ライトセーバー(Lightsaber)は、アメリカ映画『スター・ウォーズ』シリーズで、主にジェダイの騎士やシスの暗黒卿が用いる架空の武器。かつては「ライトサーベル」や、初期の日本語字幕では「電光剣」や「光線剣」と表記されていたこともある。物理的外観は全長30センチメートルほどの金属製の柄のみで構成されており、起動すると鍔から長さ1メートルほどの尖形状の光刃が形成される。このプラズマの刃は何らかの物体に接触したときにのみ熱エネルギーを放出し、その物体を溶断する。また光刃を覆うアーク波の作用により、レーザーやビームの類に干渉して弾道をそらしたり、ライトセーバーの光刃同士で切り結ぶことも可能としている。互いにライトセーバーを用いた戦いは往々にして激しい剣戟が繰り広げられるが、人体に命中すればその威力の高さゆえ、決着は一瞬でつく。ただし斬撃と同時に、その傷口も高温で焼灼されて出血が妨げられるため、たとえ四肢などが切断されて戦闘不能に陥ったとしても、それ自体が致命傷となるケースはほとんど見られない。ダース・モールに至っては胴部を切断されて下半身を失ったにもかかわらず、一命を取り留めている。光刃の切断力は、幼いジェダイのパダワンの修行中など、その用途に応じて調節が可能。また『スター・ウォーズ 反乱者たち』においては、光刃の長さを調整する機能があることも判明している。ジェダイの騎士やシスの暗黒卿にとって、ブラスターなどの銃火器よりもライトセーバーを重用する所以は、これを扱う高度な剣術を体得していることも大きな理由のひとつだが、フォースの恩恵による未来予知能力と空間認識能力により、ブラスターなどによる高速の銃撃ですら、弾道を先読みして防御し、更にはそれを敵側に跳ね返せる攻防一体の武器になることが何よりも大きい。そのためフォースの使い手同士によるライトセーバー戦では、単純な剣技の優劣だけではなく、この予知による駆け引きを制することも勝敗を分かつ要因となる。しかしエピソード3のアナキン対オビ=ワンのように経験がフォースを上回りオビ=ワンが勝ったということもある。だが決して万能ではなく、フォースを使う者によってその能力には個人差があるうえ、身に付けた予知能力と反応速度を上回るほどの高速ないし高密度の攻撃には対応しきれないことも多い。ジオノーシスの戦いにおいて、個々の戦闘能力ならばバトル・ドロイドに遥かに勝るジェダイが、ブラスターを装備したクローン・トルーパーの援軍20万がなければ敗北していたことからも、いかにジェダイといえども、数の圧倒的不利と飽和攻撃には勝てないことを物語っている。ライトセーバーはしばしばジェダイの象徴として神聖視される。これは前述したように、フォースの加護なくして最大限に使いこなすことが難しいためであり、そのためライトセーバーに習熟することは、フォースとの調和に繋がるとも考えられていた。また、一人前のジェダイとなるためには自力で必要な部品を集め、フォースの導きに従って頭の中に浮かんだ設計図のみで、自分専用のライトセーバーを一から組み上げることが課題となっている。父のライトセーバーを失ったルーク・スカイウォーカーは、ヨーダの助言を得てベン(オビ=ワン・ケノービ)の家に行き、そこにあった資料を元に材料を集め、足りない部品は自ら作って完成させた。よって、自身の持つライトセーバーを粗末に扱うことはジェダイとしての規範に反する行いとされている。『エピソード6/ジェダイの帰還』でルークがダース・ベイダーと戦った後に自身のライトセーバーを捨てる場面があるが、これは粗末に扱ったということではなく、皇帝ダース・シディアスからのフォースの暗黒面の誘惑を完全に乗り越えたことを“非武装”という行動で示したためであった。また、ラストシーンでは身に付けていた。一般に弟子のライトセーバーは、尊敬の表れとして師匠の物に近い意匠形状を持つ。アサージ・ヴェントレスの物がよい例である。