『信長の野望・天下創世』(のぶながのやぼう・てんかそうせい)は、2003年9月12日にコーエー(現・コーエーテクモゲームス)から発売されたWindows用歴史シミュレーションゲーム。「信長の野望シリーズ」の第11作。2004年4月1日にPlayStation 2(以下、PS2)用に移植された。Windows Vistaには当初対応していなかったが、2007年10月2日のパッチで対応した。プレイヤーの目的は、プレイヤー自身が操作する大名家に指示を出すことで、全国の他大名を滅ぼすか、あるいは従属させ、日本全国を統一することである。本作では前作『蒼天録』で可能だった城主・軍団長でのプレイはできず、前々作『嵐世記』までで採用された、大名のみでのプレイに戻った。本作では町並み・合戦がフル3D化されたのが特徴である。城下町の発展、戦争中の状況の進展がリアルタイムで見ることが出来る。ただしPC版の場合、よりマシンパワーが必要となり、非力なCPU・ビデオカードだとスムーズにスクロールしないばかりか、合戦に1時間以上も時間がかかることがある。前作に比べてコマンドの煩雑さが簡略化され、ゲームがスムーズに進行する。またPC版の音楽は前作同様Windows Media形式で収録されている。これを利用すればゲーム中に任意のBGMを流したり、他の作品で本作のBGMを使ったりすることも可能である。また本作より武将グラフィックが1名あたり4枚用意されるようになった。56×70ピクセル、90×120ピクセル、240×240ピクセルおよび合戦中の武将の台詞表示時用のアイコンの4種類であり、一番大きなサイズのものは顔だけでなくバストアップまでが描かれている。なおPC版の通常の『天下創世』(以下、無印)では当初、一部複数の武将で同じグラフィックが使用されていたが、後にパッチで修正された。またこれまで『烈風伝』のものを踏襲したデザインのグラフィックだったが、本作から一新された。新武将は前作同様、1000人まで登録できるが、パワーアップキット版でも、一度にゲームに登場させられるのは500人までである。時代進行・合戦などによる寿命・討ち死に伴って武将が入れ替わるようになっている。なおこれまでのシリーズでは『覇王伝』以降、タイトルは末尾に「伝」「記」「録」が順番で繰り返しで付く漢字3文字のタイトルが続いていた(さらに5文字ではあるが『武将風雲録』も、更に順番も無視すれば『戦国群雄伝』も含めることができる)が、その順番通りであれば「○○伝」となるはずの本作でそれが崩れた。2006年10月6日にソースネクストからWin向け廉価版も発売された。それまでの同社販売のコーエー作品にはシリアルが付いておらずユーザー登録、すなわちそれに付随してパッチダウンロードやシナリオ購入などができなかったが、本作及び同時発売の作品にはシリアルが付属している。その代わりそれまでの作品よりパッケージの厚さや定価が変更された。さらに2008年には同社の「Uメモ」シリーズとして1GBのUSBメモリに収録したものも発売された。インストールが高速で、CD-ROMドライブを持たないパソコンにも可能なことや通常のUSBメモリとしても使え、削除後もソースネクストサイトから再ダウンロードが可能なこと(要ソースネクストへのユーザー登録)が特徴となっている。ただしUメモ版には前述のシリアルは付属していないため一部のサービスが利用できず、またパワーアップキットも適用不可能となっている。次作『革新』と比較すると、1枚マップでない分やや内政志向となっている。知行制は再び撤廃され、内政・合戦などによる勲功に応じて身分、そして最大兵数が決まるようになった。また大名居城以外の城には城主を任命することになるが、政治と統率の合計値により命令できる回数が決定される。ただし城主の身分が低い場合、城主よりも高い身分の家臣の忠誠度は毎ターン下がる。季節については本作品では1年を新春、春、梅雨、夏、秋、晩秋、冬、厳冬の8期に分けてターンが進んでいく。また本作ではこれまでのシリーズでは可能だった征夷大将軍と関白の兼任が、ゲーム開始時点で既にどちらかに就任している場合などを除き基本的にはできなくなっている。内政は前作『蒼天録』及び前々作『嵐世記』では奉行任命により半自動的に行われ、比重としては低かったが、本作では再び重要な位置を占めるものとなった。