『ブレス オブ ファイアV ドラゴンクォーター』(ブレスオブファイアファイブ ドラゴンクォーター)は、カプコンが発売したプレイステーション2用コンピュータRPGである。『ブレス オブ ファイア』シリーズの5作目であり、日本国内では2002年11月14日に発売された。略称は「ドラクォ」。後述の「SOL」「D-カウンター」「PETS」など、独特のゲームシステムを多数採用している。過去のシリーズで登場した「個人アクション」や「共同体」(後述)は本作品でも登場するが、「釣り」や「キャンプ」は登場しない。発売にあたり、公式ウェブサイトで製作スタッフの製作日記や声優・作曲家へのインタビューなどが公開された。また、予約特典として卓上カレンダーが付属した。オープニングおよびエンディングのトゥーンレンダリングによるアニメーションは神風動画が制作し、主題歌には鬼束ちひろの「Castle・imitation」が採用された。本作品はソニー・コンピュータエンタテインメントが主催した「RPGの世界を旅しよう!キャンペーン」の対象商品となっており、応募期間中に本作品を購入すると、抽選でイタリアのナポリへ行くパッケージツアーが予定されていた。しかし、アメリカ同時多発テロ事件の影響でこのキャンペーンは後に中止となった。「SOL」(ソル)は、繰り返しゲームを行うためのシステムであり、ゲームオーバーまたはゲーム中で「ギブアップ」を選択した時に発動する。発動すると最初から、または最終セーブポイントからゲームをやり直せる。その際、それまでのプレイでは見られなかった場面が追加されることがあり、プレイを繰り返すことでより深く物語を理解できるようになっている。さらに装備品や所持金・スキル(後述)の引き継ぎも可能となっており、次回以降のプレイを有利に進められる。「D-カウンター」(ディーカウンター)は、本作品の特徴的なシステムのひとつである。物語のある時点から、画面右上に、本作品においてD-カウンターと呼ばれる数値が常時表示されるようになる。この数値は「竜」の主人公に対する侵食率を表しており、単位はパーセントである。D-カウンターはゲーム中、移動や戦闘をすることで徐々に上昇し、後述するD-ダイブなど、竜の力を使用した場合は数値が大幅に上昇する。ゲーム中では一度上昇した数値は一切減少せず、D-カウンターが100パーセントに達するとゲームオーバーになる。「APS」(エーピーエス)は、キャラクターの行動を制限する数値「AP (Active Point)」を用いた、本作において重要な戦闘システムである。本作品の戦闘は、特定の戦闘を除いてシンボルエンカウントとなっており、フィールド上でプレイヤー側と敵が接触すると、その場で戦闘開始となる。戦闘には接触した敵とその周辺にいる敵が参加し、プレイヤー側・敵側の双方はAPを消費して移動や攻撃などを行う。APが尽きると、そのターンは行動終了となり、次のターンへ移行した時、各キャラクターの最大AP値分だけAPが回復する。移動・行動をした後に残ったAPは次ターン以降に繰り越すことが可能であり、最大AP値の2倍までAPを蓄積できる。ただし、EXターン終了後に残存したAPは繰り越せない。プレイヤー側・敵側双方の行動する順番は各自の素早さによって決定され、行動前にあらかじめ確認できたり、プレイヤー側のみ行動する順番を変更できる。最大AP値は装備品などによっても変化する。「PETS」(ペッツ)は、戦闘に突入する前にフィールドでプレイヤー側が敵側に対して行う戦略であり、APSとならんで重要な戦闘システムである。戦闘に突入する際、プレイヤー側から剣で払う、銃で撃つなどして接触すると、接触したキャラクターが「EXターン」を獲得し、最初の1ターンだけ多く行動できる。逆に敵からの接触を受けると、敵側に先制攻撃される。一部の敵はEXターンを獲得した場合、戦闘に突入することなく敵が排除され、勝利することがある。また、プレイヤー側は戦闘に突入する前に、フィールド上にあらかじめ爆弾や毒物などの罠を設置できる。