金盾(きんじゅん、、)とは、中華人民共和国本土(大陸地区)において実施されているインターネット情報検閲システムである。全体主義の危険性を訴えたジョージ・オーウェルのSF小説『1984年』に登場する監視システム「テレスクリーン」になぞらえられたり、「赤いエシュロン」「サイバー万里の長城」「ジンドゥンプロジェクト」などの呼び名も存在する。中国国内のインターネット利用者に対して、中国共産党にとって都合の悪い情報にアクセスできないようにフィルタリングする金盾のファイアウォール機能は、" (万里の長城)をもじって (グレート・ファイアウォール)と呼ばれている。1993年に、中国政府は金融などの情報化・電子政府化に向けて「金字工程」と称する国家戦略を立てた。これは別名を「12金工程」といい、金(電子貨幣)をはじめ、金橋(公用経済情報)、金関(対外貿易)、金財(財政管理)、金農(農業情報)、金税(税収)、金水(水利情報)、金質(質量監督)など12の分野にわたって「金」の字がつく情報化計画が立案されていた。公安の情報化を目指す「金盾」もこの一つで、当初は金融分野の情報化が優先されたため、国家公安部が金盾計画を決定したのは1998年9月22日、国務院が計画を批准したのは2001年4月25日であった。システム設計の第一期は1999年から始まっており、予定では2008年の第三期完了で完成することになっていた。2003年9月には有害サイトブロック、人口のほとんどの個人情報の管理、個人のアクセス情報の監視などにおいて成功を収めており、同年暮れには稼働した。計画では出入国管理、指紋データバンク、パターン認識(音声認識・映像・顔認識システムなど)、電子メールや電話の傍受、身分証明カード、光ファイバー網などを完成させ、国民や在中外国人の監視および情報収集の総合的なシステム構築を目指している。一方で2008年の完成予定には遅れが見られる。『ワシントン・タイムズ』の報道によると、中国西部にはパラボラアンテナ・人工衛星・スーパーコンピュータなどを使って、国内の電話・ファックス・インターネット回線などの通信を常に傍受している施設があるという。また、国外の情報も収集しており、その一つとしてカシュガルの施設では湾岸戦争時にサウジアラビアの軍事情報を傍受していたことが挙げられている。これらの施設が金盾のハードウェアである可能性もある。『グレート・ファイアウォール(防火長城、)』と呼ばれるファイアウォール機能は、国民管理システムである金盾計画の一部にあたり、その中でも最も有名な部分である。中華人民共和国国内外で行なわれるインターネット通信に対して、接続規制・遮断する大規模な検閲システムである。現在のところ、Webサーバへの接続の規制において、検閲対象用語を基に遮断を行なうのが特徴である。今後はデータベースのバージョンアップのみならず、パソコンのIPアドレスごとに履歴を解析し、ユーザー各人の政治的傾向を分析した上で接続の可否を判断する推論機能を持たせる予定であり、システム自体が人工知能に近付いてきている。これは例えばサーチエンジンで「チベット」という単語を単体で調べても問題が無かったとしても、「チベット」を調べた後に「人権」を調べようとすると遮断されるといった事例がありうる、と『産経新聞』では報道された。検索の初期には表示されていても、問題ある語彙での検索を繰り返していると表示されなくなる場合もある。2006年5月からは、中華人民共和国から日本国内のPOP3サーバーへの接続の遮断(電子メールを受信することが出来なくなる)も行なわれ、日本企業の駐在員など「外国人」にも影響が及んだ。こうしたネット検閲システムの進化には対抗プログラムの存在も挙げられている。対抗プログラムには現在は検閲を逃れて、電子メールを受信する機能まで搭載されたものも存在する。また、通信内容を暗号化されると検閲が非常に困難となるため、中国政府は暗号化通信を許可なく行なうことを禁止している。このため、例えばSSH・HTTPSや、海外版Skype(中国国内版には検閲機能が内蔵されている)などの暗号化通信を行なうソフトウェアを利用した場合には、通信が遮断される場合があるほか、直接ユーザーに対して警告が行なわれるケースもある。検閲の結果、アクセスの遮断が行われた場合、その結果を503や404のようなHTTPステータスコードを返す機能を持っており、ユーザーに対して検閲が行われた事を直接気付かれないようにする仕様となっている。グレート・ファイアウォールの開発費は人民元60億(日本円約743億円)。金盾計画全体では64億人民元(約800億円)にもおよぶ。このシステムの開発、運用には多くの多国籍企業が関わっている。シスコシステムズ、モトローラ、サン・マイクロシステムズ、ノーテルネットワークス、AOL、ネットワークアソシエイツ(現マカフィー)、マイクロソフト等の、アメリカ合衆国のIT大手企業の名前が挙がっており、現在は米国内でも問題となっている。プロキシやVPNを使わない限り、検索エンジンからこれらの用語を検索すると、政治思想等を中国政府から問題視され、ブラックリスト入りとなり、インターネット上での行動を厳しく規制・監視される恐れがある。(ファン・チャン、、、)と一般に呼ばれる、グレート・ファイアウォールを乗り越えて、禁止または制限されているインターネット上の情報にアクセスする手段が中国には存在する。翻墻は垣根(墻)を超えるという意味で、破網(ネットを破る)と呼ばれることもある。技術は様々で、プロキシの技術を利用し、パソコンなど接続機器側にプロキシサーバのIPアドレスとポート番号を設定するものや、VPNネットワーク、P2P技術を利用したものなど、複数の手法やソフトウェアが存在する。動態網絡技術公司が自由門と呼ばれる、突破手段を提供している。
出典:wikipedia
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