイヌ文化伝承保存会は、平成6年に国の重要無形民俗文化財保護団体に指定されている。
出典:wikipedia
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