『爆走デコトラ伝説』(ばくそうデコトラでんせつ)は、1998年に、ヒューマンからリリースされたプレイステーション用レースゲーム。略称は『デコ伝』。1999年にTYOからリリースされた「~アートカミオン~芸術伝」も、製作スタッフの関係でシリーズ関連作品として本稿で取り上げる。ヒューマンではかつてより『ヒューマングランプリ』シリーズというF-1をテーマにしたレースゲームを作っていたが、ヒューマンらしいレースゲームを新たに企画した際に持ち上がったのがデコトラ(アートトラック)を題材にしたゲームだった。トラックをプレイヤーの手で装飾し、自分だけのアートトラック(デコトラ)で競走して日本一のトラッカー(トラック運転手)を目指すというコンセプトで開発され、このゲームの最大の特徴の一つでもある「車線変更システム」も企画段階で採用された。荷台を彩るペイントや装飾品はその筋の一流ペインターの監修を受ける、レース中のBGMに演歌を採用する、シンプルな操作性などが好評価を受け、人気作品のひとつとなった。翌年のヒューマンの倒産により、名称を継承した続編がスパイクから、メインスタッフが移籍し新たに手がけた作品がティー・ワイ・オー(TYO)からそれぞれリリースされ、しばらくしてスパイクとジャレコ(メインスタッフの再移籍先)が共同制作をした続編もリリースされた。シリーズのイメージ車両は『芸術丸』及び『一番星』。CERO B区分(12歳以上対象)。以下本稿では各作品を特記の無い限り『 』内の名称で記す。その他、操作に関して「○○ボタンを押す」と記す場合はそれぞれ各作品の初期設定の状態で説明する。作品によって名称は異なるが、概ねこのように大別される。(プレイステーション用 1998年6月25日 / 廉価版(PlayStation the Best) 1999年11月11日 ヒューマン)第1作、すべてのデコトラゲームの基礎となった作品。ロゴタイプの中に「ART TRUCK BATTLE」と表記されている。監修にデコトラのペイントを数多く手がける関口工芸の関口操を迎える。関口はゲーム内でも「関口親分」と称し、トラックをドレスアップするショップの親父(親分)という役柄で登場する。プレイヤーへのアドバイスを行うほか、タイムアタックでは親分が今作のメインイメージ車両でもある「芸術丸」で勝負を挑む。BGMに演歌を取り入れ、北岡ひろし、安藤ひろ子(縣ひろ子)などの歌曲を採用し、志倉千代丸が楽曲製作やBGM作曲として参加。自動車レースゲームとしてはエポックメイキングな作品であり、35万本を売るヒット作だったにもかかわらず、その後ヒューマンは倒産。その後、デコトラを題材にしたゲームは2つの道に分かれていく。カッコ内はゲーム中での名称。サウンドトラック盤は「爆走デコトラ伝説 ~男一匹夢街道~オリジナル・サウンドトラック&ヴォイスコレクション」(品番・FSCA-10044)としてファースト・スマイルエンタテインメントより発売。『真・デコトラ伝説』では北岡・安藤が歌唱してない楽曲についてはリメイク及びリテイクされ、エンディング曲の「かささぎ橋」は使用されていない。「かささぎ橋」はゲーム版では1コーラスのみの収録だが、サントラ盤ではフルサイズで収録されている。(プレイステーション用、1999年12月16日 ティー・ワイ・オー / 廉価版 2002年12月12日 アルファユニット)「真デコレーショントラックシリーズ」と銘打った、『初代』に次ぐデコトラゲーム作品であり、「デコトラ伝説」の名前ではないが『初代』の流れを汲む作品として大幅な進歩を遂げた。アートカミオンとは、デコトラのもう一つの呼称である「アートトラック」のトラックの部分をフランス語やイタリア語の「カミオン」に置き換えたものである。スタッフは『初代』のメンバーが参加し、ディレクターに細渕哲也、監修に関口操を引き続き起用。なお、ロゴマークの「芸術伝」の筆文字も関口が書いたものを使用している(ロゴマークの右下に関口のフルネームの入ったマークが付けられている)。『初代』で楽曲製作に携わった志倉千代丸が『2』の制作側に回ったため、サウンドプロデューサーとして新たに後藤重満 (スキャット後藤)が起用される。BGMには今作でも演歌を採用し、歌唱する演歌歌手は北岡ひろし・安藤ひろ子が引き続き起用されている。