ただ、アナキン・スカイウォーカー作のライトセーバーは師匠オビ=ワン・ケノービの物とはあまり似ていない。なおダース・モールは、グリップの両端から光刃が発生する特殊な「ダブルブレード=ライトセーバー(別名:セーバースタッフ)」を使いこなす。ドゥークー伯爵や彼から剣の手解きを受けたアサージ・ヴェントレスが使うライトセーバーは、グリップがやや曲がった独特の形状になっている。基本的にジェダイの騎士のライトセーバーの光刃は青や緑、シスの暗黒卿は真紅の光刃のものを使用する。だが、ジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥの紫のような例外もある。これは、メイス・ウィンドゥを演じた俳優サミュエル・L・ジャクソンが監督ジョージ・ルーカスに、「大好きな色だし、高貴な色でもあるから」という理由で「絶対に紫色にしてくれ」と直談判し、それをルーカスが了解したためであるが、劇中での設定では、他の騎士のライトセーバーに内蔵するクリスタルとは異なる、特殊なクリスタルを内蔵するためと設定された。なお、スピンオフ作品などでは、新共和国時代になると黄・茶・桃色など多彩な光刃のライトセーバーも登場する。また、アナキンはムスタファーでオビ=ワンに敗北するまで、シスに転落後も引き続き青のライトセーバーを使用している。シスの暗黒卿ダース・シディアスは、ライトセーバーを「ジェダイの武器」と捉えており、あまり積極的には用いない。ライトセーバーを使わずとも、フォース・ライトニングなどを用いて相手を倒せるため、『エピソード3/シスの復讐』で披露したように、自身がジェダイでもトップクラスのマスターら3人(エージェン・コーラー、セイシー・ティン、キット・フィストー)を瞬殺できるほどの高い剣術を誇るにもかかわらず、『エピソード6/ジェダイの帰還』ではライトセーバーを「ジェダイの武器だ」として、もはや必要としていないことが示唆されている。同様にヨーダも強大なフォースだけで十分戦闘を行えるため、ドゥークー伯爵との戦闘の際に久しぶりにライトセーバーを握った。ジェダイもシスも所持するのは基本的に1本だけだが、アソーカ・タノやアサージ・ヴェントレスのように二刀流で戦う者や、グリーヴァス将軍のように四刀流で戦う者もいる。ダース・シディアスは予備分として2本所持するが、手練れ二人(ダース・モールとその弟)を同時に相手にした際は、その予備分を含めた二刀流を披露するも、上記の通りライトセーバー戦をあまり好まないためか、戦闘中でも用途が終わる度に光刃を収納していた。なお、『エピソード1/ファントム・メナス』のカットされたシーンでは「水に浸かるとショートしてしまう」という描写があり、雨天のような場合には使用できても水中のような機械が完全に濡れる状況では使用不能であるという設定があったが、物語の幅を狭めることになるためにこの水に弱いという設定は不採用となった。これを受け、続編の『エピソード2/クローンの攻撃』では、オビ=ワンがカミーノの豪雨の中でジャンゴ・フェットと対戦しており、スピンオフ作品『スター・ウォーズ クローン大戦』や『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』テレビシリーズではキット・フィストーやアナキンが水中で使用するシーンがある。分岐式周期起動パルス・クリスタルや、逆流防止弁などの装置が付いていれば水の浸入を防ぐことができ、水中でも使用できる。『エピソード4/新たなる希望』や、その小説版『スター・ウォーズ』(原作:ルーカス、角川文庫出版)では、オビ=ワンが「古い武器だが、今でも銀河の一部の地方では使われ続けている」と述べられている。上記のようにジェダイの騎士にとって重要なものではあるが、ジェダイの騎士だけが使う武器という訳ではなく、シスの暗黒卿も用いる他、単純に剣として使う分には、フォースの素養が低い常人にも使える。ジェダイでない者は、何でも切れることから「ユニバーサル・カッティング・ツール」と呼ぶこともある。