罠を設置して敵をおびき寄せ、敵が罠に掛かって発動することで、戦闘に突入する前にある程度のダメージやステータス異常を与え、有利に戦闘を進められる。一部の罠は戦闘中に発動可能である。装備品には武器と胴体に装着する防具、盾もしくは腕輪がある。武器には攻撃力や攻撃範囲などが設定されている。防具は装備することで防御力や素早さなどに影響を与える。ステータス異常や炎熱・氷結・電撃などの属性に対して特別な効果を発揮する装備品もある。また、装備品には後述のスキルを装着するスロットがある。スロットの数は装備品によって異なり、武器は最大9つ、盾・腕輪は1つだけスキルをスレッドできる。装備品の中には、着脱不可能な固有のスキルがあらかじめ設定されているものもある。装備品は店で購入したり、敵や宝箱などから入手できるが、店での購入以外で入手した装備品は入手した時点では詳細が分からず、そのままでは装備できない。敵や宝箱などから入手した装備品を使用するためには、鑑定屋で所持金を支払って鑑定してもらう必要がある。各人が戦闘で使用する技や特殊効果を「スキル」と呼ぶ。スキルは店で購入したり、敵やトレジャーボックス(宝箱)などから入手できる。入手したスキルを使用するためには、装備品に装着した上でそのスキルに設定されたAPを消費する必要がある。装備品にスキルを装着することを「スレッド」と呼ぶ。スレッドできる装備品は武器と盾または腕輪である。武器にスレッドしたスキルは、キャラクターの残存APの範囲内において連続で使用できる。異なるスキルを連続して使用することで、敵に与えるダメージ量が1回につき10パーセントずつ増加していく。武器にスレッドできるスキルは敵にダメージを与えるものがほとんどだが、敵に対する付加効果や使用者に特別な効果を与えるものなど様々である。異なるスキルを連続して組み合わせることで特別な効果を発揮するものもある。防具にスレッドしたスキルは、効果が常に発動しているか、設定された条件下で効果が発動するものがある。後者の場合、発動回数に制限がないものと1度だけ発動するものがある。スレッドしたスキルによって、使用者の最大AP値が変化する。「D-ダイブ」(ディーダイブ)は、物語のある時点から使用可能となるリュウの特殊能力である。戦闘中、任意に「ドラゴナイズド・フォーム」と呼ばれる赤い竜人のような形態に変身できる。変身中は各種ステータスが大幅に上昇し、移動範囲に制限がなくなり、さらに移動にAPを消費しなくなる。使用できるスキルはD-チャージ・D-ブレスなど、ドラゴナイズド・フォーム専用のものに変化する。戦闘においてほぼ無敵の状態になるが、D-ダイブや専用スキルを使用するとD-カウンターが大幅に上昇する。特定の戦闘を除き、「クールダウン」でいつでも人間の姿に戻れる。主人公・リュウのD値を表し、ゲームクリア時に、クリアまでの時間やセーブ回数、EXターン獲得率などのさまざまな条件を満たすことで数値が変化する。D値は1/8192から始まり、最高値は1/4である。D値が上昇すると、2週目以降のプレイで進入できるフィールドが増えたり、新たな場面が追加されるなどの変化が起きる。一度上昇したD値が低下することはない。CMおよびクレジットタイトルで使用されている。本作品のサウンドトラックに、クレジットタイトルで使用された「Castle・imitation (BREATH OF FIRE V DRAGON QUARTER)」が収録されている。また、『Sugar High』の初回限定生産盤ボーナス8センチCDと、ベストアルバム『SINGLES 2000-2003』にオリジナルバージョンが収録されている。本作品の舞台は、近未来的な大深度地下都市である。大昔に発生した災厄により、地上は瘴気に覆われた。瘴気から逃れるため、人々は大深度地下都市を建造し、空を閉じて地下へ移住した。それから幾世代もの時が流れ、地下世界は大気汚染や施設の劣化、D値による差別や非人道的な研究、反政府組織の活動などさまざまな歪みを抱えて疲弊しており、人々はかつて目にしていた空を忘れている。大深度地下都市はいくつかの階層に分かれており、下層区街・中層区街などの居住区がある。