『花嫁吸血魔』(はなよめきゅうけつま)は、1960年8月27日に新東宝が公開した日本の怪奇映画。並木鏡太郎監督、池内淳子主演。白黒、80分、新東宝スコープ。深山の岩屋の奥に、不気味な老婆・お琴が下男の捨助とともに棲んでいた。老婆は平安時代から続く陰陽師の名門・影山家のお家再興を夢見て、コウモリの生き血をすすり、その霊力で数百年生き永らえていたのだった。池内淳子が怪物役を演じて話題となった怪奇映画。当時の池内は新東宝からデビューして脚光を浴びていたが、柳沢真一と結婚して1957年に芸能界を引退していた。翌1958年には早くも離婚して新東宝で女優に復帰したところ、「結婚に反対であった新東宝社長の大蔵貢から冷遇され、本作のような『毛むくじゃらの怪物』という不本意な役も泣く泣く引き受けなければならなかった」や、「池内は後に新東宝より本作のフィルムを買い取り、焼却処分してしまった」などと噂された。しかし経営末期の新東宝としては、とくに池内だけが怪物やお化けを演じさせられていたわけではなく、他の女優たちも同様の扱いを受けていた。実際のところは、当時の「エログロ路線」の一環として、池内にもこういう役周りが巡ってきたもののようである。小林悟監督ら当時のスタッフや俳優たちも、「ホントに嫌がらせをするなら作品に出さず飼殺しにするだろう」と述べてこの噂を否定している。華やかな映画界を舞台とした劇中には、映画のスタジオやロケバス、俳優が行き交う映画の撮影風景が描写されている。これらのシーンは、当時の新東宝の敷地や設備を使って撮影されている。藤子が変身する毛むくじゃらの怪物。特に劇中での呼称は無いので、作品題名に従って「吸血魔」とする。全身を黒い毛におおわれ、腕から伸びた毛がマントのように垂れ下がっており、コウモリのように両手を羽ばたかせるような仕草で神出鬼没に徘徊する。猛獣のような咆哮を上げながら、藤子を陥れた者たちに襲いかかり、鋭い牙と爪で殺害する。その歯と爪の痕から、警察も人外の獣の仕業と断定している。一部スタント・アクションがあり、池内だけが演じていたわけではないようである。藤子の容貌が毛むくじゃらになり、怪物に変身するシーンは光学処理で描かれている。公開当時、各劇場には本作の「宣伝ポイント」として、との説明文が配られた。文章は「以上の2点を強く且つ大きく訴えていただきます」と締められていて、池内の本格女優復帰を強く打ち出す内容となっている。1999年5月1日にVHSがキネマ倶楽部より通販限定で発売された。その後、2001年にはバップからDVDが発売されている。
出典:wikipedia
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