本作では内政は「開発」コマンドで「町並み」を作り、そこに「投資」することで行う。「投資」により作られる施設の種類は指定できない。また開発できる町並みの種類は「大名規模」「領地」「同盟」に左右される。具体的には領地と建設する町並みには相性があり、相性の悪い場合は開発にコストが掛かり、また建設できる建物のレベルにも影響する。また「農村」「商人町」「武家町」以外を建設するにはその町並みを作れる領地を自家あるいは自家の同盟国が保有している必要がある。同盟により作れるようになった町並みは同盟が切れるとそれ以降の開発や投資ができなくなる。以下に建設できる施設の一覧を示す(パワーアップキットでの追加施設を除く)。大型施設「黄金茶室」、「大仏」、「大聖堂」、「湯治場」、「交易所」、「八幡宮」、「本願寺」、「大社」については、基本的には城マップに1施設しか建設されない。必ず大型施設ができる八幡宮等も2区画目からは大型施設は出来ないようになっている。ただし、コンピューターが操作する大名の場合や、自国領地で大型施設が破壊され、その修復と同時に同じ町並みの新規建設を実行した場合などに、同種大型施設が2施設見受けられることが発生する。本作では新たに大名規模の概念が導入された。大名規模は名声と領地数により「小大名」「大大名」「群雄」「覇者」「天下人」と上がっていき、音楽もそれに伴い変化する。大名規模は内政にも影響を及ぼし、小さいうちは作れる町並みの種類も数も限られているが、規模上昇とともに種類も作れる数も増えていく。また編成可能な兵種も増える。それ以外に「大大名」以上で徴収や朝廷との交渉が可能になったり、「群雄」以上で家臣を「中老」以上の身分にすることも可能になったりする。さらに「覇者」以降になると、「決戦」ができるようになる(ただし、他の大名に従属していないことが条件)。決戦を挑むには自大名、相手大名の大名規模が両方とも覇者以上で、さらに自大名と相手大名の領地が、街道・海路で直接繋がっている必要がある。決戦に参加できる武将数は12人であり、城主しか参加できないようになっている。決戦の結果、勝利大名は敗北大名の城のうち大半を自分の城にでき、さらに敗北大名を従属させることができる。これまでのシリーズ作品ではある程度までプレイヤー担当大名の勢力が大きくなると、クリアまでが単調になりがちであったが、本作では「決戦」システム導入によりこの点への対策が取られている。あえて敵対大名の規模を「覇者」まで上げて決戦を挑むという戦術も可能である。武将の能力パラメータは(隠しも含め)「政治」「統率」「教養」「知略」「義理」「相性」。前作にあった「野心」がなくなった代わりに『武将風雲録』以来の「教養」が復活した。外交での成功率は「教養」に依存するため、これまでゲーム上では使い道の少なかった主に文化面で活躍した人物達も、教養が高く設定されているため外交要員として活躍できるようになった。所持特技は戦争関係のもののみに特化された。「槍衾」「斉射」「突撃」「軍神」「鉄壁」「神速」「破壊」「混乱」「挑発」「収拾」「鼓舞」の種類があり、「槍衾」「斉射」「突撃」は更に3段階に分けられる。槍衾、斉射、突撃、混乱、挑発については、「士気が高い」状態でないと発動できない。さらに本作では武将同士の関係も設定されている。特定の武将に対してその親友武将として設定されている武将を使って登用や引抜をすることで成功率が上がることがある。また浪人の場合、特定の大名領地を仕官候補先として訪れやすくなるように設定されている武将もいる。逆に敵対武将として設定されている武将に仕えている場合には、忠誠度が何もしなくても下がったり合戦中に寝返りが起こったりしやすい。本作での合戦には「野戦」と「攻城戦」の2種類が存在する。野戦は、城と城の間に物見櫓が存在し、敵の侵攻を確認したときに「野戦」を実施するか選択することができる。コンピュータ担当大名は戦力が同等以上なら野戦を選択する傾向にある。野戦マップはいくつかあるマップの中からランダムに選ばれる。野戦に突入すると、投入部隊数の二分の一(端数繰り上げ)の数だけ本陣+砦が設置される。例えば、5部隊投入した場合には、本陣が1つ、砦が2つとなる。砦の耐久度は双方の南蛮文化の数値で変化する。