D値の高い者は上層への居住を許されるが、D値の低い者は衛生状態が悪い下層での生活を強いられている。また、居住区外は野生化した凶暴な生命体・ディクが徘徊している。地下世界では「D値」と呼ばれるものが存在する。人々は出生時にD値を計測され、名前の後ろにD値が付加される。D値は潜在能力を示す数値とされ、数値によって就ける職業や居住区が決定される。D値が高いものは上層区への居住を許され、政府の要職に就けるなどエリートとして扱われるが、D値が低い者は大気汚染が深刻な下層区にしか住めず、リュウのようにレンジャーになっても出世はほとんど望めない。そればかりでなく、D値が低い者は「ローディ」と呼ばれ、様々な偏見や差別の対象となることもある。「古の超兵器」と呼ばれ、統治者と対をなす「世界を滅ぼすもの」とされている。自我を持っており、適格者が竜とリンクすることで、強大な破壊力と生命力を引き出すことが可能となる。誰でも竜とリンクできるわけではなく、リンクに失敗すると暴走や強制終了を引き起こすことがある。また、一度リンクすると、次第に肉体や精神が侵食されていく。作中にて、竜は人間が空を開いて地上に戻る資格があるか判定するためのプログラムであることと、竜およびその竜とリンクした人間の死亡によってプログラムが完結することが語られている(正確には作中の時代にての伝承及びプログラム。オリジナルの竜は純粋に征圧兵器であり世界崩壊前から存在している。作中登場する竜は全てオリジナルからのコピーである)RPGでのモンスターにあたる生命体。デザインド・クリーチャーの略称で、本作品において人為的に改造または作出されたという設定である。形状や大きさなど種類は様々で、掘削・運搬作業などに使役したり、共同体の構成員として登場することもあるが、多くは野生化しており、接近すると襲いかかってくる。武装し、魔法を使うディクもいる。食用にされる種類もあり、食糧として配給されている。大昔、地上は瘴気に汚染され、人は地上を捨てて地下に新たな世界・大深度地下都市を作った。空を閉じてから幾世代もの月日が流れ、人々はかつてあった空を見ることはなくなっていた。そのような世界で下層区警備を担当するリュウはある日、上司のゼノから、バイオ公社の実験用物資が搭載されたリフトを護衛するよう任務を言い渡された。同僚のボッシュと共にリフトへ向かうリュウだったが、その途中で気を失い、不思議な声を聞く。ボッシュの呼びかけで目を覚ましたリュウはすぐに先を急ぐが、その先にある廃棄ディク処理施設で、壁に磔にされて朽ちかけた巨大な竜を目の当たりにする。2人は立ち止まって竜を見上げるが、リフトの発車時刻が迫っていたため、すぐに処理施設を通り抜け、なんとか出発直前のリフトに乗り込んだ。乗車後、任務は順調かと思われたが、突如出現した反政府組織・トリニティの襲撃によってリフトは破壊され、リュウは積荷と共に地の底へ落下した。ボッシュは命からがらレンジャー基地に逃げ戻るが、リフトに搭載されていた積荷の捜索をせずに帰還したことをゼノに咎められ、積荷を確実に処分するよう言い渡される。一方、ボッシュと離れ離れになり最下層区まで落下したリュウは、付近の探索中に、一人の少女がディクに誘拐されそうになっている場面を目撃し、突然覚醒した謎の力でディクを排除して少女を救助した。助けた少女・ニーナは自分の名前以外は言葉がしゃべれず、背中から赤い翼のようなものが生えていた。下層区へ戻るためにニーナを連れて歩き出したリュウは、レンジャー基地に戻る途中で、リュウとボッシュを襲撃したトリニティのエージェント・リンに出会う。リンは、この世界を変えるためにニーナが必要だと言い、彼女を保護しようとする。しかし、ニーナはリュウの傍から離れようとしなかった。そこでリンは、ニーナを保護するという目的は同じだと提案し、最下層区を出るまで3人で行動することになる。ニーナ・リンと共に廃物遺棄坑を通り抜けて最下層区街に辿り着いたリュウは、そこでボッシュと再会する。しかし、ボッシュはリュウに詳細を告げず、突然ニーナに剣を向けて彼女を殺そうとした。