ヴァンデの反乱(ヴァンデのはんらん、)は、フランス革命期に発生したカトリック王党派の反乱である。ヴァンデ戦争()とも言う。王党派を白軍(白服)、共和国側を青軍(青服)と言って区別した。1793年3月、30万人募兵令に反発する農民たちの蜂起によって、フランス西部ヴァンデ地方を中心に一気に広がり、フランス革命戦争でも苦戦していた国民公会を危機に陥れた。しかし共和国軍が反撃に転じるとカトリック王党軍はロワール川の北に追い詰められ、1794年12月のル・マン、サヴネの戦いの敗北によって組織的抵抗は壊滅した。以後は少人数によるゲリラ戦に変化して長く不毛な戦いが続いた。ヴァンデ側の指導者は相次いで死亡して、1796年7月にはオッシュ将軍によって鎮圧宣言が出され、寛容令もあって宗教的動機をもった農民の反乱は終息に向かったが、今度は外国に援助された王党派亡命貴族が抵抗を継続した。コンコルダートを結んで和解を進めた第一統領ナポレオンが 1801年に正式に終結させた後も、彼らの活動は続いた。正確な数は不明だが、犠牲者は30~40万ともいわれる。ブルターニュ、メーヌ、アンジュー、ノルマンディーで発生したシュアヌリの反乱と密接に結びついており、これらの反乱は時に『西部戦争()』と総称される。元々、ヴァンデを中心とするフランス西部は信仰心の篤い地域だった。1789年に勃発したフランス革命には当初は好意的で領主権や十分の一税の廃止を喜んで受け入れたが、その後行われた教会と僧侶に対する弾圧、国王処刑、増税、30万人募兵の不公平に反感を持つようになった。そうしたなか、司祭に扇動されて30万人募兵令に基づく徴集兵を決めるくじ引きが予定されていた1793年3月11日、メーヌ=エ=ロワール県ショレの人々が決起、各地の農民も蜂起し、わずか10日余りの間にフランス西部の3分の2の地域で騒乱状態となった。指導者にはそれぞれ軍人である地方貴族を担ぎ上げて、各地の反乱軍と合流しながら政府軍を打ち破り、ヴァンデ地方を支配下に置いた。国民公会は3月19日、「武器を所有している反乱者全員を処刑し、その財産を没収する」という厳しい処置を取ったが、国境に国民衛兵を送っているため兵力が不足しており、鎮圧することができなかった。反乱軍は次第に力を持ち始め、政府が国境の軍隊を配備しても、思うような成果はあげられなかった。反乱軍は自らを「カトリック王党軍」と名乗り、行商人出身のジャック・カトリノーが最高司令官に選ばれた。この頃には連戦連勝で勢力圏を拡大し、ブルターニュのシュアヌリ(ふくろう党)と合流するために6月にはナント市を攻略した。しかし、ナント市民は政府軍と協力して徹底抗戦したため、撤退を余儀なくされる。その際、最高司令官のカトリノーが戦死。そのためこの反乱はそれ以上広がらなかったものの国内の商業及び軍事活動は妨げられ、ジロンド派に非難が集中した。そうしたなか8月に国民公会は革命政府軍にヴァンデの破壊命令を出す。指令は、「戦争に関わった可能性のある者は、老若男女を問わず、容赦なく殲滅せよ」というものであった。それを受けて政府軍は森林、畑、家、教会を荒らし、人間を無差別に殺害した。一方、反乱軍では退却後、カトリノーの死の影響が大きく離脱者が続出し統制が取れなくなっていた。英仏海峡を目指して転進したが、グランヴィルの前面で退けられ、敗退を続け、食糧もなく疫病が流行り士気も低下した。にもかかわらず政府軍の無差別攻撃により逃げ出してきた農民をも含め10余万人にも膨れ上がってしまった。彼らは遂に諦めて故郷に帰ろうとロワール川を越えて北上したが、サヴネの町での戦闘で壊滅した。捕虜になった者はナントに連行され、ロワール川に浮かぶ廃船に積み込まれて沈められた。その後も政府は「地獄部隊」と名付けられた連隊を派遣し、同様の作戦を続けたため、ヴァンデ地方では反乱は小規模なゲリラ戦に形を変え続いたが、1794年に反乱鎮圧に派遣されたルイ=ラザール・オッシュが軍司令官として赴任すると、捕虜の農民兵との面談から、農民が反乱に加わったのは 宗教的自由のためであって、寛容政策をとれば彼らは王党派反乱から離脱するだろうということを発見。この政策変更で、1795年2月までに功を奏してヴァンデ反乱軍は瓦解し始める。同年6月15日、イギリスの支援で王党派部隊がキブロンに上陸したが、撃退されて大半が捕虜になりヴァンデ反乱軍は致命的な一撃を受けた。執拗にゲリラ戦を続けていた最後の生き残りの指導者シャレットも検挙されて銃殺された。オッシュは1796年までにヴァンデ地方の平定を宣言。 1801年には、ナポレオンがローマ教皇と和解し、ヴァンデに対して数々の復興の政策を講じることでこの反乱は完全に終結した。
出典:wikipedia
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