『青春デンデケデケデケ』(せいしゅんデンデケデケデケ)は、芦原すなおの青春小説。1991年1月、河出書房新社より刊行された。1990年に第27回文藝賞、1991年には第105回直木三十五賞(直木賞)を受賞し、1992年には同名にて大林宣彦の監督で映画化された。また、2007年にはサダカネアイコにより漫画化、ジャニーズJr.のバンドユニットQuestion?の主演で舞台化もなされた。1960年代の四国・観音寺市が舞台で、ベンチャーズの影響を受けた少年が高校入学後ロックバンドを結成し、ロックに明け暮れるメンバー4人の高校生活を描いている。題はベンチャーズの曲でおなじみのトレモロ・グリッサンド奏法のオノマトペから。時は1965年3月、香川県観音寺市に住む高校進学を控えた少年・藤原竹良(ちっくん)は、ラジオから流れてきたベンチャーズの「パイプライン」の「デンデケデケデケ」というイントロに「電気的啓示」を受け、ロックミュージックに憧れる。高校に進学した竹良は、魚屋育ちの白井清一、寺の跡取りの合田富士男、練り物屋の息子の岡下巧といった一癖ある仲間を誘ってロックバンドを結成する。しかし彼らには楽器がなく、夏休みのアルバイトでお金を稼いで楽器を手に入れ、いざ練習となると場所の確保に一苦労…といった苦難を乗り越え、ようやくバンド『ロッキング・ホースメン』の活動がスタートする。祖谷渓での夏休みの合宿、岡下の初恋話、バンドの技術顧問となる「しーさん」(谷口静夫)との出会い、親しい先生との死別などを経験しながらバンドは街のスナック「ウエスト・ビレッジ」の開店イベントでデビューを果たす。そして3年生の文化祭のコンサートを成功させた。文化祭の後、メンバーはそれぞれの進路に向かって準備を始め、バンドの活動は低調なものとなる。竹良は東京の大学を進路に定めたものの、バンドがなくなることへの不安や、他のメンバーがそれを気にしていないことへの違和に淋しさを募らせる。受験のための上京を翌朝に控え、「逃げ出したくなった」竹良は家族にも告げずに朝から「バンドゆかりの地」を一人で巡った。観音寺に戻ってきた竹良をバンドのメンバーが出迎える。彼らは竹良に「終身バンド・リーダー」の称号を贈った。励ましを受けた竹良は次の日、受験に旅立ったのだった。本作は当初原稿用紙約800枚の分量であった。一読した編集者が文藝賞への応募を薦めたが、応募規定は原稿用紙400枚以内であったため、それに合わせて修正が施された。これが最初の発表形で、文藝賞・直木賞を受賞し、映画のベースになったのはこのバージョンである。一方、1995年になって最初のバージョンも出版されることになり、タイトルに「私家版」をつけて作品社から刊行され後に角川書店で文庫化された。ストーリーの大筋に違いはないが、エピソードが増えて各キャラクターの描写がより細かくなっているのが特徴である。こちらにしか登場しない人物もいる。以下、「※」が後ろについた人物は、フルネームは映画版のみの設定。竹良と清一が1年生の夏休みに楽器を買う資金稼ぎのアルバイトをした農機具工場の人物。会社名は原作が「横森農機」、映画版が「イナダ農機」。ロケ地は香川県立観音寺第一高等学校とその周辺地域で、ほぼ全編が観音寺市をはじめとする四国で撮影されている。原作の文章を生かしたナレーション、言葉遊びの映像化、テンポの速い場面転換などが技法上の特徴。ロックをはじめとする当時の音楽も多数作中で使用されている。ストーリーはおおむね原作に忠実であるが、以下のような点が異なる。ポプラ社の隔月刊漫画雑誌「ピアニッシモ」で2007年7月号より連載が開始された。作者はサダカネアイコ。讃岐弁の台詞などはそのまま生かされている。2008年4月に最初の単行本が刊行された。2007年3月に、東京の「ル テアトル銀座」で上演された。主演はQuestion?で、主人公の竹良役は米村大滋郎が務めた。ほかに寺島咲、田島令子らが出演。
出典:wikipedia
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