飛田 泰三（ひだ たいぞう、1972年 - ）は日本の現代音楽の作曲家。大阪府出身。京都市立芸術大学音楽学部卒業後、松平頼暁に師事。1997年入野賞受賞。2000年にはガウデアムス音楽週間内若手作曲家対象国際コンクールで、二作品が同時入選した。機会音楽なども作曲した。デビュー時にはサルヴァトーレ・シャリーノやカイヤ・サーリアホなどの影響から一小節中に100以上の音符が精緻に描きこまれる正統な現代音楽の流れを汲んでいたが、近年ではほとんど聞こえない空間の創造を徹底している。「線の感覚(1999)」や「花粉(2001)」では高次倍音がまだ偶発的に聞こえていたが、「眩暈(2003)」や「レイン・タクティル・ピアノ(2004)」ではほとんど何も聞こえず、身近な物音と舞台上の音量がほぼ変わらないどころか、物音のほうが音量が大きく聞こえることすら見られる。聴き手にも演奏家にも、一切の媚びのない希薄な音色の屹立のみで音楽を創造する硬派の作曲家である。彼は現時点で「誰の音楽の模倣ともみなせない音楽」と、自分の音楽を語る。楽譜を一種の視覚詩とみなしており、画廊を用いたスコア展示を自作発表ともみなしている。

出典:wikipedia