鍾乳石(しょうにゅうせき、)は、洞窟生成物 (石灰華生成物、二次生成物とも)のうち、洞窟の壁や天井からつらら状に垂れ下がるもので、つらら石(氷柱石)とも呼ばれる。広義では、石筍や石柱等を含む洞窟生成物の総称としても使用される。鍾乳石という語は、3世紀の後漢末の本草書『神農本草経』中巻玉石部中品に「」とあり、また、正倉院所蔵の奈良時代の石薬中に鍾乳床がある。日本語の狭義の鍾乳石に相当する英語のstalactiteは、ギリシャ語で「滴る」を意味するstalasso (σταλάσσω)という語に由来する。また、英語のdripstone(点滴石、滴下石、水滴石、滴石)は、stalactiteだけでなく、stalagmite(石筍)や他の類似物をも含むより広義な用語である。鍾乳石(狭義)は、炭酸カルシウムを含んだ地下水が天井面に滲出して落下していく時に、炭酸カルシウムを方解石として晶出/沈殿させ、天井から垂れ下がるつらら状の石の棒として生じたものである。不純物や土壌由来の鉄イオンの多少によって色合いが変化し、白色〜黄土色〜茶色を呈するものが一般的である。形態用語であって、岩石種としては結晶質石灰岩である。金属鉱床を伴う地帯では、方解石ではない鉄や銅などを含む別鉱物種のものができることがあり、赤褐色や黒色、緑色、青色、水色を呈することがあるが、産出は稀である。鍾乳石の誕生は、炭酸カルシウムで飽和した一滴の雫から始まる。水滴がしたたりおちるとき、まず方解石の微小な晶出/沈殿が水滴の円周に沿ってリング状に天井面にできる。後から垂れてくる水滴は前のリングの先に新たなリングを次々に沈着させ、次第にそれが伸びていく。こうしてリングから細い(0.5~0.6mm)管状のものに成長し、鍾乳管(ソーダストローあるいは単にストロー)と呼ばれる中空状の細長い鍾乳石が生まれる。管の内部の穴が方解石の成長によってふさがれてしまったり、水量が増えてくると、水は外側を流れ始め、より沢山の方解石を沈積させるようになり、一般的なつらら状の鍾乳石の成長へと変わる。鍾乳管は長く成長することがあるが、とても脆い。1m以上の長さをもつものが稀にみられる。鍾乳管がよく発達しているのは、いわゆる密閉型の空間が大半である。鍾乳石の先端から落ちる水滴は、直下の床面により多くの方解石を集積し、最終的にはドーム状ないし円錐状、長柱状の突起物を形作る。これを、石のタケノコ、石筍(せきじゅん)という。鍾乳石と違い、石筍には、その初期段階において、ストロー状の細い管が形成されていない。鍾乳石は下に伸び、石筍は上に成長し、長い時間をかけて鍾乳石と石筍が連結し、柱状になることもある。そうなったものを石柱(石灰華柱、石灰石柱とも)という。最長の鍾乳石(広義)は、ブラジルのミナス・ジェライス州の (ポルトガル語で「森の王の洞窟」の意)内のSalão das Raridades(ポルトガル語で「珍奇の部屋」の意)にあるもので、2本の石柱が並んで立っており、いずれもほぼ直径が25cm、高さが12mある。鍾乳石と石筍は、コンクリート構造物の天井や床面にも形づくられる。これは、コンクリート中のセメントが石灰分を含むために起こるもので、白華現象(エフロレッセンス)の一種である。その形成スピードは天然の洞窟環境で作られるよりもコンクリート構造物で作られる方がずっと速い。スロベニアのポストイナ鍾乳洞で、1925年に洞窟内に作られたコンクリート製の橋にできた鍾乳管は1956年には約46cmに伸びた。しかし、同じ期間に石灰岩中のトンネルにできたものは1.3cmに満たなかった。別に、石灰洞の鍾乳管の成長速度について2.5~6mm/年、コンクリート鍾乳管で最大20cm/年、また後者の成因は二酸化炭素の逸散ではなく、中和反応によるとの研究もある。英単語では、天井から垂れる鍾乳石を"stalaCTite"、床面から伸びてくる石筍を"stalaGMite"とよび、なかなか覚えづらい。そこで、いくつか、こうした違いを覚えるための数え歌、戯れ歌のようなものがある。原文:和訳:
出典:wikipedia
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