野戦の勝敗は、「大将部隊の壊滅」、「大将部隊の逃走」、「本陣の占領」によって決する。CPU大名の場合、兵士数が敵兵士数の半分以下になると撤退する傾向が高い。野戦の勝敗の鍵は、敵の砦の奪取である。砦を奪取すると部隊が「強攻」状態となり、攻撃力・防御力が跳ね上がるため、敵を壊滅させやすくなるからである。さらに士気の上限値が上昇し、後述する戦法が使用可能となる。野戦で守備側の大名本人が捕縛された場合、攻城戦は発生せず、城明け渡しとなる。攻城戦は、普段内政画面で見られるマップで行われる。城と城の間に物見櫓がない場合は自動的に攻城戦となる。攻城戦の場合、防御側は最初から士気の上限値が高く、戦法が使用可能である。攻城側は、敵城の櫓をとれば強攻状態となり、士気の上限値を上昇させることができる。城の施設の殆どは破壊可能であり、石垣、堀(この場合埋立)、門、塀を破壊できる。どの部隊でも破壊可能であるが、大筒隊>槍隊>鉄砲隊>騎馬隊の順に1回あたりの破壊力が高い。防御側は、町並みを破壊して臨時徴兵することができる。攻城側は、町並みを破壊して、金銭、兵糧、家宝を奪うことができる。攻城戦の勝敗は、「大将部隊の壊滅」、「大将部隊の逃走」、「攻城側本陣の占領」、「防御側本丸の陥落」によって決する。なお、兵糧が尽きると壊走状態で撤退が開始される。合戦で編成できる部隊は以下の通りである。合戦において敵大名の本丸を陥落させるか総大将を壊滅させ、なおかつその合戦での勲功が100-115の範囲の場合はその武将に感状を出すことができる。感状は同じ武将に何回でも与えることができ、与えられた武将は特技レベルが上昇する(家宝により会得した特技は除く。また騎鉄での出撃時は対象外となる)。同様に合戦での勲功が120以上の場合は異名を与えることができる(PC版のみ)。異名を与えられた武将は「統率」が2上昇する。異名を与えられるのは一度だけで、2回以上異名の条件を満たしても、2回目からは感状となる。ただし、大名自身、正四位上以上の役職に就任している武将(官位は関係なし)、大名より年上の一門武将には異名・感状は与えることができない。イベントは、これまでは起こしたら展開を見守るだけの作品が多かった。本作では「歴史IFイベント」として、史実とは異なる展開がクローズアップされるようになった。例えば徳川家康でのプレイ時に信康を処断せず、織田信長と縁を切ることができる。他に明に貿易船を派遣するなどというものや、イスパニアの支援により友好度の低い従属大名が反旗を翻したり周囲の大名が合従連衡したりするというものもある。プレイヤー大名の大名規模が上がるたびに、隣接している大名のうちプレイヤー大名と同盟関係にない大名が従属・同盟・共闘・合従連衡するので、同盟を結ばない限り周辺国全てが攻め寄せてくる可能性が高くなる。織田信長、上杉謙信、武田信玄をプレイヤー大名として選ぶと、連続したIFイベントが展開される。またエンディングの種類もIFイベントが有効か、あるいはどの大名で統一したかなどプレイ内容で変化し、これまでよりも多彩になっている。パワーアップキット(以下、PK)では新武将が100人、さらに新シナリオ、新イベントが追加された以外に、合戦トライアルモードや、難易度「入門」と「超級」が追加された。エディタは城エディタ、武将エディタ、姫エディタの他に「合戦エディタ」や「領地エディタ」が搭載されたが、前作及び前々作にあったイベントエディタは搭載されなかった。内政面では建設可能な施設の種類も増加し、さらに無印に存在した大名規模による町並み開発制限が撤廃されている。また「建設」で「投資」よりもコストは掛かるものの、直接任意の施設を建設できるようにもなった。パワーアップキットに搭載されたモードで、有名武将の合戦を追体験できる。内政や外交等はなく、合戦を中心に楽しむことができるのが特徴である。Windows通常版では3つのシナリオが選択でき、いずれかをクリアすると4つ目の「本能寺の変」シナリオが出現する。なお、WinPKでは「本能寺の変」までの4つのシナリオが標準で選択でき、PS2PKでは無印の全シナリオが選択できる。以下、パワーアップキット版追加シナリオ。
出典:wikipedia
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