また、ハン・ソロがオビ=ワンに対して「爺さん、あんたなかなかの使い手だそうじゃねぇか。最近じゃあんなチャンバラは見掛けなくなったな。」と述べていることから、かつては銀河全体で広く用いられていたことが示唆されている。ダース・シディアスのジェダイ大粛清に際し、銀河帝国でライトセーバーは非合法化され、ライトセーバーに利用可能なクリスタルの採掘も全て制裁の対象になっていったため、生き残った身を隠すジェダイ達はその使用を控えなければならなかった。帝国でライトセーバーの所有を認められたのは、ダース・ベイダーやその配下の尋問官やシャドウ・ガーズマンといった、シディアス自身のダークサイドの配下たち少数に限られていた。なお、『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』テレビシリーズ(シーズン2、シーズン5)ではジェダイの武器とされているライトセーバー(および材料のクリスタル)は闇市場にて非常に高価な値段で取引されており、同時にギャングの間では人気の高い武器であるとされている。内部構造は動力源である多面体の宝石アデガン・クリスタルやイラム・クリスタルが数個(通常3個まで)内蔵されている。放射口中心から放出されるエネルギー集合体は刃のように見える。クリスタルが単一のライトセーバーは、強度および刃の長さは予め固定されており、複数のクリスタルを使用して製作されたセーバーは外側の装置を回転させ宝石間の距離を調整することにより強度や刃の長さを変えて使用することができる。ジェダイの修行の一環であるライトセーバーの製作は、クリスタルの配列およびカット加工などの作業を全て自分の手で仕上げなければいけない。配列を僅かにでも誤ると、ディアチウムパワーセルの制御に失敗し、作動スイッチを起動した途端にショートしてしまう。青や緑の刃を持つライトセーバーは主に極寒の惑星イラムで取れた天然クリスタルを使用しており、イラムにはクリスタルの鉱脈とライトセーバー製作のためのジェダイの寺院があったが、寺院はクローン大戦中に独立星系連合の爆破ドロイドによって破壊された。なお、ジェダイが基本的に天然のクリスタルを使用する事が多いのに対し、シスは人工のクリスタルを好んで使用する。その際シスは邪悪な心を込めて作ると言われており、その影響で光刃の色が赤になっている。人工のアデガン・クリスタルは、1つを生成するのに膨大な工程と相当な労力・技術・時間を要する(一人で作ると、早くても半年ほど掛かる)とされており、修行中のルーク・スカイウォーカーはたった1つのクリスタルを作るのに1年もの歳月を費やしている。なお、シスの生成方法がジェダイと同じであるかは不明だが、元々人工クリスタルを好むこと、一子相伝制で比較的少数で十分なこと、シディアスのようにライトセーバーを特に必要としない者もいることなどから、少なくともジェダイよりは長けているとされる。基本的には接近戦用の対人格闘武器であるが、前述したように熟練したフォース能力者が使い手となることで、様々な戦況に対応することができる。ただしそれにも限界はあり、特にジャンゴ・フェットのような早撃ちの達人や、ドロイディカなどの連射砲を備えた相手は不得手とする。ライトセーバーの刀身そのものは非実体的な刃ではあるが、これを覆うアーク波によって触れた物体の密度に比例した抵抗を生むため、ある程度の膂力が無ければその威力を十分に発揮する事はできず、鍔迫り合いにも相応の応力を要する。また、アーク波の作用によって微妙に回転しており、柄自体も軽くはないため、剣術のように両手で持って構えるのが主流となっている。単に起動して物を切断するだけであれば特に技術は必要なく、『エピソード5/帝国の逆襲』ではハン・ソロがトーン・トーンの腹を裂くのにルークのライトセーバーを使用している。出力を上げれば分厚い特殊鋼の扉などを焼き切ることも可能であり、ジェダイやシスは、しばしば抜け穴作りなどの用途にも使用する。