リフトに搭載されていた積荷とは、ニーナのことであった。驚いたリュウはボッシュに説明を求めたが、邪魔をしたとみなされてボッシュに剣で刺され、致命傷を負う。死を悟ったリュウだったが、次の瞬間、謎の力によってリュウは異形の姿へと変身し、圧倒的な力でボッシュを倒した。一部始終を見ていたリンから覚醒した力の正体を問い詰められるが、答えられず、リュウは自身に起きている異変に困惑する。騒ぎが大きくなる前にその場から離れて下層区街まで戻ったが、リュウは既にレンジャーの任務を解かれ基地に入れず、処分対象であるニーナと反政府組織の関係者であるリンと行動を共にしていることから、かつて所属していたレンジャーから追われる立場となってしまった。さらに、独断でリュウ達の討伐に乗り出したセカンドレンジャー達と下層区街で交戦した際、ニーナの体調にも異変が生じる。リンから、ニーナの秘密を知るためにはバイオ公社のラボへ行くしかないと言われ、リュウ達はバイオ公社へ侵入する。しかし、そこで得た真実とは、ニーナの背中から生えている赤い翼のようなものは換気肺(ベンチレータ)という、汚染した空気を清浄化する器官であること、ニーナは政府が実施している大気浄化プロジェクトの一環で人体改造されたことであった。さらに、ニーナの換気肺は既に汚染しきっており、空気の汚れた地下世界では余命幾ばくもないことをリュウ達は知らされる。真実を知り、地下世界はニーナを救わないと悟ったリュウは、彼女を救うために「空」を目指すことを決意する。バイオ公社を出て氷結廃道を抜けたリュウ達は、その先の集積庫でレンジャー部隊の待ち伏せを受け、ボッシュやゼノと対峙する。ゼノから、廃棄ディク処理施設にいた竜との接触が原因で精神に重大なダメージを負っていることを告げられ、おとなしく従うように警告を受けるがリュウはこれを拒否し、戦闘の末にゼノを倒してレンジャーの一団を殲滅した。一部始終を見ていたボッシュは戦慄してレンジャー基地に逃げ戻るが、他のレンジャーからリュウに敗北したことを揶揄される。リュウへの憎悪を抱くボッシュは、リュウを抹殺するために、バイオ公社に保管されていたD検体(オールド・ディープ)とのリンクを試みる。一方、レンジャーの防衛線を突破したリュウ達は、その先の工業区で今度は政府の暗殺組織・ネガティブの襲撃を受ける。ネガティブを撃退した後、リュウ達は中層区の一角にあるトリニティの本拠地・トリニティピットに辿り着くが、到着と同時にニーナが倒れる。ニーナは汚れた大気の影響で衰弱しており、トリニティの設備で治療を受けることになった。リュウはトリニティのリーダーであるメベトに空へ向かうことを話すが、実在が疑わしいもののためにニーナの命をかけるのかと窘められ、トリニティへの参加を促される。ニーナを治療室に預けた後、リュウはリンの提案でニーナの病状に効く薬を求めて放棄商業区を探索するが、見つけた薬は既にニーナへ投与済みのものばかりであり、地下世界ではニーナを治癒することはできない現実を知るだけだった。放棄商業区から帰還したリュウは、自身に起きている異変、竜の力を使う度に命が削れていく感覚をリンに吐露する。次の瞬間、治療室からニーナの悲鳴が聞こえ、2人が駆けつけると、トリニティの一員であるゼブルと数名が、政府への攻撃材料にするためにニーナを拉致しようとしていた。ゼブル達を倒したリュウとリンは、メベトに真意を詰問した後にトリニティと決別し、ニーナを連れて再び空を目指す。リュウ達がトリニティピットを去る直前、メベトはリュウに地上へのセーフティロックを解除する鍵のひとつを渡し、空へ行くには同じものがあと3つ必要であると告げ、リュウ達を送り出した。トリニティピットを出てライフラインから上層区を目指す3人は、その途中のジャンクションでボッシュに再会する。ボッシュは左半身がリンクしたD検体に浸食されて、異形の様相を呈するブーストボッシュとなっていた。襲い掛かるボッシュと戦い、リュウ達は勝利するが、敗北したボッシュは左半身の暴走によって、ジャンクションからそのままライフラインの最下層まで転落していった。