失職(しっしょく)とは、広義では職業を失うことをいうが、狭義では公務員が本人の退職手続や任命権者の懲戒処分などによらずに、その職を失うこと(本項で述べる)を表す。マスコミ用語では「失職」というが、国会法や地方自治法等では「退職」という用語を用いている。公務員における失職とは、懲戒処分や分限処分による免職とは異なり、欠格条項(欠格事項)に該当した場合に、任命権者の何らの処分もなしに、自動的に職を失うことをいう。人事院規則8-12は、「職員が欠格条項に該当することによって当然離職することをいう。」と定義している。これは、欠格条項に該当する職員の処遇については、任命権者による裁量の余地がないということを意味している。処分がない以上、失職に対して不服申立てでもって争う余地もない(行政事件訴訟法4条の公法上の当事者訴訟として、失職事由に該当しないことを理由として、公務員であることの地位確認訴訟などは可能である)。また、現に公務員の職にない者で、欠格条項に該当している場合、公務員の職に就くことはできない。例えば、欠格条項に該当することが見過ごされたまま採用された場合など、この規定に違反してなされた採用は無効である。なお、定年退職も、法によって定められた定年退職日が到来することによって当然に職を失うことになるため、その法的性格は失職である。首長・議員の場合と同様、公務員が公職の候補者となったときは、その届出の日をもって公務員の身分を失う。ただし、公職選挙法第89条・第90条、裁判官弾劾法第41条の2の規定により、以下の場合は失職しない。国家公務員、地方公務員に共通する欠格条項の内容として次のものがあり、これらのいずれかに該当する場合は、人事院規則(現在人事院規則で例外規定は定められていない)あるいは地方公共団体の条例で定める場合を除き、失職し、国家公務員にあっては官職に就く能力を有せず、地方公務員にあっては職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができないとされる。欠格条項に該当していることが見過ごされて採用されるなど、そもそもの採用行為が無効であれば、かかる者がなした行政行為は、それを行う能力を有しない者が行ったものであるから、無効であるとするのが原則である。しかしながら、相手方の信頼の保護や、行政の安定性を確保する等の観点から、これを有効なものとして取り扱うべき状況も少なくないものと考えられ、実際には個別具体的な状況に応じて判断されることになろう。またかかる者に対して支払われた給与相当額の金銭については、当該給与を支払う法律上の理由が存在しないのであるから、民事上の不当利得返還請求を行うことができると考えられるが、その一方で、かかる者から法律上の原因なくして労務の提供を得ていることから、かかる者も同じく不当利得返還請求を行うことができることになる。したがって通常は、両者の請求は同一であり相殺され、給与以外の手当についてのみかかる者に対して返還請求をなしうるものと考えられる。職員は、定年に達したときは通常、定年に達した日以後における最初の3月31日を定年退職日とし、定年退職日に退職する。なお、国にあっては3月31日より前で任命権者があらかじめ指定する日、地方公共団体にあっては3月31日より前で条例で定める日を定年退職日とすることもできる。定年は、とされている。前述のとおり、定年退職の法的性格は失職であることから、本来であれば任命権者の何らの処分も要さないところであるが、実際には辞令が交付される例が多いようである。公務員における定年制については、昭和56年に国家公務員法及び地方公務員法の改正がなされ、昭和60年3月31日から実施されている。これより以前においては、公務員に定年制は導入されていなかった。国家公務員の場合は、国家公務員法(昭和22年10月21日法律第120号)第76条に定める欠格条項に該当した場合は当然離職すると規定されている(人事院規則八-十二第71条第4号)次の各号のいずれかに該当する者は、人事院規則の定める場合を除くほか、官職に就く能力を有しない。 職員が第38条各号の一に該当するに至つたときは、人事院規則に定める場合を除いては、当然失職する。次に掲げる用語については、次の定義に従うものとする。「人事院規則に定める場合を除いては」とあるが、現時点では人事院規則に特例や例外の規定がないため、欠格条項に該当した国家公務員は例外なく失職する。地方公務員の場合は、地方公務員法(昭和25年12月13日法律第261号)第16条各号の一つに該当するに至ったときは、条例に特別の定がある場合を除く外、その職を失うとされる(地方公務員法第28条第4項)。次の各号の一に該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。 地方自治法第28条第4項の「条例に特別の定がある場合を除く外」の規定を受けて、地方公共団体においては分限条例などで失職規定の適用に特例を設けているところがある。この場合、当該条例の定める限りにおいて、任命権者は職員の失職について一定の裁量の余地が与えられているといえる。特例規定の例としては次のようなものがある。
出典:wikipedia
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