このように高い汎用性を持つものの、手に伝わる感覚は柄の重さのみで、光刃もアーク波で保護されており輻射熱もないため刃があるという実感が湧きにくく、アーク波の回転作用による独特のバランスもあり、下手をすれば使い手自身を切りかねない。そのため、未熟な者が持つ武器としては甚だ不適当で、人間の反射速度を超えて飛来するビームなどに対しては、フォースによる洞察力と先読みの能力が無ければ対応できない。よって、『スター・ウォーズ』の世界に於いてこの武器をフォースの加護なしに使おうと考える者は殆ど存在しない。ただしグリーヴァスはその数少ない例外であり、彼は生来高い身体能力と格闘センスを備え、さらにサイボーグ化によって電子頭脳によるアシストと痛みへの強い耐性とを得たため、4本のライトセーバーを自在に使いこなすことができる。また、『フォースの覚醒』では元ストームトルーパーの識別番号「FN-2187」改めフィンが、元々兵士として訓練を受けていたことから実戦でも使いこなし、フォースのダークサイドの使い手であるカイロ・レンとの戦いでは相手が負傷して本調子ではなかったとはいえ、実力に勝る彼に軽傷を負わせている。その一方、フィンに続いて彼のライトセーバーを手にレンと戦ったレイはフォースやライトセーバーの修業を受けていない身ながら、内なるフォースの才覚によりレンと互角に戦った末、最後にはレンの顔に傷を負わせた。幼いジェダイの訓練生は、修行の手始めとして「トレーニング・リモート」と呼ばれる球形の小型器械と視界を覆うヘルメットを使用して、視覚に頼らずにフォースの感覚のみでリモートのビームを弾く訓練を行っており、『エピソード4』でルークもオルデランへ向かうミレニアム・ファルコンの船内でこの訓練を行った。ライトセーバーにはいくつかの型が存在しており、正史作品で言及されているのは第三の型と第四の型のみだが、第一から第七の型が存在するとされている。ただし、レジェンズにおけるものと完全に同一なものかは不明。レジェンズにおいては大きく7つの型が存在。それらはジェダイの歴史と共に無数に編み出され、後のジェダイ達はこれらを正式なフォームとして体系化しており、クローン大戦の頃には以下の7つとなっている。またフォームを用いるジェダイによって、自身の弱点を補完する形で原型となる基本動作に改良を加えられたフォームもある。また複数のフォームを習得しているジェダイも少なくなく、状況に合わせて使い分けることも可能である。ちなみに、ジェダイは円形を描く様にしながら戦う傾向があり、対するシスは縦に動きながら戦う傾向がある。基本的にジェダイは自分から攻撃することはなく、敵意のある相手からの攻撃を経て初めて攻撃に移るとされる。ルーク・スカイウォーカーは、オビ=ワンからシャイ=チョー、ヨーダからアタールの訓練を受け、ダース・ベイダーとの死闘からシエンを経験して使用したが、上記の体系化されたフォームは失われてしまっていた。後のニュー・ジェダイ・オーダーでは、ダークサイドの戦士として戦った経験のあるカム・ソルサーが、剣術師範「ジェダイ・バトルマスター」となり、ルークと共に「防御の3つの輪」の戦法を生み出した。カムがダーク・ジェダイとの戦いに敗れると、バトルマスターの地位はカイル・カターンが継承し、「ファースト」「ミディアム」「ストロング」という、研鑽されたニュー・ジェダイ・オーダー独自のライトセーバー・フォーム「スタイル」が生まれることになった。やがて、発見された旧ジェダイ・オーダーの「グレート・ホロクロン」に登場したシン・ドローリグの記録により、本来のジェダイのライトセーバー戦闘法は再発見されることになる。前述の記述どおりジェダイは青か緑、シスは赤となっている。ジェダイは人物によって色が異なる。
出典:wikipedia
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