バイオセーフティーレベル()とは、細菌・ウイルスなどの微生物・病原体等を取り扱う実験室・施設の格付け。例えば「レベル4」の実験室はよく BSL-4 と呼ばれ、かつては物理的封じ込め (Physical containment) と呼ばれ、P4 ともいわれていたが、P が "Pathogen"(病原体)や "Protection level"(防御レベル)の略などとされることもあって混乱が生じたため、現在ではバイオセーフティーレベルもしくは BSL の名称を用いるようになった。世界保健機関 (WHO) が制定したLaboratory biosafety manual(和訳:実験室生物安全指針)に基づき、各国で病原体の危険性に応じて4段階のリスクグループが定められており、それに応じた取り扱いレベル(バイオセーフティーレベル)が定められている。微生物・病原体などはその危険性に応じ、各国により次の4段階のリスクグループに分類される。病原体などの危険性は地域の環境に左右されるため、病原体などのリスク分類は地域ごとに定めることになっている(p. 2)。日本では、厚生労働省所管の国立感染症研究所が、国立感染症研究所病原体等安全管理規定(第三版)の別表2・別表3 (p. 19-36) において日本国独自のリストを作成した。特に別表3は感染症法の定める特定病原体などをリスク分類したものである。「バイオセーフティーレベル」は「リスクグループ」に対応している。例えばリスクグループ3の病原体は、バイオセーフティーレベル3以上の実験室で扱うとしている。ただしこれはあくまで原則である。例えばリスクグループ2の病原体でも、高濃度のエアロゾルが発生するような作業などでは、バイオセーフティーレベル3の実験室で行なわないと危険である(p. 2-3)。各国が別々に定めるリスクグループとは異なり、バイオセーフティーレベルの要件は世界共通で次の通りである。(レベル1に加えて)種名がわからない検体など「適切なリスク評価を実施するために必要な情報が(中略)不足している場合(中略)には、基本的な封じ込め策-バイオセーフティレベル2」を適用する(p. 8;原文p. 8)。レベル2までと異なり、封じ込め実験室である。要件は次の通り。(レベル2に加えて)最高度安全実験施設である。レベル3に加えて、レベル4の実験室は他の施設から完全に隔離され、詳細な実験室の運用マニュアルが装備される。(レベル3に加えて)レベル4の実験室がある国は限られており、日本では国立感染症研究所と理化学研究所筑波研究所にのみ、レベル4実験室が設置されているが、近隣住民の反対により、レベル3での運用のみ行なわれている。しかし、交通網の発達などによって高度にグローバル化が進み、現実にBSL-4生物の非流行地域への輸入が年間数例起こっている現代においては日本もその脅威の例外ではなく、リスクグループ4の病原体などによる感染症が発生した場合の対処の遅れや、感染症の研究不足の視点から、施設を稼動させるべきとの声もある。上記のような事態が現実に日本で起こった例として、1987年に海外渡航者がラッサ熱に感染して帰国し、帰国後発症した事例がある。稼動中のBSL-4施設がないために国内での確定診断・治癒確認が不可能で、検体をアメリカに発送して確認を仰ぐ事態となった。なお遺伝子・血清学的診断などのウイルス学的検査は、国立感染症研究所村山庁舎のウイルス第一部第一室において対応可能である。2015年8月7日、厚生労働省は、国立感染症研究所村山庁舎を国内初のBSL-4に指定した。2016年現在、長崎大学へのBSL-4設置に向けた協議が進んでいる。世界におけるレベル4・3に対応する施設は以下の通り
出典:wikipedia
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