当作品のパッケージ等に登場しているメイン車両は日野 クルージングレンジャーベースの芸術丸III(後に発売される『全国デコトラ祭り』でもメイン車両として登場する)。本作は『2』と同時発売ではあるが、公式発表がこちらのほうが早かったため本稿ではこちらを先に取り上げる。今作では大きく分けて本編及びストーリーモード(外伝)の「天下一勝負」と2P・ロジック対戦及びタイムアタックの「最強最速戦」の2つのモードから構成される。全体のガイド役として朝倉かずみがゲームの進行や案内を行う(天下一勝負・本編では主人公が契約として入る運送屋の事務員という設定)。ただし前作の藤沢久美とは異なり外伝には登場しない。ゲーム画面も一新し、レーダーや荷物破損ゲージも見やすく変更され、視点は前作と同様に、標準・迫力・ドライバー視点(ドライバー視点はメーター内に荷物破損ゲージが表示される車内のダッシュボードが見える視点)と、△ボタンを押すことで自車の回りを回転しながら映す特殊視点(トンネルや橋などを通過するときは車両正面を映す)がある。天下一勝負の本編及び外伝の「帰港」編をクリアするとエンディングとして実車の芸術丸IIIが登場するムービーが流れる。(船出・海戦編は黒背景のシンプルなエンディングとなる)サウンドトラック盤は「~アートカミオン~芸術伝 爆走音盤」(品番・MJCG-80019)としてマーベラスエンターテインメントより発売(販売元・バップ)。「生命(いのち)」「天籟の道」及び2P対戦専用曲と記されてるものは『真・デコトラ伝説』では使用されていない。(プレイステーション用 1999年12月16日 / 廉価版(PlayStation the Best) 2000年12月7日 スパイク・ヴァイル)『デコトラ伝説』のタイトルがヒューマンからスパイクへ移ってから初めての作品であり、『芸術伝』と同じ日に発売された。タイトルこそ引き継がれたが、製作スタッフが変更され前作とやや異なる作りになった。本作のメインイメージ車両はオリジナルの「二代目一番星」。オープニングムービーや広告などには中型カーゴ車「烈火伝」ともう1台のダンプが登場しているが本編では登場していない。イメージキャラクター、監修、ボイス出演に映画『トラック野郎』シリーズ主演の菅原文太(桃次郎)を起用。ナレーションにはユースケサンタマリアを起用している。特定のペインターの監修は一切受けていない。BGMには今作でも演歌が取り入れられているが、歌唱を担当する演歌歌手は北島三郎ファミリー(小金沢昇司、山本譲二、原田悠里、和田青児など)に変更されている。前作で楽曲を担当した志倉千代丸は今作でも引き続き楽曲製作に起用される。そのため志倉が作詞・作曲を手掛けた前作のメインテーマ曲「男一匹夢街道」は本作では和田が歌唱することになる。初版には「Driver」の体験版と「V-RALLY CHAMPIONSHIP EDITION 2」のムービーを収録したディスクが同梱されていた。サウンドトラック盤は「爆走デコトラ伝説2~男人生夢一路~オリジナルサウンドトラック」(品番・CRCN-45595)として日本クラウンより発売。これらの曲は「オプション」内の「歌選択」の項目で聞くことができるが、「男人生夢一路」「男一匹夢街道」など、テーマ曲やオープニング・エンディング曲は聞くことはできない。(プレイステーション2用 2003年1月23日 / スペシャル 2003年11月6日 スパイク・パオン)「デコトラ伝説」シリーズとしてプラットフォームをPS2にしてから初の作品であり、この作品のみロゴタイプが異なる。BGMは『2』から引き続き北島三郎ファミリーを起用し、サウンドコーディネーターとして志倉千代丸も引き続き起用。一部楽曲の作詞作曲も手掛ける。当作品のイメージ車両は引き続き『2』にも登場した「二代目一番星」と「烈火伝」。ただしどちらもオープニングのムービーに登場するものの(烈火伝のみパッケージにも登場)、本編では登場しない。サウンドトラック盤は「爆走デコトラ伝説 男花道夢浪漫 オリジナルサウンドトラック」(品番・CRCN-20291)として日本クラウンより発売。