ボッシュを退けたリュウ達は上層区街に辿り着き、中央にそびえる電力供給ビルから中央省庁区への進入を試みる。中央省庁区への転送装置があるビルの屋上に辿り着いたリュウ達だったが、突然、目の前の転送装置が光り、筋骨隆々の男が現れた。中央省庁区から降りてきた男・デモネドは地下世界の支配者である統治者を名乗り、空へ行くためには統治者を倒して、彼らが持つ鍵を手に入れるしかないと語り、リュウ達に決闘を促した。デモネドを倒して空を開く鍵を手に入れたリュウ達は、トランスポートから統治者達がいる中央省庁区へ進入した。対峙した統治者達は、リュウが廃棄ディク処理施設にいた竜・アジーンとリンクして「竜の適格者」になったことを告げるが、D値の低いリュウが適格者となったのは事故であること、空を目指すのはリュウの意思ではなく、リンクした竜のプログラムに従っているにすぎないこと、今はまだ閉ざされた空を開いて地上に戻る時ではないと話す。それでも意思を変えないリュウは鍵を手に入れるため、統治者達と死闘を繰り広げる。立ちはだかる統治者を倒し、残る鍵を手に入れたリュウ達は、中央省庁区の最上層にあるセメタリーにて入手した4つの鍵を使い扉を開け、最終地点であるジオフロントへ続くジオエレベータに乗り込んだ。ジオフロントへ向かう途中リュウは、地上に辿り着いたらニーナに空を見せるようリンに伝えるが、そこへ地下世界の最高統治者・エリュオンが3人の眼前に姿を現した。エリュオンはリュウに向かって、空を開く最後の時が来たと言い戦いを挑む。死闘の末、エリュオンに勝ったリュウは、エリュオンがアジーンの最初の適格者であったことを知るが、エリュオンは自分は失敗しただけだと言い、先へ進むリュウ達を見送った。エリュオンに勝ち、ジオエレベータを降りた3人は、地上と地下世界を隔てるメインゲートが設置されたジオフロントへ辿り着いた。3人は立ち止まり、天井に設置された巨大なメインゲートを見上げるが、そこへ転落死したはずのボッシュが3人の後ろからやってきた。ボッシュはD検体と呼ばれた竜・チェトレの適格者となることで、転落の致命傷から復活していた。リュウへの憎しみに支配されたボッシュは、ドラゴナイズド・フォームに変身してリュウ達に襲い掛かるが敗北し、チェトレに肉体を侵食され尽くした。巨大な竜に具現化したチェトレは、アジーンとリンクしたリュウが空へ到達することを阻止しようとするが、侵食率の限界を突破したリュウの猛攻で消滅し、ついに閉ざされた最後の扉が開いた。柵にもたれた状態で床に座り込み、開かれたメインゲートから漏れる光を見上げたリュウは、ニーナを連れて先に行くようリンに伝える。察したリンはニーナを連れて地上へ向かった。2人を見送った後、リュウの眼前にアジーンが現れ、竜は世界を開く判定のプログラムなのだと言った。リュウはアジーンに、自分がニーナを助けるために空を目指したのもプログラムだったのかと尋ねる。それに対してアジーンは、リュウが空を目指したのはプログラムではなく、世界を変えて誰かを救いたいというリュウ自身の意思であると言い、それを聞いたリュウは安堵し、アジーンとニーナに別れを告げて息絶えた。リュウの亡骸を見つめたアジーンは、世界を開く判定は、竜とその適格者の死によって終了する定めだが、自分は正統なプログラムではなかったと独白し、最後の判定をリュウに託すと言って消滅した。一方、地上への階段を上りきったニーナは、目の前に広がる景色に歓喜した。瘴気に汚染されていた地上は浄化され、青空が広がり、雲が浮かび、一面の草原に鳥の囀りが聞こえ、木には大きな果実がなっていた。ニーナは後から階段を上がってきたリンを見るが、リンの表情でリュウの死を悟ったニーナは、踵を返してリュウの元へ駆けつけようとする。階下で倒れていたリュウを見つけたニーナは、柵を乗り出し、泣きながら大声でリュウの名を叫ぶ。次の瞬間、ニーナの呼び声に応じるようにリュウは目を覚まし、笑い泣きをするニーナに泣きすぎだよと語りかけた。
出典:wikipedia
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