(プレイステーション2用 2005年2月10日 / 廉価版(Spike The Best) 2006年7月13日 スパイク・ジャレコ)シリーズの原点に戻り、『初代』及び『芸術伝』(本項では2作品を合わせて表記する場合「旧2作」と記す)のスタッフが再結集する。ディレクターにジャレコへ転じた細渕哲也、監修とアートデザインに関口操、演歌歌手に北岡ひろし、越乃ひかる、神園さやか、縣ひろ子(安藤ひろ子)を起用し、サウンド製作者として『デコトラ伝説』シリーズに参加している志倉千代丸と『芸術伝』に参加したスキャット後藤(後藤重満)が参加している。ロゴには「DECO-TORA X GEIJUTSU-DEN」と旧2作からの続編であることをアピールしている。今作のメイン車両は日野・スーパードルフィン プロフィアのウイング車をベースにした「芸術丸IV」で、芸術丸としては初の大型車である。本作ではメインモードである「全国制覇」のほかに、『初代』から復活した「頂上戦争」(タイムアタックモード)「男の華道」(ストーリーモード)と、新たに登場した「名車勝負」「グランドカミオン」、さらにライバル車両や絵柄を鑑賞できる「車両図鑑」と「絵柄図鑑」の7つのモードで構成されている。各モード選択や「全国制覇」での全国地図による行先選択等『初代』の雰囲気を出しつつも、レース画面や操作方法、ショップ(関口工芸)など基本的なシステムは『芸術伝』をベースにし、レース画面外のBGMもそれぞれで使われたものを使用している。それによりスパイク系の2作にあったニトロ機能「男の気合」や一般車のスリップストリームが廃止された。ゲーム画面のメーター上部に緑のゲージが3つ表示されているが、今作では速度灯であり特に使用されていない。さらに敵車両を含むほかの車両にぶつかった時にはゲージ脇に「やばい!」と表示される。北陸自動車道は削除されたが、首都高速湾岸線をイメージした湾岸自動車道と北海道の峠道がコースに加わる。関口親分がショップ(関口工芸)と頂上戦争のタイムアタックだけでなく、全国制覇モードにも「芸術丸」シリーズで登場する。関口親分も含めライバルも含め全キャラがフルボイスになった。そのほかに志倉や北岡(友情出演)もエンディングにクレジットされている。サウンドトラック盤は「真・爆走デコトラ伝説 〜哀愁挽歌集」(品番・SCDC-00400)としてサイトロン・デジタルコンテンツより発売。「未練酒」及び「別れ道」は『初代』のリテイク版であり、歌詞はそのままに曲そのものを作り直している。「真・男一匹夢街道」「心変り」「花恋歌」「男道」は本作向けにリメイクされたものであり、『初代』版の『男一匹夢街道』と『芸術伝』版の「男道」も本作に収録されている。『芸術伝』では2コーラスでフェードアウトされた縣ひろ子(安藤ひろ子)の「マニキュア」は本作ではフルバージョンで収録されている。なお本作に収録された『初代』及び『芸術伝』の収録曲(サントラには未収録)はここでは割愛とする。(ワンダースワン 1999年12月29日 ヒューマン・加賀テック(ナグザット))(ゲームボーイカラー専用、2000年7月21日、ヒューマン・KID)(Wii用 2008年2月28日 ジャレコ)『デコトラ伝説』のシリーズには入っていないが、ヒューマン系3作品のスタッフが手掛けたデコトラゲーム。イメージキャラクターとしてRIKIが新たに起用され、監督に細渕哲也、監修に関口操、エグゼクティブプロデューサーとして志倉千代丸も参加している。BGMが演歌でなくなったため、ヒューマン系の3作品でBGM歌唱を行った北岡ひろしはメインではなくなったものの、今作でも参加している。その他の内容は全国デコトラ祭りの項目を参照。(ニンテンドーDS 2008年3月20日、スパイク・ディアフィールド)(ソーシャルゲーム(Mobage) 2011年8月1日(2012年10月26日サービス終了) スパイク・チュンソフト)Mobage向けに提供されていたソーシャルゲーム。フィーチャーフォン対応で基本料無料のアイテム課金制。2012年10月26日にサービス終了。本シリーズの影響を受けてか、トラックを運転できる自動車レースゲームは下記のような作品がある。
出典:wikipedia
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